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第二章 魔神ルシフェル ≪永遠のロマンス≫
第58話 悪役令嬢は町人Sをどうしても救いたい
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十三日目の朝。
私は恐怖と期待にドキドキしながら、システム画面を起動してみたの。
==============================
■ 災禍【Lv1】
==============================
夢じゃなかった!
ガゼルも、ちゃんと闇主じゃなくなってた!
エリス様は厳しいけど、やっぱり、敬うべき神様だったのね。
デゼルの闇落ちイベントは、エリス様が仰ったように、グノースの村がならず者達に苦しめられていることを、ガゼルにもっと早く、知らせるべきだったのよ。
私がそこまで、考え至らなかったのが駄目だったの。
どうしよう、嬉しい。
サイファに会えるの!? 会ってもいいの!?
ステータス画面で確認したら、サイファは公邸にいたの。
きっと、ガゼルのところね。
私はクロノスで闇神殿に移動すると、慎重に衣装を選んだの。
やつれてしまって、あんまり可愛くないけど、それでも、少しでも綺麗にしたかった。
あるもので適当にご飯をつくって、お菓子も食べたの。
ご飯がまともに喉を通ったのは、エリス様の祝福を受けてから、初めてだった。
「あら、可愛くできたわね。用意はもういいの?」
エリス様の声が降ってきて、私は少し怖かったけど、うなずいたの。
大切なイヤリングは、やっぱり、なくしてしまっていた。
サイファに合わせる顔なんてないのに、それでも、会いたくて、会えると思うだけで涙が出てきた。
クロノスを使った時のようにくらっとして、気がつけば、私は帝国の皇宮にいた。
後で知るんだけど、そこはネプチューンの副官としてのデゼルの部屋だったの。
「デゼル……?」
サイファの声。
「サイファ様!」
サイファの優しい声を聞いて、懐かしい姿を見たら、もう、たまらなかった。
私は夢中でサイファの胸に飛び込むと、わあぁあんと、声を上げて泣いた。
「サイファ様、サイファ様……!!」
サイファもぎゅっと、渾身の力で私を抱き締めてくれて、頬をすり寄せてくれたの。
ああ、私、サイファにずっと、ずっと、会いたかった。
「デゼル、どこにいたんだ! こんなになって……」
「私……」
「デゼルがどこにいたか、知りたいのね?」
エリス様の声に、どうしてか、私はどきんとしたの。
「あなたは……?」
「はじめまして、あたしは災禍の女神エリス。デゼルにね、サイファを闇主から解放して欲しいと頼まれてきたの」
「えっ……!?」
どうして、こんなに恐怖を覚えるの。胸がドキドキして、怖かった。
「デゼルはね、グノースの洞窟で、たくさんの男達と夢中で交わっていたのよ」
私は小刻みに身体が震えて、サイファの胸にしがみついていても、息が苦しかった。
「デゼルはそれはもう、気持ちよさそうにしていたわよ? たくさんの男達の汚らわしいものを、おいしそうにくわえて。気持ちよさのあまり涙まで流して悦んでいたものねぇ? 寝ても覚めてもマワされ続けて、ぐちゃぐちゃに犯されるのって、そんなに、天国だったのかしら? お礼に、一人一人、丁寧になめてあげて、何度も、何度も、してもらったものねぇ? 闇主たちも、とっても、気持ちよさそうだった。サイファもしてもらったら? デゼルはとても上手になったのよ」
「やめ…て……」
サイファがぎゅっと、庇うように抱いてくれたの。
私は泣きながら、サイファの胸に顔を埋めた。
「デゼルはね、傷物なんてものじゃない。誰よりも穢れた汚物よ」
「……」
「デゼル、サイファをあなたの闇主から解放したいのよね?」
「――はい」
「言ってごらんなさい? 『お願いします、女神様。デゼルは穢され尽くした汚物です』」
ちゃんと、あたしの目を見てねと、エリス様が仰ったの。
私、エリス様の目を見るのは怖かった。
だけど、エリス様はちゃんとガゼルを、闇主から解放して下さったもの。
サイファも、解放してもらわなきゃ――
エリス様の凄絶に青い瞳を見ながら、私は言われた通りにしたの。
「――お願いします、女神様。デゼルは穢され尽くした汚物です」
「ああ、上手に言えたわね。いい子ね、デゼル。魂に刻み込まれた」
「は……あぁ…っ……!」
私は立っていられなくなって、その場に崩れ落ちた。
「あたしの目を見て認めた言葉は、永遠にあなたの魂に刻まれる烙印になるのよ?」
「…ん……あぁっ……!」
つらくて、苦しくて、涙が後から後から零れたの。
私は何がつらいの? 何が苦しいの?
「いいわ、じゃあ、サイファの前で闇主たちにマワしてもらいなさい。デゼルをマワして、気持ちよくして下さいって、可愛い声でおねだりするのよ? あの洞窟でしたように、可愛いおクチでよぉくご奉仕して、甘い声で誘って、ナカにたくさん出して頂きなさい。それができたら、サイファをあなたの闇主から解放してあげる」
「や……」
「あら、やめるの? 今、断ったら、もう二度としてあげないわよ?」
「あ……あ……」
「ほら、あなたの大好きな闇主たちを呼んでやったわ? おねだりしなさい?」
怖いよ、いやだ。
もう、いやなの。いやだ――!!
私は恐怖と期待にドキドキしながら、システム画面を起動してみたの。
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■ 災禍【Lv1】
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夢じゃなかった!
ガゼルも、ちゃんと闇主じゃなくなってた!
エリス様は厳しいけど、やっぱり、敬うべき神様だったのね。
デゼルの闇落ちイベントは、エリス様が仰ったように、グノースの村がならず者達に苦しめられていることを、ガゼルにもっと早く、知らせるべきだったのよ。
私がそこまで、考え至らなかったのが駄目だったの。
どうしよう、嬉しい。
サイファに会えるの!? 会ってもいいの!?
ステータス画面で確認したら、サイファは公邸にいたの。
きっと、ガゼルのところね。
私はクロノスで闇神殿に移動すると、慎重に衣装を選んだの。
やつれてしまって、あんまり可愛くないけど、それでも、少しでも綺麗にしたかった。
あるもので適当にご飯をつくって、お菓子も食べたの。
ご飯がまともに喉を通ったのは、エリス様の祝福を受けてから、初めてだった。
「あら、可愛くできたわね。用意はもういいの?」
エリス様の声が降ってきて、私は少し怖かったけど、うなずいたの。
大切なイヤリングは、やっぱり、なくしてしまっていた。
サイファに合わせる顔なんてないのに、それでも、会いたくて、会えると思うだけで涙が出てきた。
クロノスを使った時のようにくらっとして、気がつけば、私は帝国の皇宮にいた。
後で知るんだけど、そこはネプチューンの副官としてのデゼルの部屋だったの。
「デゼル……?」
サイファの声。
「サイファ様!」
サイファの優しい声を聞いて、懐かしい姿を見たら、もう、たまらなかった。
私は夢中でサイファの胸に飛び込むと、わあぁあんと、声を上げて泣いた。
「サイファ様、サイファ様……!!」
サイファもぎゅっと、渾身の力で私を抱き締めてくれて、頬をすり寄せてくれたの。
ああ、私、サイファにずっと、ずっと、会いたかった。
「デゼル、どこにいたんだ! こんなになって……」
「私……」
「デゼルがどこにいたか、知りたいのね?」
エリス様の声に、どうしてか、私はどきんとしたの。
「あなたは……?」
「はじめまして、あたしは災禍の女神エリス。デゼルにね、サイファを闇主から解放して欲しいと頼まれてきたの」
「えっ……!?」
どうして、こんなに恐怖を覚えるの。胸がドキドキして、怖かった。
「デゼルはね、グノースの洞窟で、たくさんの男達と夢中で交わっていたのよ」
私は小刻みに身体が震えて、サイファの胸にしがみついていても、息が苦しかった。
「デゼルはそれはもう、気持ちよさそうにしていたわよ? たくさんの男達の汚らわしいものを、おいしそうにくわえて。気持ちよさのあまり涙まで流して悦んでいたものねぇ? 寝ても覚めてもマワされ続けて、ぐちゃぐちゃに犯されるのって、そんなに、天国だったのかしら? お礼に、一人一人、丁寧になめてあげて、何度も、何度も、してもらったものねぇ? 闇主たちも、とっても、気持ちよさそうだった。サイファもしてもらったら? デゼルはとても上手になったのよ」
「やめ…て……」
サイファがぎゅっと、庇うように抱いてくれたの。
私は泣きながら、サイファの胸に顔を埋めた。
「デゼルはね、傷物なんてものじゃない。誰よりも穢れた汚物よ」
「……」
「デゼル、サイファをあなたの闇主から解放したいのよね?」
「――はい」
「言ってごらんなさい? 『お願いします、女神様。デゼルは穢され尽くした汚物です』」
ちゃんと、あたしの目を見てねと、エリス様が仰ったの。
私、エリス様の目を見るのは怖かった。
だけど、エリス様はちゃんとガゼルを、闇主から解放して下さったもの。
サイファも、解放してもらわなきゃ――
エリス様の凄絶に青い瞳を見ながら、私は言われた通りにしたの。
「――お願いします、女神様。デゼルは穢され尽くした汚物です」
「ああ、上手に言えたわね。いい子ね、デゼル。魂に刻み込まれた」
「は……あぁ…っ……!」
私は立っていられなくなって、その場に崩れ落ちた。
「あたしの目を見て認めた言葉は、永遠にあなたの魂に刻まれる烙印になるのよ?」
「…ん……あぁっ……!」
つらくて、苦しくて、涙が後から後から零れたの。
私は何がつらいの? 何が苦しいの?
「いいわ、じゃあ、サイファの前で闇主たちにマワしてもらいなさい。デゼルをマワして、気持ちよくして下さいって、可愛い声でおねだりするのよ? あの洞窟でしたように、可愛いおクチでよぉくご奉仕して、甘い声で誘って、ナカにたくさん出して頂きなさい。それができたら、サイファをあなたの闇主から解放してあげる」
「や……」
「あら、やめるの? 今、断ったら、もう二度としてあげないわよ?」
「あ……あ……」
「ほら、あなたの大好きな闇主たちを呼んでやったわ? おねだりしなさい?」
怖いよ、いやだ。
もう、いやなの。いやだ――!!
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