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hirahara

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風吹く星よ

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 ルドフィー技研が支部を作るのはある計画のためだった。
その計画はルドフィー技研の夢だ。
 それは橋である。
エンジ~ナートリ間を繋ぐ橋の建造計画が立ち上がったのだ。
 陸路で島の行き来ができるようになると、島が活性化する。
デメリットもあるけど、メリットの方が大きい。
空路を使うよりも輸送費も節約できるし、島同士の交流も盛んになるだろう。


 ヴィンディスでは過去にも島を繋ぐ橋の建造が計画されたことがあるが、その全てが失敗に終わっている。
原因は上昇気流だ。
大地がない場所は激しい上昇気流が常に吹いているため、橋を建造しようとしてもうまくはいかなかった。
 鋼鉄の杭を大地に深く打ち付けても、上昇気流には勝てず、杭ごと吹き飛ばされてしまうのだ。


 ルドフィー技研は設立当初からこの計画を実現を目指していた。
なぜなら、ルドフィー技研を設立したルドフィー博士の最期の研究だからだ。
 正確に言うと、橋は研究の一部。
ルドフィー博士が目指したのは人工島。
橋はその計画の第一段階にあたる。


 人工島の実現前にルドフィー博士は寿命を迎えてしまった。
博士の死後、ルドフィー技研は博士の遺した研究を引き継いで、人工島の研究をし続けていたが、上昇気流の壁は厚く、諦めかけていたらしい。


 今まで不可能だったのだが、新たな素材がそれを可能にした。
BSゴルゴンや上位の蛇たちのドロップ品の金属だ。
あの金属は風の影響を受けにくい特性を持っている。


 金属はサンティライトと名付けられた。
ヴィンディスの場合、未発見の物質が発見されたら、第一発見者に命名権が与えられる。
最初に分裂蛇を倒して金属をドロップさせたのはユラさんだから、彼女が命名した。


 サンティライトを使えば、上昇気流をクリアできる。
問題は量の確保だ。
 サンティライトはBSゴルゴン本体とあれが生み出した上位の蛇からしかドロップしない。
だけど、その問題はすぐに解決した。
サンティライトを落とすモンスターがヴィンディスに出現するようになったのだ。


 そのモンスターはBSゴルゴンの偽物だ。
オリジナルに比べると、大きさは半分以下。戦闘能力もオリジナルよりも劣っている。
 劣ってはいるが、それでも十分強いらしい。
霧の発生能力と蛇の生成能力もちゃんと持っているそうだ。
ただし、霧の範囲はオリジナルほど広くはなく、生成される蛇の中に分裂蛇はいないらしい。


 霧は厄介だけど、すでに対霧フィルターの複製は成功している。
それを装備させたファルシュなら討伐は可能だ。
 BSゴルゴン討伐隊の中から志願したプレイヤーがヴィンディス中を飛び回り、BSゴルゴン(偽)の討伐して、サンティライトを集めている。


 彼らの活躍によって、表では大きな被害は出ていない。
あくまで表はだ。裏では被害が出ている。
 被害が出ているのは統合軍の力が強い場所だ。
プライドが高い彼らは救援を拒否し、自分たちで討伐を試みている。
その結果、討伐には成功したそうだ。対外には完勝と報告しているが、実際は大きな被害が出ているらしい。


 討伐隊も近くまで行き、援護を申し出たんだけど、統合軍は参戦するのに条件を出してきたそうだ。
報酬はゼロ、ファルシュの運用コストもこちらが負担。
 討伐後に入手できるアイテムも全部引き渡せと言われたそうだ。
そんな条件飲めるわけがないから、討伐隊は無視して退散したらしい。


 ルドフィー近辺じゃなくてエンジ~ナートリで建造しているのは、橋の建造する条件が関係している。
条件として、一番大事なのは空魔だ。
 空魔の縄張り近くに橋なんて作れない。
エンジ島とナートリの間は空魔の縄張りから大きく離れているため、建造しても空魔を刺激する危険はない。


 次に物理的な距離。
二つの島の距離が離れすぎると、橋の建造が困難になる。
 二つの島が友好関係を築いていることも重要だ。
隣り合う島同士が仲が悪いところが多いそうで、橋なんて建造すると争いに発展する。


 この条件を全てクリアしている島は少ない。
エンジ島とナートリ島は統合軍の影響力が及ばないのも魅力的だったそうだ。
 橋の建造予定場所には新たな町を作る予定だ。
今の町だけじゃ、王立研究所の人やルドフィー技研の人の住む場所は用意できない。
研究員だけなら、研究所に泊まればいいだけだが、その家族も移住してくるため、どうしても足りなかった。


 移住者はNPCだけじゃない。
プレイヤーの中にはエンジに常駐するつもりの人も多かった。
理由を聞くと、「誰からも蔑まれないのはサイコー」って言っていた。
プレイヤーへの風当たりの酷さのせいで、ストレスが溜まっていたらしい。
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