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それは恋以外の何者でもない
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「それは、ユウリに聞かないとわからないだろ?」
言いながら何故か狼狽えてしまう。もし、良樹の言う通りだとしても何かが変わることはないのに。
「聞く勇気もないくせに」
…やっぱり、完全に酔っ払ってやがる。
そう思えば腹が立たなくなるもので、さりげなく水の入ったグラスを良樹の前に置いた。
それにしても、良樹が荒んだ飲み方をするなんて珍しいな。
克巳と約束した翌日、荷物を取りに寄ってから三週間が経っていた。
その間、良樹からは再三俺を心配してくれるメールが届いていたが、良樹は出張に俺は部活の指導にと日々忙しなくしていたため、会うのは久しぶりだった。
「それより、良樹こそなんかあったんじゃないのか?」
ほら、水と言いながら、さり気なくビール缶に手を伸ばす良樹にグラスを握らせた。
「別にぃ?ただ、あいつが結婚するかもしれないとか惚気てきただけだけど?」
ああ、なるほど。そう納得してしまうのは、あいつが良樹の恋焦がれるパイナップルであることがわかるからだ。
「結婚、結婚って言うけどさ、よく考えてもみろって。あいつ、付き合ってまだ半年も経ってないんだよ?世の中はスピード婚がどうとか言うけど、俺はやっぱり結婚するならじっくり人となりをお互いにわかった上でしてほしいと思うわけよ」
なのにあいつときたら。良樹は饒舌に語る。
「なんで、なんで俺じゃダメなのかな」
その問いにどう返事をすればいいのかわからない。
だって俺自身も、よくわかっていないのだ。
克巳とはあれから元通りの関係になれたと思っている。
実際に俺がメシを作れば喜んで食べるし、身だしなみもきちんと整えるようになった。それに、夜の方もすこぶる順調だ。
克巳と呼べばちゃんと振り向いてくれるし、学校の廊下ですれ違う時にはちゃんとアイコンタクトも欠かさない。
けれど、何かがずっとズレている気はしていた。
表面上にはわからない何か、あの日の部屋の気持ち悪さみたいな何かがー。
「そういえばさ、奏」
ふいに名前を呼ばれ、我に返る。最近、自分の在り方について考え込むことがよくあるみたいで、多崎先生にも心配されることが増えていた。
言いながら何故か狼狽えてしまう。もし、良樹の言う通りだとしても何かが変わることはないのに。
「聞く勇気もないくせに」
…やっぱり、完全に酔っ払ってやがる。
そう思えば腹が立たなくなるもので、さりげなく水の入ったグラスを良樹の前に置いた。
それにしても、良樹が荒んだ飲み方をするなんて珍しいな。
克巳と約束した翌日、荷物を取りに寄ってから三週間が経っていた。
その間、良樹からは再三俺を心配してくれるメールが届いていたが、良樹は出張に俺は部活の指導にと日々忙しなくしていたため、会うのは久しぶりだった。
「それより、良樹こそなんかあったんじゃないのか?」
ほら、水と言いながら、さり気なくビール缶に手を伸ばす良樹にグラスを握らせた。
「別にぃ?ただ、あいつが結婚するかもしれないとか惚気てきただけだけど?」
ああ、なるほど。そう納得してしまうのは、あいつが良樹の恋焦がれるパイナップルであることがわかるからだ。
「結婚、結婚って言うけどさ、よく考えてもみろって。あいつ、付き合ってまだ半年も経ってないんだよ?世の中はスピード婚がどうとか言うけど、俺はやっぱり結婚するならじっくり人となりをお互いにわかった上でしてほしいと思うわけよ」
なのにあいつときたら。良樹は饒舌に語る。
「なんで、なんで俺じゃダメなのかな」
その問いにどう返事をすればいいのかわからない。
だって俺自身も、よくわかっていないのだ。
克巳とはあれから元通りの関係になれたと思っている。
実際に俺がメシを作れば喜んで食べるし、身だしなみもきちんと整えるようになった。それに、夜の方もすこぶる順調だ。
克巳と呼べばちゃんと振り向いてくれるし、学校の廊下ですれ違う時にはちゃんとアイコンタクトも欠かさない。
けれど、何かがずっとズレている気はしていた。
表面上にはわからない何か、あの日の部屋の気持ち悪さみたいな何かがー。
「そういえばさ、奏」
ふいに名前を呼ばれ、我に返る。最近、自分の在り方について考え込むことがよくあるみたいで、多崎先生にも心配されることが増えていた。
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