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銀の鳥籠Ⅱ マシロ&アサギ編
020 今後の予定は?
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父さんは天を仰いだ。目を瞑って、必死に整理してるみたいだ。
「整理しようか」
父さんの言葉にみんなが頷く。
「今回の発端は」
「アサギが変な噂を耳にしたんだ。俺にアサギじゃない別の相手が現れたって」
今考えてもムカムカするけど。俺とアサギの繋がりは、生まれる前からだから。何せ同じ日の同じ時間帯に卵が作られて、卵から孵化したのも同じ日だ。しかも、俺の魔力は破壊の魔力寄り。アサギは破壊の魔力よりも癒しの魔力が多いって言う、まさに俺の為に生まれてきた存在だ。勿論、器も申し分ないし、気持ちもしっかり育ててる。
「そう。そして、精霊と妖精が異常に騒いでいて、よくよく話を聞けばマシロ達が危ないと。それでライカと寮の部屋に向かったんだよ」
つまり、精霊と妖精は何か不穏なものを感知したって事だよな。その情報をユグドラシルにしっかり知らせていたから、ユグドラシルはアサギに俺の中の種を移動させたんだ。
「精霊王が魔法学校の結界に綻びがあると教えてくれた。そうしたら、本当に綻びが存在していた」
「つまり、今回の一連の騒動は」
「マシロが立てた仮定が正しければ、間違いなくライカの一族が狙われてる。問題はその錬金術師の身体がどうなったのか? 本当に私の魔力を利用していたのか? もししていたら……」
「幽閉場所の魔法を破壊したのはルイの魔力という事になる」
クレハさんが冷静に父さんに告げた。
「そうなるね。でも、元教師もだけどその錬金術師も考え及ばない状況になったんだよ」
「どういう事?」
「私は途中で正気に戻って、魔力の半分をそのまま教師の中に注いだんだよ。だから、あちらの世界に旅立ったんだからね」
でも、半分の魔力は何かに使われたんだろう?
「もし、本当に血筋に連なる子孫を利用しようとしていたら大問題だよ」
父さんは辛そうに顔を歪めた。だって、父さんは当事者だったんだ。あの人の血筋に連なる子孫で、遺伝情報が似ていたから干渉された。これは魔法使いの間では有名なんだ。多分、魔法大臣が同じ事が起こらないよう、敢えて、広めたんだと思う。
「島を調べる必要があるな」
クチバさんがそんな事を口にした。どうしてだ?
「結界魔法が弾かれる場合、考えられるのは一つしかない。それは、道となり媒介となる物が錬金術師の手元にあるという事だ。その媒介が何かは分からないが、破壊しない限り魔法学校の結界は完全なものとならないだろう」
「弾かれなければ?」
クレハさんがクチバさんに問い掛ける。
「その場合は問題ないと思うが、その場合でも見つけ出して破壊する方が安全だろう」
うん。みんな頭が良いんだな。流石、強い魔力を持つ魔法使い。未だに魔法省からスカウトが来るくらい能力が高いからな。でも、悉く蹴り倒してるみたいだけど。
「禁書庫内にもしかしたら記録があるかもしれない。少し探してみるよ」
「あの膨大な書籍を調べるのか?」
父さんの言葉に反論したのはクレハさん。でも、父さんの事だから、引っ越しした時に何があるのか把握してると思う。母さん曰く、頭の中がどうなってるのか見てみたいくらい、普通の頭脳じゃないから。
「一通りは把握してるよ。大雑把にだけどね」
「前から思っていたが、お前の頭はどうなってるんだ? 魔力が特殊なのは認めるが、それに負けないだけの知識をしまっておける記憶力は尋常じゃない」
クレハさん、みんなが思ってる事を父さんにスッパリ言った。父さんはと言えば、少し目を見開いてる。まるで、初めて言われたみたいな表情。でも、母さんには何時も言われてたと思う。かち割って見てみたいって。確か、知識を共有する魔法を使ったって言ってたけど、母さんの場合、魔力が勝手に防御していて影響が薄いんだろうな。
「不思議な事ではないと思うけど」
「少なくとも、俺には無理だ」
クレハさんはそんな能力はないときっぱり言い切る。うん。俺にもないと思う。
「酷い言い様だね。仕方ないでしょう? 魔力に合わせて必死で身につけた能力なんだからね」
「マシロはどうしたんだ? 同じ能力を持っているだろう?」
「ああ。私が魔力の能力を制限したからね。マシロは初等部に入ってから収集するようにコントロールしたんだよ」
へ? そうだったの?! 全然気が付かなかった。それを聞いたみんなの表情がなんとも言えない。父さんって普通は出来ない事を簡単にしてのける。
「私は幼少期、大変な目にあったんだよ。感情を抑制されるし、その後、その感情を覚えなさいと言われるし。自然に身につけたものじゃないから、サクヤと会うまでは本当に大変だったんだよ。そんな思いを息子にさせるわけないでしょう?」
