40 / 65
アルロスと一緒2
しおりを挟む私が一歩前に進む度、さっきから周りはざわざわとざわめいているのだけど??
「エイミー、歩くのが早いぞ。そんな急いでどうしたんだ?」
お願いだから、私に話しかけないでアルロス!
そう思いながら歩く私の周りでは、さっきからヒソヒソと話し声が聞こえていて嫌なの!
「キャー!あれってアルロス様じゃない!?」
「本当ですわ!でも、もしかして入学式以来初めて登校なさるのではありませんこと?」
「それに、一緒にいらっしゃるのはフィーリア様でもないし……」
「あの地味な子はどなただったかしら?」
その地味なのは私です、ごめんなさい!!!
そう心の中で叫びたくなっちゃうほど、今の私はアルロスのせいで注目されてるわけなのよ。
それなのに、自分が注目されてるなんて全く気がついてないアルロスは、何故か私の後ろをずっとついてきているわけで……。
「アルロスは一年生なのだから、この階段を登らなくて良いはずよね?だからここで別れましょう!」
「何言ってるんだ?俺は授業を全免除されてるから、エイミーと同じ教室で待機するんだぞ?」
「へ!?」
「だって、そうじゃないと側仕えの意味がないだろう?」
何言ってんのこの人!?
私の教室まで一緒に来るつもり???
そんな事されたら殿下やユリア様、それにクラスメイトに変な目で見られちゃうじゃない!!
「嫌よ!流石に教室まで来るのはやめて欲しいわ!!」
「それは聞けないお願いだ。俺はフィーリア様にお願いされてここにいるんだぞ!俺にとってフィーリア様は絶対なんだ。だから絶対に一緒に行くからな!」
「いや、フィア様はそこまでしろなんて言ってないわよ絶対!!??」
凄い思い込みの激しさだわ、私登校しただけなのにもう挫けそう……。
「と、言うわけで、エイミーちゃんはゴリ押しに負けちゃったのね~?」
「そうなんですユリア様!!」
あの後すぐに挫けてしまった私は、教室でユリア様と話していたのだけど……私達の横にはアルロス様が立っているのよね~!!
こんな状態じゃ、まともに話せないわよ!?
「ふーん、貴方がアルロス様ですのね?二度もエイミーちゃんを殺そうとしたとお聞きしましたが……その事について何も思わなかったのかしら~?」
「ふ、ふん。あれはエイミーが僕の邪魔をしたのが悪いのであってだな……」
「ふーん?だからって相手を傷物にしてもいいと仰るのですか~?」
す、凄い!さすがユリア様だわ。あのアルロスさまをガンガン推してるなんて!!
ユリア様、頑張れ~!!
「い、いやそこまでは……えっと、エイミーは傷物になったのか?」
「え?私は軽く怪我はしましたけど……一生残る傷はありませんでしたよ……?」
寧ろ助けてくださった騎士様は大丈夫だったのか心配なのだけど……。
「でも怪我はしたんだな?」
「ええ、まあ……」
じっと見つめてくるアルロスに、なんだか嫌な予感がするわよ。
しかもなんだかユリア様は楽しそうだし……もしかして応援する相手を間違えたかしら?
「わかった。俺は責任を取ってお前を嫁に貰う!!」
何でよ!!!???
そこは、謝るところでしょう!!!
しかもユリア様なんて、耐えられずに笑い出しちゃったじゃない!
「いや、その話待った!!」
しかも、まわりが聞き耳を立ててたせいで遂に殿下まで参戦してきたじゃないの!
「なんだ、お前。僕がエイミーにプロポーズしてるところを邪魔してくるなよ」
いやいや、どう考えても今のはプロポーズじゃないでしょ!?
アルロス様の頭の中はどうなってるのよ、助けてフィア様!!
「僕はこの国の第一王子であるクレス・グレフィアスだ」
「ああ、フィーリア様がよく話しているポンコツ婚約者だな」
「誰がポンコツだって!!?それより、お前がエイミーにプロポーズだと?一体何を考えているんだ」
「何をって、僕はエイミーと仲良くなったからな。それでとても気に入ったし、エイミーを僕が傷物にしたのなら責任を取るのは当たり前だろ?」
いつ、私達仲良くなりましたっけ!!??
まあ家にいる間に、少しは打ち解けましたけど……。
「だとしても、アルロス。君は順序がおかしいだろ?」
「順序……?」
「そうだ。まずは互いに両思いになって、それから手を繋いだり色んなことをして初めてプロポーズするもんだろ!?」
「で、殿下!?」
私、殿下のツッコミポイントが良くわからないんですけど!!?
でも周りで聞いてるクラスメイトも頷いてるからそういうものなのかしら……。
「そ、そうなのか……また僕は新しい知識を手に入れたぞ。エイミー、まずは互いの気持ちを知ることから始めるからな!」
「は、はあ……」
「放課後、僕とデートとやらをするがいい!」
「はぁ!!?」
完全に話から置いてけぼりの私は、頭がクラクラするのをおさえながら、とりあえず椅子に座り直してしまったのよ……。
それよりも殿下ってば本当にどうしちゃったのかしら、アルロスを後押しするようなこと言うなんて……本当に私のこと諦めたのかしら?
って、これじゃあ私が殿下を意識してしてるみたいじゃない!!
私が好きなのは護衛さんなんだから、でも殿下を見ていると何故か護衛さんの姿が被るのよね。
はぁ、早く護衛さんに会いたい。
こうして私は目が死んだまま、気がつけば授業が終わっていたのよ。
ああ、最悪な放課後よ来ないで!!!
そんな思いも虚しく、終業のベルは気がつけば盛大に鳴り響いていたのです。
ー ー ー ー ー
お知らせ
来週は忙しくて投稿できなさそうなので次は再来週になります。すみません!!
0
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!
夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」
婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。
それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。
死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。
……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。
「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」
そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……?
「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」
不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。
死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!
魔法使いと彼女を慕う3匹の黒竜~魔法は最強だけど溺愛してくる竜には勝てる気がしません~
村雨 妖
恋愛
森で1人のんびり自由気ままな生活をしながら、たまに王都の冒険者のギルドで依頼を受け、魔物討伐をして過ごしていた”最強の魔法使い”の女の子、リーシャ。
ある依頼の際に彼女は3匹の小さな黒竜と出会い、一緒に生活するようになった。黒竜の名前は、ノア、ルシア、エリアル。毎日可愛がっていたのに、ある日突然黒竜たちは姿を消してしまった。代わりに3人の人間の男が家に現れ、彼らは自分たちがその黒竜だと言い張り、リーシャに自分たちの”番”にするとか言ってきて。
半信半疑で彼らを受け入れたリーシャだが、一緒に過ごすうちにそれが本当の事だと思い始めた。彼らはリーシャの気持ちなど関係なく自分たちの好きにふるまってくる。リーシャは彼らの好意に鈍感ではあるけど、ちょっとした言動にドキッとしたり、モヤモヤしてみたりて……お互いに振り回し、振り回されの毎日に。のんびり自由気ままな生活をしていたはずなのに、急に慌ただしい生活になってしまって⁉ 3人との出会いを境にいろんな竜とも出会うことになり、関わりたくない竜と人間のいざこざにも巻き込まれていくことに!※”小説家になろう”でも公開しています。※表紙絵自作の作品です。
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる