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閑話
懐かしき者とマリアとベルと……(2)
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おそるおそるといった様子で振り返ると、見覚えのある人物が驚愕で目を見開いたまま固まっていた。足元にはさっきまで持っていたであろう籠が落ちており、周囲に中身が散らばっている。
「ベラおばさん……」
マリアの口から、小さくその名前がこぼれ落ちた。
自分たちの方へと駆け寄って来るのを見て、ベルは溜息を吐くと地面に飛び降りた。
「今までどこにいたんだいっ!? どれだけ心配したと思って……」
「ご、ごめんなさい」
本当にそこに存在していることを確認するように、マリアの肩を掴んだ。
「何かあったらうちに来なって、何度も言っただろう? どうしてすぐにうちに来なかったんだい?」
「それは……おばさんにはお世話になってきたし、これ以上迷惑はかけられないと思って……」
「迷惑だなんてそんなこと、一度だって思ったことなんてないのに……それにそれで人様に迷惑をかけたんじゃないのかい? それじゃあ結局は同じことじゃないか」
「それは……その……」
マリアは言いづらそうに視線をそらす。
ベルは話が長くなることを察し、荷物を拾い集めるべく籠の方へかけていった。
「……あまりあの家の近くには居たくなくて……確かに代わりに他の人に迷惑をかけちゃったけど……」
「その気持ちもわかるけどね……それで今はどうしているんだい?」
「えっと、今は……自分でお金を稼いでなんとかしてる。いつまでも人に頼ったままってわけにもいかないし……」
自分の現状は正確に話すには難し過ぎると判断し、マリアは曖昧に話をぼかした。
「それに少し前にエーデルに行く機会があったんだけど、そこで偶然お父さんの親戚の人に会ったし、悪いことだけじゃないんだよ」
「それは騙されていないのかい? 今親戚が出てくるって、流石に都合がよすぎるだろう?」
「あ~、普通はその心配をするのか……」
「当然だろう?」
「ん~、でも別に私を騙す利点なんてないよ」
マリアがそう言うと、ベラは大きく溜息を吐いた。
「マリアちゃんは一度、自分がどれだけ目立つ見た目をしているのか自覚した方がいいよ」
「いや、でもだって、エーデルで結構地位のある人たちだし、騙す手間を考えたら力業でどうにかした方が早いし……」
「そう見せかけてるだけの悪党なんて、そこらにいくらでもいるんだ。今何もないってことは大丈夫だと思うけど、次からは気をつけるんだよ」
「でも……ううん、なんでもない。次があったら気をつける」
マリアはベラに睨まれて、慌てて言葉を切った。
「それで親戚の人たちは今はこっちにいるのかい?」
「ううん、エーデルにいるはず。ただ、よくわからない行動力を見ちゃったせいで知らないうちにこっちに来てる可能性を否定できない。何か機会があったら紹介するね」
そう言って微笑んだ。
「それと、何かあれば頼れとも言われてるけど、最終手段かなって思ってるよ」
「……そうかい」
ようやくベルは荷物を拾い集め終わると、引きずるようにして2人の足下まで運んできた。
「お、おもかっタ……」
「あっ、ごめんね。ありがとう」
そうお礼を言いながら受け取ると、土埃を軽く払ってベラに渡した。
「今気づいたけど、その子は?」
「えっと、森で拾って……」
そう言葉を詰まらせながらベルを抱き上げると、ベルは不機嫌そうに頬を膨らませた。
「拾ったって……」
ベラは不可解な言葉を聞いたとでも言うように目を瞬かせた。
「わたしヲものみたいニいわないデ」
「ごめんなさい……」
「……じゃべれるんだね」
「ベルは頭が良いから。そこまで驚くことはないと思うよ?」
「……とてもそうは思えないよ」
ベラは苦笑いを浮かべると、近々また会うことを半ば強引に約束させて去っていった。その表情には困惑と喜びと一抹の不安と寂しさがない混ぜられていた。
「ベラおばさん……」
マリアの口から、小さくその名前がこぼれ落ちた。
自分たちの方へと駆け寄って来るのを見て、ベルは溜息を吐くと地面に飛び降りた。
「今までどこにいたんだいっ!? どれだけ心配したと思って……」
「ご、ごめんなさい」
本当にそこに存在していることを確認するように、マリアの肩を掴んだ。
「何かあったらうちに来なって、何度も言っただろう? どうしてすぐにうちに来なかったんだい?」
「それは……おばさんにはお世話になってきたし、これ以上迷惑はかけられないと思って……」
「迷惑だなんてそんなこと、一度だって思ったことなんてないのに……それにそれで人様に迷惑をかけたんじゃないのかい? それじゃあ結局は同じことじゃないか」
「それは……その……」
マリアは言いづらそうに視線をそらす。
ベルは話が長くなることを察し、荷物を拾い集めるべく籠の方へかけていった。
「……あまりあの家の近くには居たくなくて……確かに代わりに他の人に迷惑をかけちゃったけど……」
「その気持ちもわかるけどね……それで今はどうしているんだい?」
「えっと、今は……自分でお金を稼いでなんとかしてる。いつまでも人に頼ったままってわけにもいかないし……」
自分の現状は正確に話すには難し過ぎると判断し、マリアは曖昧に話をぼかした。
「それに少し前にエーデルに行く機会があったんだけど、そこで偶然お父さんの親戚の人に会ったし、悪いことだけじゃないんだよ」
「それは騙されていないのかい? 今親戚が出てくるって、流石に都合がよすぎるだろう?」
「あ~、普通はその心配をするのか……」
「当然だろう?」
「ん~、でも別に私を騙す利点なんてないよ」
マリアがそう言うと、ベラは大きく溜息を吐いた。
「マリアちゃんは一度、自分がどれだけ目立つ見た目をしているのか自覚した方がいいよ」
「いや、でもだって、エーデルで結構地位のある人たちだし、騙す手間を考えたら力業でどうにかした方が早いし……」
「そう見せかけてるだけの悪党なんて、そこらにいくらでもいるんだ。今何もないってことは大丈夫だと思うけど、次からは気をつけるんだよ」
「でも……ううん、なんでもない。次があったら気をつける」
マリアはベラに睨まれて、慌てて言葉を切った。
「それで親戚の人たちは今はこっちにいるのかい?」
「ううん、エーデルにいるはず。ただ、よくわからない行動力を見ちゃったせいで知らないうちにこっちに来てる可能性を否定できない。何か機会があったら紹介するね」
そう言って微笑んだ。
「それと、何かあれば頼れとも言われてるけど、最終手段かなって思ってるよ」
「……そうかい」
ようやくベルは荷物を拾い集め終わると、引きずるようにして2人の足下まで運んできた。
「お、おもかっタ……」
「あっ、ごめんね。ありがとう」
そうお礼を言いながら受け取ると、土埃を軽く払ってベラに渡した。
「今気づいたけど、その子は?」
「えっと、森で拾って……」
そう言葉を詰まらせながらベルを抱き上げると、ベルは不機嫌そうに頬を膨らませた。
「拾ったって……」
ベラは不可解な言葉を聞いたとでも言うように目を瞬かせた。
「わたしヲものみたいニいわないデ」
「ごめんなさい……」
「……じゃべれるんだね」
「ベルは頭が良いから。そこまで驚くことはないと思うよ?」
「……とてもそうは思えないよ」
ベラは苦笑いを浮かべると、近々また会うことを半ば強引に約束させて去っていった。その表情には困惑と喜びと一抹の不安と寂しさがない混ぜられていた。
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