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11月25日【闇鍋のルーツは平安時代から存在していた】
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みんなは闇鍋って知ってるか?
そう、真っ暗にした部屋の中でみんなが持ち込んだ材料を鍋に入れて食べるソシャゲのガチャみたいな余興じみたアレなんだ。
それが今宵開催された。
平安時代、皆が【一種物】と呼ばれる一品料理持ち込んで楽しんでたのと同様に、明治時代にはそれが秘密裏に鍋にぶちこまれるという魔改造なルールとして成り立ったのがこの闇鍋と言うらしい……あくまで聞いた限りだがな。
「食えないもの、生きてないもの……そしてアレルギー等の物を入れてはならぬというルールにござるな? アイリ殿もカツラ殿もよろしいにござるか?」
「あぁ、いつでも来やがれ。」
「なんだかドキドキするわっ!!」
暗闇に映るはコンロの炎の灯りのみ、それでも真っ暗に等しく一寸先は闇!!
淡黄色の瞳の俺、紅橙の残光を揺らめ残すコノハ……そして孔雀緑のアイリ、何を狙っているんだ?
「行くぜ!!」
箸で掴んだものは絶対、そしてチェンジは無し……俺はソレを口に何のためらいもなく放り込んでは呼吸ひとつせずに無心で噛み砕く。
「ん? やたらとスジっぽいネギだな……?」
「それは拙者が持ってきた玉葱の芽にござるな!!」
なるほど、この場合はアタリでもなく外れでも無いわけだが3人で回すには具材が不足する。
ひとり3品くらいぶちこんでるからな、こう見えても。
「な、なによこれ……まずーいっ!!」
アイリの悲鳴が聞こえてきたが何を食ったんだ?
少なくとも不味いと感じるもの俺からは持ってきてるはずがない、となるとコノハかあるいは自爆したかのどっちかだろうな。
「アイリ殿ぉっ、何を食べたにござるかぁ!?」
「餃子の生地にカスタード詰め込んだのを自分で食べるハメになるなんて。 ふぇー、ショック!!」
「おいおい、破けたら強制的にみんな道連れとはファンキーなモノ詰め込んだなぁ。 さて、次はコノハだぜ?」
まだ一巡目、何がおこるかわからないのさ。
「拙者のは何にござろうな? ん? これは海藻類?」
それは俺からの持ち込み、お節用の試作の昆布巻きだ!!
できれば俺も食いたかったがコノハが当選したなら遠慮なく食え!!
おでんにも煮物全般にも使える万能具材、何に使ってもハズレはない。
「カツラ殿のは基本アタリにござろうなぁ。」
「いーや、俺だってゲテモノ珍味はシークレットで持ち込んでるんだぜ? たぶん割烹などじゃなきゃ食えないシロモノ、2人はたぶん食ったことないだろうモノ。」
「ゲ、ゲテモノ……嘘でしょ!? 食えるのそれ? ネェちょっとカツラ、怖いんだけど。」
さぁ闇鍋は一巡したばかり、まだまだ中身は残ってるんだ。
3人で暗闇の美食宴を堪能しよう、そして後悔するんだ……興味本意でやってはいけないこのカオスな儀式にな。
そう、真っ暗にした部屋の中でみんなが持ち込んだ材料を鍋に入れて食べるソシャゲのガチャみたいな余興じみたアレなんだ。
それが今宵開催された。
平安時代、皆が【一種物】と呼ばれる一品料理持ち込んで楽しんでたのと同様に、明治時代にはそれが秘密裏に鍋にぶちこまれるという魔改造なルールとして成り立ったのがこの闇鍋と言うらしい……あくまで聞いた限りだがな。
「食えないもの、生きてないもの……そしてアレルギー等の物を入れてはならぬというルールにござるな? アイリ殿もカツラ殿もよろしいにござるか?」
「あぁ、いつでも来やがれ。」
「なんだかドキドキするわっ!!」
暗闇に映るはコンロの炎の灯りのみ、それでも真っ暗に等しく一寸先は闇!!
淡黄色の瞳の俺、紅橙の残光を揺らめ残すコノハ……そして孔雀緑のアイリ、何を狙っているんだ?
「行くぜ!!」
箸で掴んだものは絶対、そしてチェンジは無し……俺はソレを口に何のためらいもなく放り込んでは呼吸ひとつせずに無心で噛み砕く。
「ん? やたらとスジっぽいネギだな……?」
「それは拙者が持ってきた玉葱の芽にござるな!!」
なるほど、この場合はアタリでもなく外れでも無いわけだが3人で回すには具材が不足する。
ひとり3品くらいぶちこんでるからな、こう見えても。
「な、なによこれ……まずーいっ!!」
アイリの悲鳴が聞こえてきたが何を食ったんだ?
少なくとも不味いと感じるもの俺からは持ってきてるはずがない、となるとコノハかあるいは自爆したかのどっちかだろうな。
「アイリ殿ぉっ、何を食べたにござるかぁ!?」
「餃子の生地にカスタード詰め込んだのを自分で食べるハメになるなんて。 ふぇー、ショック!!」
「おいおい、破けたら強制的にみんな道連れとはファンキーなモノ詰め込んだなぁ。 さて、次はコノハだぜ?」
まだ一巡目、何がおこるかわからないのさ。
「拙者のは何にござろうな? ん? これは海藻類?」
それは俺からの持ち込み、お節用の試作の昆布巻きだ!!
できれば俺も食いたかったがコノハが当選したなら遠慮なく食え!!
おでんにも煮物全般にも使える万能具材、何に使ってもハズレはない。
「カツラ殿のは基本アタリにござろうなぁ。」
「いーや、俺だってゲテモノ珍味はシークレットで持ち込んでるんだぜ? たぶん割烹などじゃなきゃ食えないシロモノ、2人はたぶん食ったことないだろうモノ。」
「ゲ、ゲテモノ……嘘でしょ!? 食えるのそれ? ネェちょっとカツラ、怖いんだけど。」
さぁ闇鍋は一巡したばかり、まだまだ中身は残ってるんだ。
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