日々是成長×神様project・ＨDリマスター

十月

十月二十六日

十月二十六日。
調子はどうですかね？














   青は車に揺られて安堵した表情をしながら胸を撫で下ろしているのだが、相変わらず痛いものはまだあり、胸元の痛みに時おり顔を歪ませている。
   大病では無かったものの、今までにこんなことなど起こり得なかったし、とても自分でも心配していたようであったからだ。

   車に同行して乗っている冥綾もため息をつきながら、何事もなかったようにのんびりとしては寝ようにも寝れないが、窓に頭をもたれさせてはいる。

 「心配ともに異常なし、良かったじゃないか？」

   冥綾はニッコリ微笑むと青はタブレットに文字を打ち込んでは、その文章を見せつける。
   車を運転しているお父さんには冥綾は認識できないのだから、こういうなかでは不用意な会話などはできないのだから。

 【良かったには良かったけど、ストレスが原因とはね……。】

   彼女自信、言ってはなんだが自分のプライドとの勝負で心がキリキリ痛みやすいのであって、他人からすればバカらしい内容でも本気なのだ。

 【音ゲーで理論値が取れそうで取れないのは辛い。】

   音ゲーなんて遊びは他人からすればどうでもよろしいものになってしまうが、彼女からすれば本気の生業になりかねないほど。
   ましてや理論値など心を強く持たねば到底取れるものでも無ければならない。

 「私には音ゲーなどよくわからんわ。 でも、本気のプライドが余計自分を苦しめるとは、なんとも苦難の壁にぶち当たる。」

   どんなものにも苦難の壁はあるしそれは乗り越えなくてはいけない試練なのだが、どうにも腑に落ちない。

 「はぁー……。」

   音ゲーで心肺をを痛める程に自分の心が弱かったと思うと、今は切ない気持ちに入り浸るも休養を取らなくては心のコンディションもままならない現状。
   しばらくはゲーセンを控えながら、自宅で療養に精を出すしかないようだ。

 「まあ、青もしばらくは大人しくするのを覚えてみるのも良いかもしれないね。」

 【余計なお世話よ。】

   冥綾からは落ち着きの無いヤツだと思われていたのか、はてまたは自覚していて図星をつかれたのかは不明だが、疲れがどっと押し寄せてくる。
   青は窓に頭を再びもたれさせてはあくびをし、もうしばらく家路に着くまでの間居眠りを堪能したそうな。














心のコンディションって大切。
強く肝に命じておくのだ。