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番外編 サリ王子のお楽しみ 【キャラ紹介/サリ】
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――え? トーナメントの組み合わせが政治だって?
とんでもない、厳正なる抽選の結果だよ。主催者である私が、魔法で少しだけ、抽選に細工したりはしたけどね。
考えてもごらん、花火を与えられたら、人に向けてみたいのが人情ってものだろう?
※ そんなのサリ王子だけです。
私が手加減なしの攻撃魔法を人に向けることを許されたのは、父上を相手に十二歳まで。
このごろは、父上もさすがにお年を召して、体力や瞬発力が衰えてしまってね。
私が本気を出したら、もはや父上でも、受けるのも避けるのも困難になって久しいんだ。
そんな時に、この大会を開催する条件が揃った。
メイヴェルはおそらく、同世代の剣士の中では、私が本気で攻撃魔法を撃っても、それをサバくことが出来る唯一無二の逸材だろうな。禁忌とされる黒魔法の奥義まで使えば、さすがに、メイヴェルでもサバけないかもしれない。だけど、上級魔法までなら、サバいてくれると期待しているんだ。私の中級魔法すら、サバける者はほとんどいない。せっかくの上級魔法を、荒地の岩なんかを相手にしか放てない私が、どんなにメイヴェルとの対戦を楽しみにしているかわかるだろう?
だからね。
――コトン。
組み合わせを決めるMの玉が落ちる。Aブロック。
第一シードはメイヴェルとサリの二人だけなので、これで、サリはBブロックに決まりだ。
第二シードの組み合わせを決めるAの玉が、抽選のための椀状の箱に投げ入れられた。
シグルドの将軍だ。まぁまぁ腕は立つけれど、魔法戦は絶対に許可してくれないし、許可してもらったところで、ご老体にキツい魔法は撃てない。面白くないな、Aブロックで。
Bブロックに落ちかけた玉を、魔法で軽く、Aブロックの方に弾き飛ばした。
その後に、Sの玉。従妹のシルク皇女だ。
何を隠そう、サリがメイヴェルについで楽しみにしているのが、彼女との対戦だ。
知る者は少ないけれど、彼女は死霊術師だ。彼に懐いているし、魔法戦を許可してくれる可能性は高いだろう。しかも、死霊術で反撃してくる可能性がある。そうなれば、とても、胸躍る対戦となる。
ぜひ、遊んでもらおう。Bブロック――
彼女の玉は、何もしなくてもBブロックに落ちかけていた。
けれど、遊びに来ているシルクといきなり当たって、いきなり負かすのも可哀相だ。準決勝で当たろうかな。少しだけ玉の軌道を逸らした。
シルクとなら、たぶん、非公式でも遊べるはずだ。彼女が準決勝まで勝ち上がれなかったなら、後で遊んでもらえばよし。
そして、問題のEの玉――
最年少優勝候補のエヴァディザード・ディーン・ディナイだ。
今大会、サリが最も対戦したくない砂漠の剣士。
サリより年少で、魔力も持たないエヴァディザードを相手に、魔法戦を申し入れるのはさすがに卑怯だろう。かといって、剣術では、サリはエヴァディザードに敵わない。二年前、手合わせをする機会があったが、強かった。この二年の間に、サリの方が強くなったということは、まずないだろう。剣術の腕なんて、サリはさほど熱心には磨いていないし。
「うお!?」
抽選の役人達が、驚いて声を上げた。
サリが迷っているため、玉がくるくる、落ちもせず回っているからだ。
――よし、決めた、シルクに当ててみよう。
微笑んで、Eの玉をSの玉の隣に落とす。
女性を相手に本気を出せず、負けてくれるかもしれない。頑張れシルク。
負けてくれなかったら、どうしてくれようか。
あと、エヴァディザードに勝てそうなのは――
シェーンかな?
準々決勝、シルクとエヴァディザードの勝った方、シェーンと対戦してもらおうか。頑張れシェーン。
Cの玉を、Eの玉の隣に落とす。
シルクもシェーンも負けてしまったら、その時には、仕方ない。
メイヴェルと対戦するため、サリが直々に、エヴァディザードを何とかして負かすしかないが、できれば、エヴァディザードが勝ち上がって来なければいいと思う。
準決勝の相手がシェーンなら、適当に、観衆にはわからないように魔法を使って、負かしてしまえばいいのだ。王子様の反則について、侯爵家の次男に過ぎないシェーンは強く出られないはずだ。フフフ。
――かくして、エヴァディザードが勝ち上がりにくいよう仕組まれたトーナメントは、とばっちりで、シルクの対戦相手が最初から最後まで強敵ばかりという、偏った組み合わせになったのだった。
そう、政治とか関係なかった。
サリがエヴァディザードを避けて、メイヴェルと魔法戦を遊びたいと思って、イタズラしただけだった。
===========
◆ 占いの館 ◆
===========
☆ サリ(18歳) … シグルド王国の王太子。シルクの従兄。
【フルネーム】サリ・アンマーリ・クルルイーゼル
☆ 気になる異性
特にいません。
☆ 信頼する人
1.イシス【A】
2.カリ【B】
3.アディス【C】
とんでもない、厳正なる抽選の結果だよ。主催者である私が、魔法で少しだけ、抽選に細工したりはしたけどね。
考えてもごらん、花火を与えられたら、人に向けてみたいのが人情ってものだろう?
