こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第四章 護衛依頼

十四日目(23) 買物(8)

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「お待たせいたしました」

 店員は流石に4人分は量があるのか、前がよく見えないようだった。
 運んできた防具には大きく分けて、軽鎧とローブの2種類があった。

「まず、鎧の方から説明しますね」

 そう言って見せられた鎧は、胸の部分と、腕や足の一部だけを覆うものだった。材質はどれも同じようで、鈍い白銀に輝いている。肩などの部分は何かの革を使用しているようで、こちらも白銀色だ。

「こちらは見ての通りミスリル製ですね。ドリアン氏の作ったものです。一見それだけのように見えますが、こちらもローズマリー様の硬化の魔術がかけられておりまして、通常のものより遥かに丈夫です。肩などの革は古龍のものを使用しておりまして、同じく強化の魔術がかけられています」

 サラリと名が出てきたが、古龍はSランク以上の魔物で、知能も高く、寿命も長い。その素材を手に入れるのは不可能に近いと言われている。極稀に、古龍自身から抜け殻を貰える者もいるが、それも数百年に一度ぐらいの話だ。
 ローブの方は何かの布で出来ているようで、艶やかな光沢のある黒だった。

「ローブの方はフェンリルの毛を黒く染めて作った糸で作られており、下手な全身鎧よりも防御性が高いです。こちらもローズマリー様の強化の魔術がかけられています」
「サイズとかはどうなっているのかしら?」
「勿論どれも自動サイズ調整がかけられています」

 自動サイズ調整は有名な魔術の一つで、高価な防具の類には、必ずというほどかけられている。

「それで全部でいくらになるのかしら?」
「そうですね。鎧が一つ大金貨25枚。ローブが大金貨20枚です」
「そう。丈夫なブーツが欲しいのだけれど、あるかしら?」
「龍の革のものでよろしければありますよ」

 そう言って持ってきたのは一見何の変哲もない茶色のブーツだった。

「革は先ほど言ったように龍のもの、足の裏と踵、爪先にはミスリルの板が仕込んであります。勿論こちらもローズマリー様の強化とサイズ調整の魔術がかけられています」
「それでお値段は?」
「一足大金貨9枚です」
「人数分お願いするわ」

 エリザベートは悩む素振りも見せずに即決した。

「それでは合計で大金貨257枚になります」
「会計は個別でギルドカードでお願いできる?」
「はい。大丈夫です」

 4人は手早く会計を済ませると、早速買ったばかりの防具を身につけた。武器はアイテムポーチの方に収納した。悪目立ちすると判断したためだ。

☆★☆★☆

参考までに、今までの武器は通常の店で一番安いもの、武具に至ってはなしでした。
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