チェンジ

tomo

文字の大きさ
9 / 14

生きていた少女

しおりを挟む
少女には、あまり多くの時間がないと痛感されられた僕は、次の少女を急いで探さないといけないと思わされた。
次の少女は自宅から行ってみることにした。幸いお葬式もなく無事に生きている感じだけはつかめた。
学校へ行った僕は、葬式でみた少女と同じ少女がいることに気づいた。驚きと同時に、彼女が江藤結衣なのだろうと思った。帰宅する彼女は予想通り、学校に来る前に寄った一軒家に入っていった。やはり間違いはなかったようだが、なぜ2人は同じ顔をしているのか、どっちが日記の少女なのだろう。この事実を理解することも容易ではないが、ますはこの少女に会って、日記の件を確認するしかないのかも知れない。
翌日僕は、学校へいく途中の彼女に声をかけた。怪しまれるだけだと思っていたが、思わぬ反応に驚いた。
「学校が終わったら、ここで待っていてください。」
まるで僕が来ることを分かっていたかのようだった。それに彼女が、いじめられているタイプには見えなかった。この点においては、1人目が日記の少女ではないかと思わせる感じであった。
授業が終わるころ約束の場所で待っていた。
「おまたせ。」
随分気楽に話をしてくると思いつつ、僕たちは近くの喫茶店に入り話をすることにした。

こちらがどう話をしようと思っていると、
「あなたは近藤祐一さんでしょ。」
少女の言葉に驚きを隠せなかった。僕は何も名乗っていないし何故なんだ。
「いつか来るかも知れないと思っていたけど、以外と早かったのね。日記を届けにきてくれたんでしょ。」
急な展開に言葉が出なかった。こっちが話し方に気を付けるまでもなく、彼女は理解していたのだ。
少女によると別世界にいた時に、日記とは別につけていたノートがあり、こっちに戻るときに、そのノートだけは持っていたようなのだ。それで別世界に行ったこと、そこで何が起こっていたか、そして僕と話をしていたことの最低限度の情報はあったらしい。
僕は彼女に日記を返して注文したコーヒーを飲んでいた。少女はその日記を黙々と読んでいた。読み終わった後で、別のノート以上の情報を知ったらしく、点の情報が少し結び付いたようだった。
僕はENDのあとの情報で知っていることを彼女に伝えた。少女の反応は以外にあっさりしたもので、こちらが拍子抜けする程だった。少女にあって気になったことがあったので聞いてみることにした。
日記にあった少女のイメージと違うことだった。いじめられていて、人の死を願ったくらいの少女とは違う感じに思えた。
「失礼ね。あなただって人のこと言えないわよ。」
彼女は引っ越しして、この学校にきたようで、前の環境から変わったことが、本来の彼女らしさが出てきたことになったのかも知れない。
今のままであれば、もうENDを迎えることなど心配する必要がなさそうだ。

もうひとつ気になるのは、日記以外にノートをつけていたことだ。通常日記をつけていれば、別にノートをつけることなんてあるのだろうか。この少女は僕の名前を知っていた。ノートをつけていた理由を聞こうと思ったけれど、その時は聞くことをやめた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...