月曜日の巫女

桜居かのん

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一輪の薔薇

一輪の薔薇19

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「葛木先生はそのことを知ってるの?」


「いや。これは代々の長以外知らない事だ」


「教えれば、先生も勘違いをやめるのに」


「オヤジはそんな事を言ったが、正直信じられないんだよ。

その時になればわかる、なんて曖昧な事、俺は後付じゃないかと思ってる。

俺ですらそんな状態なのに、既に巫女は素晴らしいと信じ込んでいる連中には、そんな話しをしたって何の意味ももたないんだ」


段々また声が冷えていく気がして、私はまた身体を動かし、藤原と向かい合った。

本当にすぐそこにある顔。

一瞬驚いた表情に笑いがこみ上げる。

私は両手を伸ばすと少し藤原の頭を自分に引きよせ、また髪を撫でた。


「お前・・・・・・俺が男だってわかってる?」


「女だって思った事は無いけど?」


「あ、そう・・・・・・」


何か不満げな声をしている感じから、また元に戻ったことを確認してほっとする。

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