こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第四章 護衛依頼

二日目(3) グレフ到着

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「代官は誰がやっているんだ?」

 アリサと別れ、アレキスに声が届かない程度に距離を取ると、アルフォードがそう訊いた。

「わからないけど、多分お父様の腹心の誰かだと思うわ」
「そうか……。今更だが潰すってことで良いんだよな?」
「ええ、誰であろうとも許せないもの」

 エリザベートは力強く頷いた。

「私、何かやることある?」

 マリアも何か皆の役に立ちたかった。

「そうね~。多分私を含め、顔を知られているかもしれないからマリアには税を少しでも軽くするよう訴えに来た農民の子供の役をやってもらいましょうか。その方が反応が見れるしね」
「わかった」
「アルフォードたちは私の友人として一緒に領地に帰ってきたことにしましょう。お父様たちは後から来ることになっていて、私たちが先に着いたってことね。先触れはミスか何かで届かなかったってことで。細かいところは夜にでも話し合いましょう。どうせまだどんなに急いでも10日は掛かるもの」
「ああ」
「わかった」

 その日は予定通りグレフの街に宿を取ることになった。

「残念だけど、服は帰りにしましょう。取り敢えず宿を取って素材を売りに行って、話し合いで良いかしら?」
「うん」
「ああ」
「勿論だ。残念がってるのはお前だけのような気がするがな」
「もう、いちいちそういうことは言っちゃ駄目だよ~」

 エリザベートがアルフォードに何か言い返す前に割って入った。

「エリザも何か言われる度に言い返していたらきりがないよ」

 何とか二人の仲裁をしながら適当な宿を取ると、冒険者ギルドに向かった。

「全部で2040エルです」
「等分してギルド証に入れて下さい」

 ギルド証を差し出すと受付の人は手早く処理を終わらせた。
 今回の値段は、全体の数は少なかったが、高価買取をしている特殊個体に遭遇したためだ。今回はエリザベートが八つ当たりも兼ねて杖で殴り飛ばして瞬殺してしまったため、そのことに気がついたのは回収をしている時だった。
 そんな姿を見た商人たちは恐怖に頬を引きつらせていたとか。

「じゃあ戻るわよ」

 用は終わったとばかりにギルドを出ようとすると──。

「おい!お前ら新人だろ?有り金を全部よこしな」

 恒例となりつつある冒険者に絡まれるという事態に陥ったが──。

「邪魔よ」

 エリザベートに殴り飛ばされ、あっさりと終わった。

☆★☆★☆

基本的に絡んでくる冒険者はE、Gランクです。マリアたちはCランクと同じぐらいの実力があるので勝負になりません。
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