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第二章 正統派と半端者
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しおりを挟む「東雲さんの頑固なところは光明そっくりです。
考えはわかりました。
でも、私は貴女が巫女だと思っていますし、そんな人を簡単に危険にはさらせません。
・・・・・・風間さん」
少し離れたとこで聞いていた実咲がその声に身を正し、顔を強ばらせている。
「東雲さんもそう言ってますから、今後は貴女のその時の判断に任せます。
東雲さんをフォローする体制も考え直しましょう。
そして、何かあった場合は全員で・・・・・・逃げなさい」
最後は苦笑いを浮かべそういう先生を、実咲と私はぽかんと見た。
「これ以上ない譲歩だと思いますよ?
東雲さんも友達を守るという事なら、協力してくれますね?」
いつもの穏やかな笑みを浮かべそう言う葛木先生に、私は心からホッとして、頭を下げた。
「ありがとうございます、はい、もちろんです。
でも未だ私を巫女だと信じ込んでいる先生も、相当に頑固ですよ?」
「えぇ。それだけは譲れません」
にっこりと笑う先生に、私は苦笑いを浮かべる。
そして私は実咲を見た。
「友達としてお願いがあるの。
自分を犠牲にするとか、そういうの絶対しないでね?
私は実咲が怪我するなんて嫌だよ」
私の言葉に、実咲は困ったように笑った。
「うーん、以前よりむしろハードル高くなったなぁ。
まだまだ強くならないとやっぱり無理かなー」
「え、今でも十分強くない?」
空手部に所属する実咲は大会でもそれなりの成績をおさめているし、相当強いと聞いた。
「いや、葛木先生や、藤原先生の足下にも及ばないよ」
私は驚いて葛木先生を見ると、先生はいつもように笑みを浮かべている。
まさか先生も強かっただなんて。
「藤原も凄いと思ったけど、先生の戦ってるとこも見てみたいな」
私の興味本位の言葉に、先生が少し驚いた顔をした。
「光明のを見たんですか?」
「最初は目を隠されて見えなかったんですけど、その後思い切り蹴り飛ばしてるとこ見ました。
吹っ飛んでました、京都の人」
それを聞いて、突然先生は私から顔を背け口に手を当てて肩を震わせている。
「ねぇ、葛木先生って笑いの沸点低いよね?」
「あーいや、私に振られても」
実咲に困ったような顔で言われ、私は首をかしげた。
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