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十月
十月十八日
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十月十八日。
ご利益とか言い出しましたよ?
岩動の旅館の内部で見かけるのは菊花の身の丈ほどもあろうかと思われるタヌキの置物。
微妙な角度で天井を見上げるその格好は魔法にとらわれた奴と化した何かで、マヌケ面のように見えて仕方がないのだが、今回の着眼点はそれではない。
頬を染めつつも、指を座したその場所は股座の一点。
「な、何でタヌキの置物のこれってこんなにデカイんだろっ? 普通のタヌキのはこんなに大きくなくて、せいぜい銀杏程度だよ。」
まごうことなきその巨大なタヌキのゴールデンボールはきっと何かがつまっているのではないかと菊花は企み、野獣のごとき眼光で睨み付ける。
「他の店より繁盛する……。 確かそんな言い伝え?」
桃子は触りながら愛でているもドン引きな菊花。
「た、玉とか触って……やっぱり桃子好きなの?」
菊花の切り返しに桃子も顔を真っ赤に染めながら、小さな声を少しボリュームをあげて反論し出す。
決してそんなやましい気持ちはないのだと、抗議をする。
「ちっ、違うのよ……ご利益にあやかるだけ。 別に好きじゃないんだからね!」
七曜神特有の指差しポーズでわざとらしくも話題を切り替えようとするも、菊花には通用しない。
それどころか話題は広まるばかりで、菊花は仕事が早く、手に握ってある端末で調べあげていたのだ。
「なるほど、おとぎ話だけどタヌキのゴールデンボールは畳八畳ぐらいの大きさまで大きくなるから、それに豆粒の金をくるんで叩いて大きくして、それを店に例えて繁盛させる……みたいな感じなんだね。 ちなみに玄弥ので同じことをしたら悶絶するね!」
「本当にやっちゃダメよ……泡吹いて倒れる。」
でも、桃子にも詳しくはわからなかったから意味合いだけでもわかってよかったと思うも、菊花には桃子はゴールデンボールに興味があるというのを間違って植え付けてしまっていないか心配になってしまうのは、言うまでもない。
「けど、この旅館はこれ以上大きくして桃子はなにがしたいのか、これはもうわかんないよね!」
「天下統一とか。」
桃子の温泉の旅館はこれ以上たぶん大きくはならないが、いっそう繁盛することは間違いはない。
化かされたように人々は湯船に浸かっては、これからも安らぎを与え続けるのだとか。
岩動の温泉は七刻一!
疲れも吹っ飛びます。
ご利益とか言い出しましたよ?
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頬を染めつつも、指を座したその場所は股座の一点。
「な、何でタヌキの置物のこれってこんなにデカイんだろっ? 普通のタヌキのはこんなに大きくなくて、せいぜい銀杏程度だよ。」
まごうことなきその巨大なタヌキのゴールデンボールはきっと何かがつまっているのではないかと菊花は企み、野獣のごとき眼光で睨み付ける。
「他の店より繁盛する……。 確かそんな言い伝え?」
桃子は触りながら愛でているもドン引きな菊花。
「た、玉とか触って……やっぱり桃子好きなの?」
菊花の切り返しに桃子も顔を真っ赤に染めながら、小さな声を少しボリュームをあげて反論し出す。
決してそんなやましい気持ちはないのだと、抗議をする。
「ちっ、違うのよ……ご利益にあやかるだけ。 別に好きじゃないんだからね!」
七曜神特有の指差しポーズでわざとらしくも話題を切り替えようとするも、菊花には通用しない。
それどころか話題は広まるばかりで、菊花は仕事が早く、手に握ってある端末で調べあげていたのだ。
「なるほど、おとぎ話だけどタヌキのゴールデンボールは畳八畳ぐらいの大きさまで大きくなるから、それに豆粒の金をくるんで叩いて大きくして、それを店に例えて繁盛させる……みたいな感じなんだね。 ちなみに玄弥ので同じことをしたら悶絶するね!」
「本当にやっちゃダメよ……泡吹いて倒れる。」
でも、桃子にも詳しくはわからなかったから意味合いだけでもわかってよかったと思うも、菊花には桃子はゴールデンボールに興味があるというのを間違って植え付けてしまっていないか心配になってしまうのは、言うまでもない。
「けど、この旅館はこれ以上大きくして桃子はなにがしたいのか、これはもうわかんないよね!」
「天下統一とか。」
桃子の温泉の旅館はこれ以上たぶん大きくはならないが、いっそう繁盛することは間違いはない。
化かされたように人々は湯船に浸かっては、これからも安らぎを与え続けるのだとか。
岩動の温泉は七刻一!
疲れも吹っ飛びます。
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