128 / 464
第四章 護衛依頼
十六日目(5) 紅龍戦
しおりを挟む
「エリザ!」
「大丈夫よ!」
結果的に全員が紅龍から距離を取る形となった。
「逃がして、はくれないわよね、やっぱ」
休む間を与えないように振り下ろされた一撃を避けながらそう呟いた。
「アルフォード!動きを止めれば行ける?」
「5秒は欲しい!できれば10秒!」
今の4人の腕では攻撃を避けるのがやっとで、近づいて攻撃など、とてもできない。遠距離からの魔術攻撃も、準備に時間がかかりすぎて、実戦ではとても使い物にならないものか、威力不足で殆どダメージが与えられないものしかない。せめてもの救いは、防御系統ならそれなりに役に立つものも多いことぐらいだが、それも慰めにしかならない。
だがそれでも、僅かな希望に縋って、4人は動き出した。少しでも生き残れる可能性に。
「『拘束せよ!《拘束》』」
エリザベートが紅龍の動きを止めようとするが、少し動く速度を遅くするだけで、殆ど効果がなかった。
「だったら!『光よ、彼の者を捕らえよ!《光の手》』」
それを見たマリアがすかさず、光でできた巨大な手の平を作り出し、それで捕まえようとした。これは本来ならば、攻撃を弾くなどして身を守るためのものであって、断じてそのような用途で使うものではない。
だが、手が紅龍を捕らえた一瞬はその動きを止められたのだが、すぐに振りほどかれてしまった。
「ダメか……」
「いや、着眼点は良いと思うよ。『風よ、彼の者を拘束せよ!《ウィンドストーム》』」
アーティスは励ましながら紅龍の動きを少しでも止めようとした。
「そうか、重ね掛けすれば……エリザ、アーティス!」
「わかったわ!」
「わかった!」
2人の返事を聞いてから、マリアは詠唱を開始した。
「『光よ、彼の者を捕らえよ!《光の手》、『風よ、彼の者を拘束せよ!《ウィンドストーム》、闇よ、彼の者を縫付けよ!《ダークアロー》』」
「『拘束せよ!《拘束》、光よ、彼の者を捕らえよ!《光の手》』」
「『風よ、彼の者を拘束せよ!《ウィンドストーム》』」
3人がかりで思いつく端から順に、次々と発動させていく。
紅龍は動きが遅くなったところを光の手で捕まり、風で拘束され、動けなくなったところを漆黒の矢で四肢を地面に縫い付けた。
「あれ?僕要らなかったような……」
完全に動けなくなった紅龍の首筋に剣を振り下ろしながら、アルフォードはそう呟いた。
業物の剣だけあって、本来硬いはずの鱗を容易く切り裂き、紅龍は地面に倒れた。
「大丈夫よ!」
結果的に全員が紅龍から距離を取る形となった。
「逃がして、はくれないわよね、やっぱ」
休む間を与えないように振り下ろされた一撃を避けながらそう呟いた。
「アルフォード!動きを止めれば行ける?」
「5秒は欲しい!できれば10秒!」
今の4人の腕では攻撃を避けるのがやっとで、近づいて攻撃など、とてもできない。遠距離からの魔術攻撃も、準備に時間がかかりすぎて、実戦ではとても使い物にならないものか、威力不足で殆どダメージが与えられないものしかない。せめてもの救いは、防御系統ならそれなりに役に立つものも多いことぐらいだが、それも慰めにしかならない。
だがそれでも、僅かな希望に縋って、4人は動き出した。少しでも生き残れる可能性に。
「『拘束せよ!《拘束》』」
エリザベートが紅龍の動きを止めようとするが、少し動く速度を遅くするだけで、殆ど効果がなかった。
「だったら!『光よ、彼の者を捕らえよ!《光の手》』」
それを見たマリアがすかさず、光でできた巨大な手の平を作り出し、それで捕まえようとした。これは本来ならば、攻撃を弾くなどして身を守るためのものであって、断じてそのような用途で使うものではない。
だが、手が紅龍を捕らえた一瞬はその動きを止められたのだが、すぐに振りほどかれてしまった。
「ダメか……」
「いや、着眼点は良いと思うよ。『風よ、彼の者を拘束せよ!《ウィンドストーム》』」
アーティスは励ましながら紅龍の動きを少しでも止めようとした。
「そうか、重ね掛けすれば……エリザ、アーティス!」
「わかったわ!」
「わかった!」
2人の返事を聞いてから、マリアは詠唱を開始した。
「『光よ、彼の者を捕らえよ!《光の手》、『風よ、彼の者を拘束せよ!《ウィンドストーム》、闇よ、彼の者を縫付けよ!《ダークアロー》』」
「『拘束せよ!《拘束》、光よ、彼の者を捕らえよ!《光の手》』」
「『風よ、彼の者を拘束せよ!《ウィンドストーム》』」
3人がかりで思いつく端から順に、次々と発動させていく。
紅龍は動きが遅くなったところを光の手で捕まり、風で拘束され、動けなくなったところを漆黒の矢で四肢を地面に縫い付けた。
「あれ?僕要らなかったような……」
完全に動けなくなった紅龍の首筋に剣を振り下ろしながら、アルフォードはそう呟いた。
業物の剣だけあって、本来硬いはずの鱗を容易く切り裂き、紅龍は地面に倒れた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる