こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第四章 護衛依頼

十三日目(3) 食後

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 食後、皆思い思いに過ごしていた。
 マリアは裁縫道具と縫いかけの布を取り出すと縫い始めた。

(これならあと数日で出来そうね)

 マリアは満足そうに頷くと、一心不乱に手を動かした。

「何を作ってるの?」
「うわっ!」

 マリアが顔を上げるとすぐ目の前にエリザベートの顔があった。

「ごめんなさい。驚かせちゃった?」
「ううん、大丈夫。これは夏物の服を作ってるの。ここ最近暑くなってきたしね」
「……もしかしてマリアの服は全部マリアの手作り?」
「うん」

 エリザベートは貴族の子女として最低限の裁縫の心得はあったが、それは精々小物や刺繍止まりだった。

「普通自分で服を作る人なんていないわよ」
「裁縫は好きだから。……エリザもやる?良かったら教えるよ」
「そうね。偶には良いわね。教えてくれる?」
「うん!」

 マリアは満面の笑顔で頷いた。

「まずは何を作るか決めなくちゃね」
「私もワンピースに挑戦しようかしら」
「ワンピースって言っても色んな種類があるよ?」
「簡単なのはどんなものがある?」
「切り替えが多いと大変だから……この辺かな」

 そう言ってマリアはいくつか型紙を取り出した。

「これが袖無しのワンピース。一番シンプルでわかりやすいと思うよ。こっちが袖があるタイプだね」
「……これって上から下まで切り替えなしよね?」
「?うん、そうだよ」
「切り替えがあるのって難しい?」
「……そうだね。慣れると簡単だけど最初は大変かもね」

 マリアがそう答えるとエリザベートの目がキランと輝いた。

「じゃあそっちが良いわ」
「えっ?でも……」

 マリアは反論しようとしたが、エリザベートが絶対に諦めないと目で訴えていた。

「うっ。……わかったよ。うまくいかなくっても知らないからね」

 マリアは根負けした。

「サイズはどれぐらいにするの?」
「一般的な女性もののサイズにしたいんだけど……」
「そうは言っても既製服も数種類サイズがあるよ?」
「じゃあ一番小さいサイズで」
「わかった。これが原型になるから、これに途中で飾りを付けたり刺繍を入れたりする。取り敢えず今日は布を切るだけ切っておこうか」

 マリアに言われ、エリザベートは自分のマジックポーチから大きな布を取り出すと、言われるままに印を付け、切り取っていった。
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