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治験編

FIPの治療薬

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10月20日 木曜日

ほぼFIPで間違いないとの診断を受け、帰宅してから早速、治療方法についての調査を開始。
2022年10月時点で、治療薬はすべて未承認でした。
よって、保険は使えません。
また、未承認ということは、今後、価格が変更されたり、副作用が明らかになったり、特許などの権利侵害により販売元が消えたり――
ということが当たり前に起きてきておかしくありません。
現状、情報がどんどん更新されて当たり前の過渡期なので、FIPの猫をこれから治療するつもりの方は、ここに紹介する情報で満足せず、最新情報を必ず自分で調べてみて下さいね。


★ Xraphconn(MUTIAN)
★ CFN

・もっとも実績のある治療薬。
・治療は84日間。途中でやめると再発する。
・9割以上の猫が寛解。
・成分も価格もほぼ同じで、Xraphconnにだけ再発した場合や投与延長になった場合の保証がある模様。
※ よって、この時点ではCFNを使うならXraphconnの方がよさそうでした。
・クラウドファンディングで寄付を募っているのは、このいずれかのお薬で治療しようとしている方と推測され、価格は1錠5~6千円。必要な錠数は猫の体重により、治療開始時に1.2kg(生後3ヶ月)の子猫なら、治療中の成長を考慮して、1日約4千円程度とのこと。1歳以上の猫だと体重が3kgはあるのがふつうであるため、寛解までの84日分の薬価がザラに100万円を超えてしまうようです。

★ GS-441524

・実績のある治療薬。
・Xraphconnより低価格だけれど、あやしげな販売元(管理がずさんだったり、権利侵害があったり)による取扱いが多く、一般の飼い主が純正品を見分けるのは難しそうな雰囲気。

★ モルヌピラビル

・実績が少なく、副作用など不明なことが多いものの、日本で最初に治験を始めた動物病院では、約9割の猫の寛解に成功した模様。
・治療は84日間。途中でやめると再発する。
・価格は1錠5百円。治療開始時に1.2kg(生後3ヶ月)の子猫なら、治療中の成長を考慮して、1日約1千円程度とのこと。
・モルヌピラビルだけを処方すると猫の内臓がボロボロになるため、それを防御するための配合がわかっている獣医さんを選ばないと危険そう。


というわけで、モルヌピラビルが劇的に安く、それでいながら約9割の猫が寛解するという優秀さ。
生後3ヶ月かつ末期の子猫をモルヌピラビルで治療した実績はあまりなかったようで、命が大事だからXraphconnにした方がいいと勧められましたが、多頭飼いしている私には『1匹では済まないかもしれない』という危機感があったため、モルヌピラビルを選びました。
誰かが挑戦しなければ、いつまで経っても『前例がない』ままです。
これで月ちゃんが元気になれば、月ちゃんが前例となり、これから子猫を治療する人がモルヌピラビルを選びやすくなるでしょう。

そして、月ちゃんは元気になったのです。

まだ投薬中ですが、症状はすでになく、今のところ、これといった副作用も見られません。
経過はすこぶる良好です。

ただ、大切なことなのでもう一度書きますが、モルヌピラビルだけを投与すると猫の内臓がボロボロになってしまうようなので、このお薬を選ぶにあたっては、モルヌピラビルでの寛解実績が豊富な獣医さんに頼む必要がありそうです。


☆ モルヌピラビル配合錠

【Before】


【After】

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