組長様のお嫁さん

ヨモギ丸

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雨宮グループの次男

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「起きてください。優様?」

ここはある世界1番のホテル王の家。
日本と言う国は4XXX年形を変えた、そして首都を定め囲むように上流階級の家、中流、下流、貧困民と変わっていった。それに伴い第2性の発見も確実なものとされた。

俺はまだ眠いと言っている目を手で擦りゆっくり体を起こした。

「おはよう、彩乃」

「はい。おはようございます、お体の調子はいかがですか?」

俺には持病、というものがある。それは厄介で俺を自由にしてくれない。
貧血、一見軽めの症状だと思えるが俺のは違う......激しい目眩と頭痛。意識すら手放せざるを得ないほどだ、気がついたら病院なんてよくある事だ。
俺は自分の体に動けるか確かめるように力を入れた。俺の目は子供頃の熱で右だけ真っ白になっている、髪の毛は他と変わらない真っ黒な髪、太陽に晒されることの少ない雪のようにしろい肌。髪はショートカットらへんの長さを保ち続けている。

今日は珍しく動く足に力を入れ、モゾモゾと大きなベッドの布団から顔を出す。

そして彩乃に向かって手を伸ばす。彩乃はそれを自分の首に誘導し、俺はゆっくり立ち上がる。

「あ、やの。もう、歩ける」

「大丈夫ですか?」

「うん、ご飯は」

「今日は静人様が朝からいらっしゃいます。旦那様もご一緒なので‥‥」

「うん、リビングで取るよ」

「かしこまりました」

お兄様が、いらしてる。俺の家族は大変優秀なアルファの中のアルファ、だが俺を覗いてだ。オメガなだけにあり身長もさほど大きくなく、簡単に片手で収められてしまう。そんな名門一家のはぐれ者には居場所は無く、あたりも冷たい。出席するパーティは院が主催の強制出席婚活パーティただ1つのみ、そこでも容姿につられてホイホイ来る生ゴミ以下に用事はない。

「優様、お洋服です。日差しが暑いので少し涼しめのにしましょうね。」

「ありがとう」

彩乃は俺が小さい頃からお世話をしてくれた執事だ。
3つで、第2性検査が行われた後から兄は俺を褒めてくれなくなった‥‥父は見向きもしなくなった、母はこんな俺を産んで狂った。

俺は彩乃が持ってきた薄い服を見にまとい彩乃を伴い部屋を出た。ここから中止の中心棟までゆっくり歩いていけばリビングに着く
俺は彩乃に支えてもらいながら歩く。

歩き疲れた頃に中心棟のリビングに着く俺は寝る時も、いつも首輪をしている‥‥過去にパーティで噛まれかけた事があった、俺はそれがトラウマで外そうとする手を止める。

ドアを開けると先に着ていた父と兄が椅子に腰をかけて待っていた

「おはようございます。お父様、お兄様」

「ああ、おはよう優。待たせるな席に着いたら直ぐに食べるように」

「父さん、そんな言い方しなくても」

お父様が鬼のように怒っている。
待たされたくなければもっと遅く来てよ
俺がゆっくりでしか歩けないの知ってるくせに......車椅子で飛ばして来いってか?

俺の席には相変わらずのリンゴジュース‥‥HAHAHA
無言で金属同士のぶつかり合う音が部屋に響く。なんか、気持ち悪い今日はそんなに食べれそうにない

席の後ろで待機している彩乃にアイコンタクトをすると彩乃がシェフに声をかけた。ご飯の量を減らすようにしてもらったのだろうか

「優、最近はどう?」

「特に変わっておりませんが」

「そう、それならいいよ。父さん、先に行くね」

「あぁ、分かった」

お兄様は席を立ち俺の頭を撫でた。
小さい頃は良くしてもらってた、けど今は...
お父様も触ってくれない…
今は彩乃だけが俺の頭を撫でる

俺はご飯よりも後にでてきたデザートのりんごゼリーに手を出した。
スプーンに少し乗せパクっと口に突っ込むとほのかなリンゴの味、これが俺の癒しかもしれない
幸い俺は次男、家系を継ぐことは出来ない。これからどこかでスローライフを送りたい
花と緑に囲まれてゼリー食べ放題の楽園あぁ、きっと幸せだろうな‥



食べ終わった後、俺はまた彩乃に支えてもらいながら自室まで歩く
昼は大好きな本を読む、本を読んでいるとおとぎ話の主人公になったみたいで心が踊る

この家で、俺は滅多に外出許可を貰えない
それは誰に頼んでも一緒だ

「彩乃、外に行こう?」

「ダメです、追加の本です。これとかおすすめですよ」

ほらぁああ!許可くれないいぃ!
生まれて外出した数なんか指で数えられる
いい加減外に出たい、子供の外出を心配するのはいいとしてもう18歳だよおガキ様じゃないよぉおん!青春を謳歌してるはずの歳だよ?

彩乃の心配そうな顔を見て、俺はおすすめの本を読み始めた。彩乃、彩乃‥‥心配し過ぎ
彼女が出来たら少しは楽しいかな、あでも俺オメガだから彼氏か...
外に出たい

俺は窓を長め今日も虚しく本を読む
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