日々是成長×神様project・ＨDリマスター

十月

十月七日

十月七日。
幸せ溢れすぎです。














   ホコホコと熱々のラーメンが湯気を立ち込めさせるなか、彼女は美味しそうにラーメンを食べている。

   燎煉山のふもとにあるラーメン店、【大噴火】は元々は激辛ラーメンが売りなのだが、女性や子供たちの顧客も増やそうと通常のメニューなんかもあり、レパートリーは豊富だしその気になれば激辛仕様にも早変われる。

   彼女は普通の醤油ラーメンを美味しそうに笑顔で食べている。

 「はふーっ、やはり美味しいわっ！」

   彼女、もとい恋は水を飲みながら一息つき、食休みのためにいったん手を休める。

 「恋さん、ラーメン好きですね。」

   対面に座っているのはまた燎煉では珍しい隣地方の恵麻であり、彼女はチャーハンを頼んでは食べているようだ。

 「私はラーメン好きよ！ 音ゲーマーってそうじゃない？」

 「えぇ……なんですか、その謎理論。」

   理論はわかっていても事実、そうなのである。
   音ゲーマーは大抵はラーメンだのカフェインドリンクだの、なんだの好む習性が存在するようだ。

 「ラーメンを食べると幸せを感じるのよね！ ドーパミンが溢れては脳が活性化し、譜面とかの認識や覚えが良くなるって科学的にも実証されてるのよ！」

 「えぇ……。」

   恵麻もラーメンは好きだが、音ゲーのためにラーメンを食べようとするほどにまでは好みではない。
   お腹がすいて食べたいと思ったときだけであり、幸せならケーキを食べてるときにだって感じられる。

 「ふっふーんっ、今度の配信曲に差をつけるために今からモチベーションをね？ ほらほら、食べたいなら一口あげるわよ。」

 「いっ、いいですよ……私はチャーハンありますから。」

   恵麻もこの有り様。

 「あとでウチにきて先行解禁で、なおもカード使って遊ぶ権限を与えるとしても？」

   恵麻が一瞬固まっては恋を見つめる。
   先行解禁で、カードで保存して遊ぶ権限……そして数日は誰も遊べない曲で理論値を持ち帰れるならこの上ラーメンを一口でももらった方が得策。

 「ただし、理論値称号や曲は解禁日までハテナ表記にしておくから、今日取得しても無駄よー。」

 「わかってますよ……はむっ、………………辛いぃいっ！？」

   あえてれんげにスープに激辛仕様の粉を振りかけて食わせた恋の表情に悪意を感じながら、二人は楽しく食事を終えたのち、ゲームを楽しんだとさ。














あなたにとっての幸せはなんですか？
ドーパミン出しましょう。