こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第二章 ダンスパーティー

ダンス

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 最初は必死に踊っていたマリアもだんだんとなれ、会話をする余裕が出てきた。既に曲も四曲目になっている。
 最初は平民が踊れるのかと馬鹿にしていた者たちも見直していた。密かにアルフォードがいなくなったら誘おうと思っている者もいたのだが、いつまでもアルフォードと踊っているので声をかけられずにいた。
 そんな周りの思いなど露知らず2人は話していた。

「そう言えばさっき国王様にアルとの関係は何だって訊かれたんだけど何だったんだろう?」

 マリアが心底不思議そうな顔をした。

「それで何て答えたんだ?」
「友人って言ったけど……」

 アルフォードは父親が何か誤解していることに気付き慌てて訊いた。マリアもいぶかし気な顔をしながら答えた。

「そうか」

 アルフォードはその答えに心からホッとした顔をした。

「でもその後に本当にそれだけかってしつこく訊かれたんだよね~」

 どういう意味だったんだろうと首を傾げるとアルフォードは頭を抱えた。

(まずい。この状況じゃ絶対誤解されている。後で何を言われるかわかったもんじゃない。せめてもの救いはマリアが意味がわかっていないことか……)

 アルフォードはこの状況が手遅れであることを悟った。
 アルフォードが国王から散々に言われるまで後どれぐらいだろうか。

 その曲が踊り終わるとアルフォードはどこかに行ってしまった。知らない奴と踊るんじゃないと言い残して……。

「あ、あの僕と踊っていただけませんか?」

 そんなことは知らずアルフォードがいなくなったことをいいことに機会を伺っていた貴族の子弟がマリアに近づいてきた。

「ごめんなさい。知らない人とは踊っちゃダメって言われているの」
「し、知らない人……」

 彼はショックを受け、固まった。ちなみに彼はマリアは気がついていないがクラスメートだったりする。

「ぼ、僕は同じクラスのアーティス・グランファルトだ」
「ごめんなさい。思い出せないわ」

 気を取り直して改めて名乗るも瞬時に返されてまた落ち込んだ。

「そ、そんなぁ」

 マリアは話は終わったとばかりに飲み物やお菓子が並んだテーブルに向かって歩き出した。
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