日々是成長×神様project・ＨDリマスター

十月

十月十五日

十月十五日。
おやすみと。














   神様の世界における神界の神位一桁は通称【神様project】と呼ばれる最高神のグループに存在しており、だだっ広いこの世界で半径一キロに七曜神以外の一桁の神が複数存在すれば均衡が壊れるほどとはよく言う。

   さて、そんななか神位第一位の善人が指揮する会社の【臼箕電工】の休憩室に一人の七曜神が休んでいた。
   ここのフロント部分は誰でも気軽に利用できるフリースペースであり、張り紙を見渡せば電気の大切さについたこの会社のポスターがずらり。

 「……。」

   買い物の帰りだろうか、紙袋を置いては珍しく人ゴミがひしめく休憩スペースでお茶を飲んでいる。

 「……？」

   突如として髪の毛がフワフワと逆立っては、近くに強い力が存在するのがわかるもなにも珍しいことじゃないと彼女はお茶を黙って飲み進める。

 「七曜の巫女……いや、土曜の巫女よ、こんなところで何をしておるのだ？ 我の本社に居るとは滑稽よ。」

 「買い物帰り……。 体を洗う泡立つタオル……買ってきた。」

   桃子は紙袋から開けるとそれを見せびらかす。

   善人も七曜神達の異常なお風呂好きには苦笑いするも、ふんわりと香る石鹸の甘い香りは好きなようだ。
   余談だが、特に聖奈のである。

 「ふむ、長旅であろうな？ 心行くまで休んで行くとよいぞ。」

 「うん……。」

   相変わらず桃子は他人と目を合わせようともしないが、善人には会話に反応するほどにまで成長はしたようで、初期の頃は全くガンスルーであったほどだ。

 「それにしても……眠いわ。」

   睡眠に関しては桃子はすぐ疲れるのだから病弱体質なのかもしれない。

   まぁ、風邪を引いたなど事例はないが早く走ったり玄弥や菊花のようにテキパキとは動けないのだからゆっくりスローペースで行かなくては呼吸が乱れて仕方ないようだ。

 「医務室のベッドを貸してもらおう。 単に眠いの理由ではあまり貸せないし、ほかに風邪気味の人が後で来たなら潔く渡すのが条件だ。」

 「……構わないわ。」

   そう言うと桃子は医務室に案内されてはベッドでスヤスヤと安らかに眠ったそうだ。

   後に玄弥に迎えに来てもらうように頼んだようだが、来るまでの間は寝顔を楽しんだ善人である。
   よく見ると誰かの面影を思い出すように。














眠いときに立ち寄る。
シンプルイズベスト。