こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第二章 ダンスパーティー

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「遠まわしに言ってもわかり辛いだろうからはっきり訊く。お前とアルの関係は何だ?」
「アル?アルフォードさんのことですよね?」

 マリアはわかり切ったことを尋ねた。

「アルフォード?」

 今度は国王が頭を傾げる番だった。

「あっ!アルデヒド様のことです」
「ああ、言われてみれば確か偽名がそんな名だった気がするな」

 そして国王は再度問いかけた。

「それでアルとお前の関係は?」

 マリアはどう答えようかと考えた。質問がシンプルなだけに求められている答えがわからない。マリアは考えることを放棄した。

「友人です」
「本当にそれだけか?」

 マリアの答えに国王は追及した。

「……国王様は一体何が言いたいんですか?」

 マリアには国王の意図はわからない。

「お前には単刀直入に言うのが良いかもしれんな。アルとはただの友人通しなのだな?」
「そうでなければ何だと言うのです?」

 マリアにはまだ回りくどかった。

「わからないなら良い」

 それで国王からの話は終わった。
 部屋を出る時にここで話したことは話さないように頼まれた。 
ホールに戻るとエリザベートが駆け寄ってきた。

「ごめんね、1人にしちゃって」

 一瞬何のことだかわからなかったがすぐにあの貴族のことだと気がついた。

「ううん、大丈夫だよ。国王様が助けてくれたし」
「そう……」

 エリザベートはホッとした顔をした。

「そう言えば国王様の話って何だったの?」

 興味津々といった様子で聞いてきた。

「聞いてたんだ……」

 マリアが批難の目を向けるとエリザベートは慌てたように言った。

「マリアを見つけたから声をかけようと思って近づいたらあんなことになっちゃったのよ」

 マリアは別に本気で怒っていたわけではないので話を続けた。

「国王様の話って言っても個人的なことだったし口止めされたからいくらエリザでも言えないよ」
「そう、仕方がないわね」

 エリザベートは残念そうな顔をした。
 他にも周りで聞き耳を立てていた何人かが同じように残念そうな顔をしたのだが、幸か不幸かマリアはそれには気がつかなかった。
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