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十月
十月十六日
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十月十六日。
これじゃない感じのカタマリ。
神社の冷凍庫には風見自然開発センターで製作された納豆が、三袋鎮座している。
一袋に三つ入ってる物なのだから合計で九個の納豆が、昨日の賞味期限の為に冷凍庫へとぶちこまれたようだ。
聖奈や恵麻なんかは勿体無く感じても、多少ためらうが一日期限が過ぎているなら捨ててしまうタイプだろうが、菊花や結愛ならどうだろう?
「朝御飯だよーっ! 起きてね。」
菊花は容赦なく二度寝につこうとする結愛を布団から引きずり出しては、寝巻きのままお構いなしに、居間の椅子に座らせる。
「もう、あと五時間寝ていたかったのに……。」
「土日気分が抜けてないなぁっ。」
結愛もたいがいだが、菊花もたいがいなのである。
菊花はオンオフの差が激しく堕落するときはとことん堕ちるが、キリッとするときはし過ぎて逆にこのように自分のペースに乗せてしまうため、迷惑きわまりなくなる。
さて、机の上には美味しそうな朝食とご飯の上のための納豆。
「朝納豆なんて久々ね。」
舗装フィルムを剥がしては付属の醤油とカラシを入れて、箸で混ぜようとしたときだった。
「ん?」
冷凍庫から取り出してから時間もあまり経っていないため、アイスのようにガチガチであり、混ぜることが出来ないのだ。
「やっぱり解凍には時間がかかるかぁ。」
菊花も困ったような表情だが、冷凍納豆をほぐさずブロック状に固まったまま食べだす始末。
「納豆だけど冷たい。 コレジャナイ感しか出てない。」
「チャレンジャーねぇ。」
さらさら解凍するまで待ってるとなると陽が暮れてしまうし、かといって棄てることは出来ないので味噌汁に入れておくことに。
冷凍した氷のような納豆を味噌汁に入れるとどうなるかは目にみえていただろうが。
「ぬるくなっちゃった。」
「冷凍納豆は事前に出して置くべきだったかぁっ。」
普段は賞味期限以内に食べ尽くしてしまうから、余って冷凍庫に入れること事態が稀な菊花にとってはまた学ぶものが増えたが、実際にアイスみたいな納豆が大ウケしたのは内緒。
「朝から最悪な気がしかしないわ。 これは二度寝で運気をリフレッシュしなくちゃって話ね。」
なにかとイチャモン付けては二度寝の恨みを晴らそうとするも、菊花も乗り気。
「私も寝るよ……うぇえっ!!」
納豆の新たな境地に二人はおどろおどろしい朝を迎えたと言う。
冷凍したての納豆はガチガチで食べれたものではない。
上手く使い分けよう。
これじゃない感じのカタマリ。
神社の冷凍庫には風見自然開発センターで製作された納豆が、三袋鎮座している。
一袋に三つ入ってる物なのだから合計で九個の納豆が、昨日の賞味期限の為に冷凍庫へとぶちこまれたようだ。
聖奈や恵麻なんかは勿体無く感じても、多少ためらうが一日期限が過ぎているなら捨ててしまうタイプだろうが、菊花や結愛ならどうだろう?
「朝御飯だよーっ! 起きてね。」
菊花は容赦なく二度寝につこうとする結愛を布団から引きずり出しては、寝巻きのままお構いなしに、居間の椅子に座らせる。
「もう、あと五時間寝ていたかったのに……。」
「土日気分が抜けてないなぁっ。」
結愛もたいがいだが、菊花もたいがいなのである。
菊花はオンオフの差が激しく堕落するときはとことん堕ちるが、キリッとするときはし過ぎて逆にこのように自分のペースに乗せてしまうため、迷惑きわまりなくなる。
さて、机の上には美味しそうな朝食とご飯の上のための納豆。
「朝納豆なんて久々ね。」
舗装フィルムを剥がしては付属の醤油とカラシを入れて、箸で混ぜようとしたときだった。
「ん?」
冷凍庫から取り出してから時間もあまり経っていないため、アイスのようにガチガチであり、混ぜることが出来ないのだ。
「やっぱり解凍には時間がかかるかぁ。」
菊花も困ったような表情だが、冷凍納豆をほぐさずブロック状に固まったまま食べだす始末。
「納豆だけど冷たい。 コレジャナイ感しか出てない。」
「チャレンジャーねぇ。」
さらさら解凍するまで待ってるとなると陽が暮れてしまうし、かといって棄てることは出来ないので味噌汁に入れておくことに。
冷凍した氷のような納豆を味噌汁に入れるとどうなるかは目にみえていただろうが。
「ぬるくなっちゃった。」
「冷凍納豆は事前に出して置くべきだったかぁっ。」
普段は賞味期限以内に食べ尽くしてしまうから、余って冷凍庫に入れること事態が稀な菊花にとってはまた学ぶものが増えたが、実際にアイスみたいな納豆が大ウケしたのは内緒。
「朝から最悪な気がしかしないわ。 これは二度寝で運気をリフレッシュしなくちゃって話ね。」
なにかとイチャモン付けては二度寝の恨みを晴らそうとするも、菊花も乗り気。
「私も寝るよ……うぇえっ!!」
納豆の新たな境地に二人はおどろおどろしい朝を迎えたと言う。
冷凍したての納豆はガチガチで食べれたものではない。
上手く使い分けよう。
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