104 / 139
第四章 叶わない願いはないと信じてる
第89話 悪役令嬢はヒロインの激怒を買う
しおりを挟む
「京奈、私よ! ユリシーズじゃない、私がそうなの」
僕を目標にしたクロノスで戻ってきたデゼルが、ケイナ様に必死な様子で訴えたけど、何のことなのか、僕にはわからなかった。
「お願い、話は私もしたい。でも、先に、サイファを解放して欲しいの」
「京奈、デゼルは蠱惑の魔女だ。下手に話せば洗脳されるやもしれぬ」
僕に短剣を突きつけたままの光の使徒が言った。
悔しい。
僕達、そんなことしないのに。真実がこんなにも無力だなんて。
「でも、闇主たちは確かに僕達に危害を加えようとしないし、信じてあげてもいいんじゃ」
光の使徒の一人らしい、優しい胡桃色の髪の少年が、助け舟を出してくれた。
優しい人もいるんだね。
当たり前か。
僕達を信じてくれない光の使徒だって、悪い人なわけじゃない。
陛下と僕達の評判が悪すぎるんだ。
「翡翠、人質を解放してもそうだとは限らない」
「それは、……そうかもしれないけど」
翡翠と呼ばれた少年が、申し訳なさそうにデゼルを見た。
たった一人でも、僕達に優しい光の使徒がいてくれて、僕は少しだけほっとした。
光の使徒の誰一人として、僕達の話なんて聞く耳持たないわけじゃないことに。
「……いいわ、デゼル。落ち着ける場所で話しましょう。山賊達は、あなたの闇主達が片づけてくれるようだし。蒼紫、油断しないで。その人はまだ解放できない」
「わかった」
デゼルはケイナ様と一緒に、木立の中に消えてしまった。
「いいカッコだな」
唐突に、かけられた陛下の声に、僕は息を呑んで目を上げた。
長身の美青年、旅の剣士に扮したネプチューン様が、冷たく僕を見下ろしていた。
デゼルの足手まといになってる姿を陛下に見下ろされるのは、ひどく、屈辱的だった。
陛下はそれ以上、僕には構わず、二人を追うように木立の中に消えてしまった。
デゼルのこと、陛下が助けて下さるのかな。
七年前のあの時と同じなんだ、悔しいな。
しばらくして、あわてた様子で戻ってきたケイナ様が、僕達に聞いた。
「ネルを見なかった!?」
「京奈、ネルのことなら私が――」
デゼルが何か言いかけたけど、光の使徒がネルは戻ってきていないと答えるのを聞くと、ケイナ様の顔から見る間に血の気が失せた。
「デゼル、あなたの魅了スキルと私の聖女の力、どちらが強いかしらね?」
怒りに震える声で、ケイナ様が囁いた。
「蒼紫、翡翠、話し合いに応じてはもらえなかった。ネプチューンとユリシーズに停戦の意志がない以上、ネプチューンの副官であるデゼルも見逃すわけにはいかない。ここで討ちましょう」
「京奈!?」
「京奈、待って! それは可哀相だよ、デゼルは抵抗しないみたいだし、捕虜にしたんじゃ駄目なの?」
「翡翠、ネプチューンがしたことを忘れたのか。デゼルもまた、無辜の民を魔物に変えたネプチューンに与する者だ、少女の姿に惑わされるな」
翡翠様が泣きそうな顔をして、僕とデゼルを交互に見た。
デゼルが話し合いに応じないなんて、そんなこと、絶対にない。
いったい、陛下は何をなさったんだろう。
「京奈、聞いて! ネルのことなら私が――!」
「黙って、蠱惑の魔女であるあなたに、それ以上の口をきかせるわけにはいかない」
デゼルはずっと、ケイナ様に話しかけようとしているのに。
聞く耳を持っていないのはケイナ様なんだ。――どうしたら!?
「待って下さい、デゼルは、皇帝の悪事に与しては――!」
ケイナ様に訴えても無駄なら、光の使徒に訴えてみようと思った僕に、ケイナ様がぜんまいを組み合わせたような、奇妙な形状の杖を突きつけた。
「安心していいのよ、サイファ、だったわね? 私達、無抵抗のデゼルを討ったりしない。蒼紫も翡翠も聞いて、デゼルの裁きは闇主に任せましょう。デゼルの魔力に心を奪われ、奴隷とされてきた者にこそ、彼女を裁く権利があると思うの」
なんだ、びっくりしちゃった。
僕、ケイナ様はデゼルを殺すつもりなんだと早とちりしてしまって。
僕に裁かせる形で、光の使徒たちにデゼルの潔白を訴えて下さるんだ。
そういうことなら――
デゼルの足手まといになってしまって、僕は、冷静じゃなかったみたいだ。
カッコ悪いな。悔しいな。
僕を目標にしたクロノスで戻ってきたデゼルが、ケイナ様に必死な様子で訴えたけど、何のことなのか、僕にはわからなかった。
「お願い、話は私もしたい。でも、先に、サイファを解放して欲しいの」
「京奈、デゼルは蠱惑の魔女だ。下手に話せば洗脳されるやもしれぬ」
僕に短剣を突きつけたままの光の使徒が言った。
悔しい。
僕達、そんなことしないのに。真実がこんなにも無力だなんて。
「でも、闇主たちは確かに僕達に危害を加えようとしないし、信じてあげてもいいんじゃ」
光の使徒の一人らしい、優しい胡桃色の髪の少年が、助け舟を出してくれた。
優しい人もいるんだね。
当たり前か。
僕達を信じてくれない光の使徒だって、悪い人なわけじゃない。
陛下と僕達の評判が悪すぎるんだ。
「翡翠、人質を解放してもそうだとは限らない」
「それは、……そうかもしれないけど」
翡翠と呼ばれた少年が、申し訳なさそうにデゼルを見た。
たった一人でも、僕達に優しい光の使徒がいてくれて、僕は少しだけほっとした。
光の使徒の誰一人として、僕達の話なんて聞く耳持たないわけじゃないことに。
「……いいわ、デゼル。落ち着ける場所で話しましょう。山賊達は、あなたの闇主達が片づけてくれるようだし。蒼紫、油断しないで。その人はまだ解放できない」
「わかった」
デゼルはケイナ様と一緒に、木立の中に消えてしまった。
「いいカッコだな」
唐突に、かけられた陛下の声に、僕は息を呑んで目を上げた。
長身の美青年、旅の剣士に扮したネプチューン様が、冷たく僕を見下ろしていた。
デゼルの足手まといになってる姿を陛下に見下ろされるのは、ひどく、屈辱的だった。
陛下はそれ以上、僕には構わず、二人を追うように木立の中に消えてしまった。
デゼルのこと、陛下が助けて下さるのかな。
七年前のあの時と同じなんだ、悔しいな。
しばらくして、あわてた様子で戻ってきたケイナ様が、僕達に聞いた。
「ネルを見なかった!?」
「京奈、ネルのことなら私が――」
デゼルが何か言いかけたけど、光の使徒がネルは戻ってきていないと答えるのを聞くと、ケイナ様の顔から見る間に血の気が失せた。
「デゼル、あなたの魅了スキルと私の聖女の力、どちらが強いかしらね?」
怒りに震える声で、ケイナ様が囁いた。
「蒼紫、翡翠、話し合いに応じてはもらえなかった。ネプチューンとユリシーズに停戦の意志がない以上、ネプチューンの副官であるデゼルも見逃すわけにはいかない。ここで討ちましょう」
「京奈!?」
「京奈、待って! それは可哀相だよ、デゼルは抵抗しないみたいだし、捕虜にしたんじゃ駄目なの?」
「翡翠、ネプチューンがしたことを忘れたのか。デゼルもまた、無辜の民を魔物に変えたネプチューンに与する者だ、少女の姿に惑わされるな」
翡翠様が泣きそうな顔をして、僕とデゼルを交互に見た。
デゼルが話し合いに応じないなんて、そんなこと、絶対にない。
いったい、陛下は何をなさったんだろう。
「京奈、聞いて! ネルのことなら私が――!」
「黙って、蠱惑の魔女であるあなたに、それ以上の口をきかせるわけにはいかない」
デゼルはずっと、ケイナ様に話しかけようとしているのに。
聞く耳を持っていないのはケイナ様なんだ。――どうしたら!?
「待って下さい、デゼルは、皇帝の悪事に与しては――!」
ケイナ様に訴えても無駄なら、光の使徒に訴えてみようと思った僕に、ケイナ様がぜんまいを組み合わせたような、奇妙な形状の杖を突きつけた。
「安心していいのよ、サイファ、だったわね? 私達、無抵抗のデゼルを討ったりしない。蒼紫も翡翠も聞いて、デゼルの裁きは闇主に任せましょう。デゼルの魔力に心を奪われ、奴隷とされてきた者にこそ、彼女を裁く権利があると思うの」
なんだ、びっくりしちゃった。
僕、ケイナ様はデゼルを殺すつもりなんだと早とちりしてしまって。
僕に裁かせる形で、光の使徒たちにデゼルの潔白を訴えて下さるんだ。
そういうことなら――
デゼルの足手まといになってしまって、僕は、冷静じゃなかったみたいだ。
カッコ悪いな。悔しいな。
0
あなたにおすすめの小説
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた
黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。
そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。
「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」
前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。
二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。
辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる