こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第四章 護衛依頼

十四日目(25) 事情説明

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 そこから15分ほど歩き、宿に戻ってきた。受付の壁にかかった時計は8時25分を指している。どうやらギリギリ間に合ったようだ。

「夕食を4人分お願いします」
「少し時間がかかりますが、大丈夫ですか?」
「はい」

 給仕をしていた女性に注文を伝えると、空いている席に座った。
 来るのを待っている間に、事情を説明することとなった。

「それでは何があったのか話してもらいたいのだが……」
「何がって、宿に帰る途中にあの男たちに囲まれて、お金を出せって言われたわ。それを断ったら襲い掛かってきたから、返り討ちにしただけよ」
「お前たちがか?」
「当たり前でしょう?私たちではなかったら、誰がやったと言うの?」
「……見た目が若いし、それほど強くは見えないからな。実はあいつらはギルドの新人をいたぶって、金を奪い取っていた常習犯なんだよ。だからこそな」
「つまり、僕たちじゃなくて、誰か他の奴がやったんじゃないかと思っているわけか?」
「ああ、そうだ。通りがかった奴が倒したんじゃないかと思っている」

 兵士ははっきりとそう言い切った。

「でもなんでそんなに誰が倒したことにこだわるの?」
「あの手の輩は性質が悪いからな。懸賞金がかかっていたんだ」
「倒した人にしか渡せないってこと?」
「簡単に言えばそうだ」
「でも、証明しろと言われても難しいぞ」
「それはわかっているんだが……。実はお前たちは高ランク冒険者だったとかじゃないよな?」
「普通Eランクを高ランクとは呼ばないと思う……」
「寧ろ低ランクに入るよね」

 4人とも困った顔をした。

「Eランク?登録したばかりのHかGじゃないのか?」
「私たちはこの街の住人じゃないしね」
「この街には依頼で通るだけだし……」
「依頼?配達か何かか?」
「護衛依頼だよ」
「護衛依頼!止めておけ。今からでも高ランクのやつに引継ぎすべきだ」

 この兵士は親切心から言っているようだった。

「どうしてですか?」
「おそらくお前たちは領都までの依頼を受けたんだろうが、ヨルの森はCランク以上の魔物の巣窟だぞ。Eランクじゃ到底通過するのは不可能に近い」
「?そんなこと言われても、私たちは領都の方から来たんですが」
「何!」

 兵士は驚愕の声を上げた。

「そんなことより、話がそれているけど良いの?」
「そんなことって……。だがそうだな。証明する手立てがない以上、懸賞金は諦めてもらうしか……」
「別に良いぞ」
「えっ?」
「お金には困ってないしね」
「はっきり言ってこのままだと平行線だしな」
「時間の無駄だよね」
「私、面倒臭いのは嫌だよ」
「えっ?えっ!本当に良いのか?」
「ああ」

 これで話は終わりだとばかりに、アルフォードは話を打ち切った。
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