96 / 464
第四章 護衛依頼
十三日目(3) 食後
しおりを挟む
食後、皆思い思いに過ごしていた。
マリアは裁縫道具と縫いかけの布を取り出すと縫い始めた。
(これならあと数日で出来そうね)
マリアは満足そうに頷くと、一心不乱に手を動かした。
「何を作ってるの?」
「うわっ!」
マリアが顔を上げるとすぐ目の前にエリザベートの顔があった。
「ごめんなさい。驚かせちゃった?」
「ううん、大丈夫。これは夏物の服を作ってるの。ここ最近暑くなってきたしね」
「……もしかしてマリアの服は全部マリアの手作り?」
「うん」
エリザベートは貴族の子女として最低限の裁縫の心得はあったが、それは精々小物や刺繍止まりだった。
「普通自分で服を作る人なんていないわよ」
「裁縫は好きだから。……エリザもやる?良かったら教えるよ」
「そうね。偶には良いわね。教えてくれる?」
「うん!」
マリアは満面の笑顔で頷いた。
「まずは何を作るか決めなくちゃね」
「私もワンピースに挑戦しようかしら」
「ワンピースって言っても色んな種類があるよ?」
「簡単なのはどんなものがある?」
「切り替えが多いと大変だから……この辺かな」
そう言ってマリアはいくつか型紙を取り出した。
「これが袖無しのワンピース。一番シンプルでわかりやすいと思うよ。こっちが袖があるタイプだね」
「……これって上から下まで切り替えなしよね?」
「?うん、そうだよ」
「切り替えがあるのって難しい?」
「……そうだね。慣れると簡単だけど最初は大変かもね」
マリアがそう答えるとエリザベートの目がキランと輝いた。
「じゃあそっちが良いわ」
「えっ?でも……」
マリアは反論しようとしたが、エリザベートが絶対に諦めないと目で訴えていた。
「うっ。……わかったよ。うまくいかなくっても知らないからね」
マリアは根負けした。
「サイズはどれぐらいにするの?」
「一般的な女性もののサイズにしたいんだけど……」
「そうは言っても既製服も数種類サイズがあるよ?」
「じゃあ一番小さいサイズで」
「わかった。これが原型になるから、これに途中で飾りを付けたり刺繍を入れたりする。取り敢えず今日は布を切るだけ切っておこうか」
マリアに言われ、エリザベートは自分のマジックポーチから大きな布を取り出すと、言われるままに印を付け、切り取っていった。
マリアは裁縫道具と縫いかけの布を取り出すと縫い始めた。
(これならあと数日で出来そうね)
マリアは満足そうに頷くと、一心不乱に手を動かした。
「何を作ってるの?」
「うわっ!」
マリアが顔を上げるとすぐ目の前にエリザベートの顔があった。
「ごめんなさい。驚かせちゃった?」
「ううん、大丈夫。これは夏物の服を作ってるの。ここ最近暑くなってきたしね」
「……もしかしてマリアの服は全部マリアの手作り?」
「うん」
エリザベートは貴族の子女として最低限の裁縫の心得はあったが、それは精々小物や刺繍止まりだった。
「普通自分で服を作る人なんていないわよ」
「裁縫は好きだから。……エリザもやる?良かったら教えるよ」
「そうね。偶には良いわね。教えてくれる?」
「うん!」
マリアは満面の笑顔で頷いた。
「まずは何を作るか決めなくちゃね」
「私もワンピースに挑戦しようかしら」
「ワンピースって言っても色んな種類があるよ?」
「簡単なのはどんなものがある?」
「切り替えが多いと大変だから……この辺かな」
そう言ってマリアはいくつか型紙を取り出した。
「これが袖無しのワンピース。一番シンプルでわかりやすいと思うよ。こっちが袖があるタイプだね」
「……これって上から下まで切り替えなしよね?」
「?うん、そうだよ」
「切り替えがあるのって難しい?」
「……そうだね。慣れると簡単だけど最初は大変かもね」
マリアがそう答えるとエリザベートの目がキランと輝いた。
「じゃあそっちが良いわ」
「えっ?でも……」
マリアは反論しようとしたが、エリザベートが絶対に諦めないと目で訴えていた。
「うっ。……わかったよ。うまくいかなくっても知らないからね」
マリアは根負けした。
「サイズはどれぐらいにするの?」
「一般的な女性もののサイズにしたいんだけど……」
「そうは言っても既製服も数種類サイズがあるよ?」
「じゃあ一番小さいサイズで」
「わかった。これが原型になるから、これに途中で飾りを付けたり刺繍を入れたりする。取り敢えず今日は布を切るだけ切っておこうか」
マリアに言われ、エリザベートは自分のマジックポーチから大きな布を取り出すと、言われるままに印を付け、切り取っていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる