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十月
十月六日
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十月六日。
浮かれ浮かれ丸くなれ。
夜朧城で浮かれる男がここに一人、いったいどうしたのだろうか?
似合わぬフリフリのエプロンをどこからともなく装備しては、何やら調理をしているのだ。
「げ……玄弥様、何をお作りになられているのです?」
聖奈は恐る恐る聞いてみると、台所の上には白玉粉がおいてあるので即座に理解できた。
しかしなぜ今になってと思うばかりである。
「今日は満月だそうだ! 十五夜だからお団子をな? ほら、聖奈好きだろ?」
たしかに団子は好きな聖奈だが困惑する。
「玄弥様、非常に申し上げづらいのですが……今日は十五夜ではありません。 四日の日です。」
「な、なんだと!?」
団子にチョコレートシロップをかけてる段階でフリーズし、過剰にチョコまみれの団子は止まらない。
「十五夜は旧暦の八月十五日の事ですから、毎年ずれが生じます。 ですから満月が十五夜というのも当てはまらないんです。」
真っ白に燃え尽きている玄弥だが大丈夫だろうか?
「お、俺は聖奈と一緒に団子を食べたり十五夜を楽しむことができなかったのか……。」
玄弥は崩れ落ちるも、聖奈が支えてくれた。
優しい言葉をかけてくれた。
「なら、今日も十五夜にすれば問題ありません!」
月を司る女神がそういうなら間違いはないと玄弥の表情に明るみが増してきては、ハツラツとしたいつもの玄弥に戻る。
やはりこうでなくてはこちらの気持ちも滅入ってしまうし、せっかく用意してくれたのだからこの行為をむげにすることも許されない。
すると玄弥はチョコ団子にフォークを刺しては聖奈の口に運ぶ。
「ほら、あーん!」
「は、はむ………美味しいです!」
とても幸せな時間が二人を包む。
甘くてしっとりで、今まで食べた団子の中で一番美味しいと感じる聖奈のその笑顔は、玄弥にも元気を分けてくれるほど。
「よーし、いい笑顔だ。」
玄弥は聖奈の頭を撫でるととても嬉しそうにまた微笑んでくれた。
聖奈いわく、満月の日はいつでも十五夜にしたいと当分は願っていたのかもしれない。
団子と玄弥様がいれば今は何も要らないし、それだけで充分満たされて満足であったそうだから、玄弥も嬉しくてたくさん団子を作ったとさ。
一足遅い十五夜。
でも今日は満月。
浮かれ浮かれ丸くなれ。
夜朧城で浮かれる男がここに一人、いったいどうしたのだろうか?
似合わぬフリフリのエプロンをどこからともなく装備しては、何やら調理をしているのだ。
「げ……玄弥様、何をお作りになられているのです?」
聖奈は恐る恐る聞いてみると、台所の上には白玉粉がおいてあるので即座に理解できた。
しかしなぜ今になってと思うばかりである。
「今日は満月だそうだ! 十五夜だからお団子をな? ほら、聖奈好きだろ?」
たしかに団子は好きな聖奈だが困惑する。
「玄弥様、非常に申し上げづらいのですが……今日は十五夜ではありません。 四日の日です。」
「な、なんだと!?」
団子にチョコレートシロップをかけてる段階でフリーズし、過剰にチョコまみれの団子は止まらない。
「十五夜は旧暦の八月十五日の事ですから、毎年ずれが生じます。 ですから満月が十五夜というのも当てはまらないんです。」
真っ白に燃え尽きている玄弥だが大丈夫だろうか?
「お、俺は聖奈と一緒に団子を食べたり十五夜を楽しむことができなかったのか……。」
玄弥は崩れ落ちるも、聖奈が支えてくれた。
優しい言葉をかけてくれた。
「なら、今日も十五夜にすれば問題ありません!」
月を司る女神がそういうなら間違いはないと玄弥の表情に明るみが増してきては、ハツラツとしたいつもの玄弥に戻る。
やはりこうでなくてはこちらの気持ちも滅入ってしまうし、せっかく用意してくれたのだからこの行為をむげにすることも許されない。
すると玄弥はチョコ団子にフォークを刺しては聖奈の口に運ぶ。
「ほら、あーん!」
「は、はむ………美味しいです!」
とても幸せな時間が二人を包む。
甘くてしっとりで、今まで食べた団子の中で一番美味しいと感じる聖奈のその笑顔は、玄弥にも元気を分けてくれるほど。
「よーし、いい笑顔だ。」
玄弥は聖奈の頭を撫でるととても嬉しそうにまた微笑んでくれた。
聖奈いわく、満月の日はいつでも十五夜にしたいと当分は願っていたのかもしれない。
団子と玄弥様がいれば今は何も要らないし、それだけで充分満たされて満足であったそうだから、玄弥も嬉しくてたくさん団子を作ったとさ。
一足遅い十五夜。
でも今日は満月。
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