※ そんなのサリ王子だけです。
私が手加減なしの攻撃魔法を人に向けることを許されたのは、父上を相手に十二歳まで。
このごろは、父上もさすがにお年を召して、体力や瞬発力が衰えてしまってね。
私が本気を出したら、もはや父上でも、受けるのも避けるのも困難になって久しいんだ。
そんな時に、この大会を開催する条件が揃った。
メイヴェルはおそらく、同世代の剣士の中では、私が本気で攻撃魔法を撃っても、それをサバくことが出来る唯一無二の逸材だろうな。禁忌とされる黒魔法の奥義まで使えば、さすがに、メイヴェルでもサバけないかもしれない。だけど、上級魔法までなら、サバいてくれると期待しているんだ。私の中級魔法すら、サバける者はほとんどいない。せっかくの上級魔法を、荒地の岩なんかを相手にしか放てない私が、どんなにメイヴェルとの対戦を楽しみにしているかわかるだろう?
だからね。
――コトン。
組み合わせを決めるMの玉が落ちる。Aブロック。
第一シードはメイヴェルとサリの二人だけなので、これで、サリはBブロックに決まりだ。
第二シードの組み合わせを決めるAの玉が、抽選のための椀状の箱に投げ入れられた。
シグルドの将軍だ。まぁまぁ腕は立つけれど、魔法戦は絶対に許可してくれないし、許可してもらったところで、ご老体にキツい魔法は撃てない。面白くないな、Aブロックで。
Bブロックに落ちかけた玉を、魔法で軽く、Aブロックの方に弾き飛ばした。
その後に、Sの玉。従妹のシルク皇女だ。
何を隠そう、サリがメイヴェルについで楽しみにしているのが、彼女との対戦だ。
知る者は少ないけれど、彼女は死霊術師だ。彼に懐いているし、魔法戦を許可してくれる可能性は高いだろう。しかも、死霊術で反撃してくる可能性がある。そうなれば、とても、胸躍る対戦となる。
ぜひ、遊んでもらおう。Bブロック――
彼女の玉は、何もしなくてもBブロックに落ちかけていた。
けれど、遊びに来ているシルクといきなり当たって、いきなり負かすのも可哀相だ。準決勝で当たろうかな。少しだけ玉の軌道を逸らした。
シルクとなら、たぶん、非公式でも遊べるはずだ。彼女が準決勝まで勝ち上がれなかったなら、後で遊んでもらえばよし。
そして、問題のEの玉――
最年少優勝候補のエヴァディザード・ディーン・ディナイだ。
今大会、サリが最も対戦したくない砂漠の剣士。
サリより年少で、魔力も持たないエヴァディザードを相手に、魔法戦を申し入れるのはさすがに卑怯だろう。かといって、剣術では、サリはエヴァディザードに敵わない。二年前、手合わせをする機会があったが、強かった。この二年の間に、サリの方が強くなったということは、まずないだろう。剣術の腕なんて、サリはさほど熱心には磨いていないし。
「うお!?」
抽選の役人達が、驚いて声を上げた。
サリが迷っているため、玉がくるくる、落ちもせず回っているからだ。
――よし、決めた、シルクに当ててみよう。
微笑んで、Eの玉をSの玉の隣に落とす。
女性を相手に本気を出せず、負けてくれるかもしれない。頑張れシルク。
負けてくれなかったら、どうしてくれようか。
あと、エヴァディザードに勝てそうなのは――
シェーンかな?
準々決勝、シルクとエヴァディザードの勝った方、シェーンと対戦してもらおうか。頑張れシェーン。
Cの玉を、Eの玉の隣に落とす。
シルクもシェーンも負けてしまったら、その時には、仕方ない。
メイヴェルと対戦するため、サリが直々に、エヴァディザードを何とかして負かすしかないが、できれば、エヴァディザードが勝ち上がって来なければいいと思う。
準決勝の相手がシェーンなら、適当に、観衆にはわからないように魔法を使って、負かしてしまえばいいのだ。王子様の反則について、侯爵家の次男に過ぎないシェーンは強く出られないはずだ。フフフ。
――かくして、エヴァディザードが勝ち上がりにくいよう仕組まれたトーナメントは、とばっちりで、シルクの対戦相手が最初から最後まで強敵ばかりという、偏った組み合わせになったのだった。
そう、政治とか関係なかった。
サリがエヴァディザードを避けて、メイヴェルと魔法戦を遊びたいと思って、イタズラしただけだった。
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◆ 占いの館 ◆
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☆ サリ(18歳) … シグルド王国の王太子。シルクの従兄。
【フルネーム】サリ・アンマーリ・クルルイーゼル
☆ 気になる異性
特にいません。
☆ 信頼する人
1.イシス【A】
2.カリ【B】
3.アディス【C】
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