こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第三章 魔術の授業

ランクアップ試験(2)

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「次は誰だ?」
「僕だよ」

 進み出てきたのはアーティス・グランファルトだった。手には槍を握っている。

「後ろで待っている人もいるし始めて良いかな?」
「ああ」

 アイアスからの返事を聞くとアーティスは槍を振りかぶり――そして投げた。
 槍は一直線に呆気にとられているアイアスに向かった。
アイアスは当たる寸前で我に帰ると剣で槍を弾いた。

「武器をすぐに手放してどうする?投擲の腕は」

 認めてやるが、と続けようとして迫り来る火で出来た槍に気づいた。そしてそれは1本ではなく3本。それも2本は避けられるが、1本は確実に当たる嫌らしい配置になっている。

「えっ?っちょ!」

 アイアスは本気で焦った。それでも何とか2本は躱し、最後の1本はギリギリで直撃は免れた。とは言っても全身に軽い火傷を追ってしまった。

「流石はBランク冒険者ということか……。絶対当たると思ったんだけどな。しょうがない、『火よ、炎の槍となりて敵を貫け、《ファイアランス》』」

 そして今度は倍、6本の槍が浮かび上がった。
 その様子にアイアスは青くなった。

「ま、待て!合格だ!今すぐそれを消せ!」

 その言葉にアーティスは申し訳なさそうに言った。

「ごめん。この本数だと上手く制御できない。頑張って避けてくれ」
「嘘だろ~!」

 演習場に悲鳴が響き渡った。

「はぁ、『水よ、身を守る壁となれ、《ウォーターウォール》』」

 マリアは溜息を吐くとアイアスの周囲に水でドーム状の壁を創り出した。別に《マジックシールド》でも良かったのだが、それだと一方向からの攻撃しか防ぐことができない。瞬時に無理だと判断した結果だ。

 間一髪で間に合い、水が水蒸気になったことで視界が妨げられる。視界が戻ると――。

「あれ?なんで俺は無事なんだ?」

 不思議そうに首を傾げるアイアスがそこにはいた。
 マリアはアイアスの無事を確認すると胸を撫で下ろした。

「よかった~」

 そしてアーティスに詰め寄った。

「自分で制御できない魔術を使うなんて正気なんですか!無事だったからよかったものの、大怪我もあり得たんですよ?」
「いや、無事だったんだから良かったじゃないか」
「結果の問題じゃありません」

 バッサリと切り捨てるとアイアスのもとに向かった。

「怪我の治療をしますね。『《キュア》』」
「っ!?」

 アイアスはあっという間に火傷が治ったことに目を見張った。

「お前もランクアップ希望者だな」
「はい」
「他に攻撃系の魔術は使えるか?」
「はい」

 アイアスはマリアの目をじっと見た。マリアが視線に堪えられなくなった頃――。

「良いだろう。合格だ」

 合格を告げられた。

「えっ?でもまだ私試験受けてないですよ?」

 マリアの様子にアイアスは苦笑した。

「魔術の腕はさっきの傷を治した時にわかっているから問題ない」

 こうしてマリアはランクアップ試験に合格した。ちなみにマリアのクラスで落ちた者はいない。そして今回のことでアーティスはカーラにこってり絞られた。

☆★☆★☆

マリアのクラスメートは今まで名前が出てきた者に加え、後2人ほどいます。
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