今初めて知ったけど、父さんには感謝しないと駄目みたいだ。多分、妹も今は父さんに魔力の能力を制限されてんだろうな。ああ言うって事はかなり大変だったんだろうし。
「整理しようか」
父さんの言葉にみんなが頷く。
「今回の発端は」
「アサギが変な噂を耳にしたんだ。俺にアサギじゃない別の相手が現れたって」
今考えてもムカムカするけど。俺とアサギの繋がりは、生まれる前からだから。何せ同じ日の同じ時間帯に卵が作られて、卵から孵化したのも同じ日だ。しかも、俺の魔力は破壊の魔力寄り。アサギは破壊の魔力よりも癒しの魔力が多いって言う、まさに俺の為に生まれてきた存在だ。勿論、器も申し分ないし、気持ちもしっかり育ててる。
「そう。そして、精霊と妖精が異常に騒いでいて、よくよく話を聞けばマシロ達が危ないと。それでライカと寮の部屋に向かったんだよ」
つまり、精霊と妖精は何か不穏なものを感知したって事だよな。その情報をユグドラシルにしっかり知らせていたから、ユグドラシルはアサギに俺の中の種を移動させたんだ。
「精霊王が魔法学校の結界に綻びがあると教えてくれた。そうしたら、本当に綻びが存在していた」
「つまり、今回の一連の騒動は」
「マシロが立てた仮定が正しければ、間違いなくライカの一族が狙われてる。問題はその錬金術師の身体がどうなったのか? 本当に私の魔力を利用していたのか? もししていたら……」
「幽閉場所の魔法を破壊したのはルイの魔力という事になる」
クレハさんが冷静に父さんに告げた。
「そうなるね。でも、元教師もだけどその錬金術師も考え及ばない状況になったんだよ」
「どういう事?」
「私は途中で正気に戻って、魔力の半分をそのまま教師の中に注いだんだよ。だから、あちらの世界に旅立ったんだからね」
でも、半分の魔力は何かに使われたんだろう?
「もし、本当に血筋に連なる子孫を利用しようとしていたら大問題だよ」
父さんは辛そうに顔を歪めた。だって、父さんは当事者だったんだ。あの人の血筋に連なる子孫で、遺伝情報が似ていたから干渉された。これは魔法使いの間では有名なんだ。多分、魔法大臣が同じ事が起こらないよう、敢えて、広めたんだと思う。
「島を調べる必要があるな」
クチバさんがそんな事を口にした。どうしてだ?
「結界魔法が弾かれる場合、考えられるのは一つしかない。それは、道となり媒介となる物が錬金術師の手元にあるという事だ。その媒介が何かは分からないが、破壊しない限り魔法学校の結界は完全なものとならないだろう」
「弾かれなければ?」
クレハさんがクチバさんに問い掛ける。
「その場合は問題ないと思うが、その場合でも見つけ出して破壊する方が安全だろう」
うん。みんな頭が良いんだな。流石、強い魔力を持つ魔法使い。未だに魔法省からスカウトが来るくらい能力が高いからな。でも、悉く蹴り倒してるみたいだけど。
「禁書庫内にもしかしたら記録があるかもしれない。少し探してみるよ」
「あの膨大な書籍を調べるのか?」
父さんの言葉に反論したのはクレハさん。でも、父さんの事だから、引っ越しした時に何があるのか把握してると思う。母さん曰く、頭の中がどうなってるのか見てみたいくらい、普通の頭脳じゃないから。
「一通りは把握してるよ。大雑把にだけどね」
「前から思っていたが、お前の頭はどうなってるんだ? 魔力が特殊なのは認めるが、それに負けないだけの知識をしまっておける記憶力は尋常じゃない」
クレハさん、みんなが思ってる事を父さんにスッパリ言った。父さんはと言えば、少し目を見開いてる。まるで、初めて言われたみたいな表情。でも、母さんには何時も言われてたと思う。かち割って見てみたいって。確か、知識を共有する魔法を使ったって言ってたけど、母さんの場合、魔力が勝手に防御していて影響が薄いんだろうな。
「不思議な事ではないと思うけど」
「少なくとも、俺には無理だ」
クレハさんはそんな能力はないときっぱり言い切る。うん。俺にもないと思う。
「酷い言い様だね。仕方ないでしょう? 魔力に合わせて必死で身につけた能力なんだからね」
「マシロはどうしたんだ? 同じ能力を持っているだろう?」
「ああ。私が魔力の能力を制限したからね。マシロは初等部に入ってから収集するようにコントロールしたんだよ」
へ? そうだったの?! 全然気が付かなかった。それを聞いたみんなの表情がなんとも言えない。父さんって普通は出来ない事を簡単にしてのける。
「私は幼少期、大変な目にあったんだよ。感情を抑制されるし、その後、その感情を覚えなさいと言われるし。自然に身につけたものじゃないから、サクヤと会うまでは本当に大変だったんだよ。そんな思いを息子にさせるわけないでしょう?」
今初めて知ったけど、父さんには感謝しないと駄目みたいだ。多分、妹も今は父さんに魔力の能力を制限されてんだろうな。ああ言うって事はかなり大変だったんだろうし。
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