こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第四章 護衛依頼

十三日目(2) 夕食(2)

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 マリアは粗方野菜を切り終わった3人に指示してサラダを作らせた。
 最後に入れた乾し肉まで火が通ると、マリアはさらによそった。
 最後にアイテムポーチからパンを出せば完成だ。マリアが即席で作ったテーブルに並べ、同じく即席で作った椅子に座る。

「「「「いただきます!」」」」

 自分たちで作った夕食に舌鼓を打っていると、匂いに釣られたのか商人たちが寄ってきた。

「美味しそうな匂いですね」
「もし良かったら食べますか?スープならまだ残っているので」
「良いんですか!?」
「ええ」

 マリアがよそって渡してあげると喜んで食べ始めた。

「美味しい!これは誰が?」
「作ったのは皆でですけど私たちは野菜を切っただけで、その他は皆マリアが……」
「その歳でこの料理の腕前とは凄いですね。碌な設備とかもないのに……」

 アレキスは感心したように呟いた。

「私たちなんていつも野営の時はパンだけですよ」
「エヘヘ、そう言ってくれると嬉しいです」

 料理がなくなるころ、辺りに甘い美味しそうな匂いが漂い始めた。

「?マリア、何か作ったの?」
「うん。時間があったからデザートを少しね」
「一体いつの間に……」

 マリアは窯のところまで行くと、中の様子を見た。

「うん。良さそうだね」

 直接触れば火傷をするので、魔術で風を操って取り出し、テーブルまで運ぶ。

「熱いから触らないでね」

 そっと型を外すと切り分けた。

「思い付きで作ったし、分量もちゃんと計っていないから味に自信ないけど……」
「そんなことないよ!十分美味しいよ!」
「マリアさん。うちの専属護衛になりません?」
「嬢ちゃんなら大歓迎だぞ」

 マリアは自信なさ気だったが、皆大絶賛した。

「専属は流石に……。護衛依頼を受ける時にアレキスさんたちのものがあったら優先的に受けても良いですけど……」
「本当ですか!それだけでも嬉しいです」

 レシピを訊かれたが、マリアが窯がないと難しいと言うと、肩を落とした。

「思い付きで作るぐらいなら簡単に作れると思ったんですけどね……」
「もし窯があったとしても素手じゃ熱くって出せませんからどっち道無理だと思いますよ」

☆★☆★☆

マリアが料理をしていた理由はお察しください。
新作の投稿を始めました。前にチラッと出てきた勇者が主人公のお話です。
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