3 / 18
第3話 夢もロマンも
しおりを挟む
馬車は昼過ぎに、シグルド王都に到着した。
カイトと別れ、早速、登録会場に出向いたシルクに渡されたのは、『B-12』の札。
わくわくしながら対戦表を見に行って、人波の中、背伸びしてやっと確かめた対戦表に、シルクは少なからず驚いた。
「何、これ……!?」
シルクが駆け込みの登録だったこともあり、名のある出場者はあらかた配された後だったけれど、その組み合わせが。
内情を知る者が見れば、一目で作為的とわかるものだったのだ。
優勝候補のメイヴェルは、Aブロック第一シードで五回戦からの出だ。
シルクはBブロックで、つまり、決勝まで勝ち進まなければ当たれない。
確率は二分の一で、ここまでは、覚悟していたことだ。
けれど。
五回戦で、エヴァディザード・ディーン・ディナイと当たる。メイヴェルの弟。
準々決勝で、シェーン・アストライーゼルと当たる。剣聖の称号を賭けた大会でこそないものの、同じシグルドが主催した剣術大会で優勝経験のある女傑、カタリーナ・アストライーゼルの息子。
準決勝で、サリ・アンマーリ・クルルイーゼルと当たる。優勝候補の一人、主催国シグルドの王太子。
剣士としての名はないけれど、番狂わせを起こしかねない実力者の多くがBブロックに集められていて、Aブロックにはその逆、名高い将校や傭兵など、『それなりの』名勝負は期待できても、番狂わせはおよそ無理、という剣士が集められていた。
シグルドは、メイヴェルをなんとしてでも勝たせたいのだ。
優れた剣士と霊媒師を多く擁する砂漠の国、カイム・サンド。砂の国の剣士達を、シグルドは国家としての命運をかけ、囲い込んできた。そうすることで、片田舎の小国が、平和と独立を保ってきたのだ。
大会はカイム・サンドを公然と支援し、また、その剣士達が極めて優れていることを他国に知らしめるために行われるのだと、それが政治なのだと、夢もロマンもない現実を突きつけられた気がした。
========================
★ 次回予告的な分岐です。
※ いずれかのルートで更新されます。
========================
【A】 え? トーナメントの組み合わせが政治だって?
とんでもない、厳正なる抽選の結果だよ。主催者である私が、魔法で少しだけ、抽選に細工したりはしたけどね。≪サリ王子のお楽しみ≫
【B】 キリっと唇を噛んだ後、シルクはふっと、笑みを漏らした。
「敵に不足はないよ、母上。シェーンもサリも、ことごとく斬り伏せて頂点に立つ、それができてこその『剣聖』…! どんな奇跡だって起こしてみせる、いざとなれば、父上に授かった奥の手を使ってでも!」≪緒戦突破≫
★ 対戦表
http://kazakiri.holy.jp/hope/pc/silk/tmt.htm
カイトと別れ、早速、登録会場に出向いたシルクに渡されたのは、『B-12』の札。
わくわくしながら対戦表を見に行って、人波の中、背伸びしてやっと確かめた対戦表に、シルクは少なからず驚いた。
「何、これ……!?」
シルクが駆け込みの登録だったこともあり、名のある出場者はあらかた配された後だったけれど、その組み合わせが。
内情を知る者が見れば、一目で作為的とわかるものだったのだ。
優勝候補のメイヴェルは、Aブロック第一シードで五回戦からの出だ。
シルクはBブロックで、つまり、決勝まで勝ち進まなければ当たれない。
確率は二分の一で、ここまでは、覚悟していたことだ。
けれど。
五回戦で、エヴァディザード・ディーン・ディナイと当たる。メイヴェルの弟。
準々決勝で、シェーン・アストライーゼルと当たる。剣聖の称号を賭けた大会でこそないものの、同じシグルドが主催した剣術大会で優勝経験のある女傑、カタリーナ・アストライーゼルの息子。
準決勝で、サリ・アンマーリ・クルルイーゼルと当たる。優勝候補の一人、主催国シグルドの王太子。
剣士としての名はないけれど、番狂わせを起こしかねない実力者の多くがBブロックに集められていて、Aブロックにはその逆、名高い将校や傭兵など、『それなりの』名勝負は期待できても、番狂わせはおよそ無理、という剣士が集められていた。
シグルドは、メイヴェルをなんとしてでも勝たせたいのだ。
優れた剣士と霊媒師を多く擁する砂漠の国、カイム・サンド。砂の国の剣士達を、シグルドは国家としての命運をかけ、囲い込んできた。そうすることで、片田舎の小国が、平和と独立を保ってきたのだ。
大会はカイム・サンドを公然と支援し、また、その剣士達が極めて優れていることを他国に知らしめるために行われるのだと、それが政治なのだと、夢もロマンもない現実を突きつけられた気がした。
========================
★ 次回予告的な分岐です。
※ いずれかのルートで更新されます。
========================
【A】 え? トーナメントの組み合わせが政治だって?
とんでもない、厳正なる抽選の結果だよ。主催者である私が、魔法で少しだけ、抽選に細工したりはしたけどね。≪サリ王子のお楽しみ≫
【B】 キリっと唇を噛んだ後、シルクはふっと、笑みを漏らした。
「敵に不足はないよ、母上。シェーンもサリも、ことごとく斬り伏せて頂点に立つ、それができてこその『剣聖』…! どんな奇跡だって起こしてみせる、いざとなれば、父上に授かった奥の手を使ってでも!」≪緒戦突破≫
★ 対戦表
http://kazakiri.holy.jp/hope/pc/silk/tmt.htm
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
王宮メイドは今日も夫を「観察」する
kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」
王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。
ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。
だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……?
※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる