幼女先生と不思議な課外授業

青衣

文字の大きさ
26 / 29

11月25日【闇鍋のルーツは平安時代から存在していた】

しおりを挟む
 みんなは闇鍋って知ってるか?
 そう、真っ暗にした部屋の中でみんなが持ち込んだ材料を鍋に入れて食べるソシャゲのガチャみたいな余興じみたアレなんだ。

 それが今宵開催された。

 平安時代、皆が【一種物】と呼ばれる一品料理持ち込んで楽しんでたのと同様に、明治時代にはそれが秘密裏に鍋にぶちこまれるという魔改造なルールとして成り立ったのがこの闇鍋と言うらしい……あくまで聞いた限りだがな。

「食えないもの、生きてないもの……そしてアレルギー等の物を入れてはならぬというルールにござるな? アイリ殿もカツラ殿もよろしいにござるか?」

「あぁ、いつでも来やがれ。」

「なんだかドキドキするわっ!!」

 暗闇に映るはコンロの炎の灯りのみ、それでも真っ暗に等しく一寸先は闇!!
 淡黄色の瞳の俺、紅橙の残光を揺らめ残すコノハ……そして孔雀緑のアイリ、何を狙っているんだ?

「行くぜ!!」

 箸で掴んだものは絶対、そしてチェンジは無し……俺はソレを口に何のためらいもなく放り込んでは呼吸ひとつせずに無心で噛み砕く。

「ん? やたらとスジっぽいネギだな……?」

「それは拙者が持ってきた玉葱の芽にござるな!!」

 なるほど、この場合はアタリでもなく外れでも無いわけだが3人で回すには具材が不足する。
 ひとり3品くらいぶちこんでるからな、こう見えても。

「な、なによこれ……まずーいっ!!」

 アイリの悲鳴が聞こえてきたが何を食ったんだ?
 少なくとも不味いと感じるもの俺からは持ってきてるはずがない、となるとコノハかあるいは自爆したかのどっちかだろうな。

「アイリ殿ぉっ、何を食べたにござるかぁ!?」

「餃子の生地にカスタード詰め込んだのを自分で食べるハメになるなんて。 ふぇー、ショック!!」

「おいおい、破けたら強制的にみんな道連れとはファンキーなモノ詰め込んだなぁ。 さて、次はコノハだぜ?」

 まだ一巡目、何がおこるかわからないのさ。

「拙者のは何にござろうな? ん? これは海藻類?」

 それは俺からの持ち込み、お節用の試作の昆布巻きだ!!
 できれば俺も食いたかったがコノハが当選したなら遠慮なく食え!!

 おでんにも煮物全般にも使える万能具材、何に使ってもハズレはない。

「カツラ殿のは基本アタリにござろうなぁ。」

「いーや、俺だってゲテモノ珍味はシークレットで持ち込んでるんだぜ? たぶん割烹などじゃなきゃ食えないシロモノ、2人はたぶん食ったことないだろうモノ。」

「ゲ、ゲテモノ……嘘でしょ!? 食えるのそれ? ネェちょっとカツラ、怖いんだけど。」

 さぁ闇鍋は一巡したばかり、まだまだ中身は残ってるんだ。
 3人で暗闇の美食宴を堪能しよう、そして後悔するんだ……興味本意でやってはいけないこのカオスな儀式にな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

処理中です...