こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第四章 護衛依頼

十六日目(5) 紅龍戦

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「エリザ!」
「大丈夫よ!」

 結果的に全員が紅龍から距離を取る形となった。

「逃がして、はくれないわよね、やっぱ」

 休む間を与えないように振り下ろされた一撃を避けながらそう呟いた。

「アルフォード!動きを止めれば行ける?」
「5秒は欲しい!できれば10秒!」

 今の4人の腕では攻撃を避けるのがやっとで、近づいて攻撃など、とてもできない。遠距離からの魔術攻撃も、準備に時間がかかりすぎて、実戦ではとても使い物にならないものか、威力不足で殆どダメージが与えられないものしかない。せめてもの救いは、防御系統ならそれなりに役に立つものも多いことぐらいだが、それも慰めにしかならない。
 だがそれでも、僅かな希望に縋って、4人は動き出した。少しでも生き残れる可能性に。

「『拘束せよ!《拘束バインド》』」

 エリザベートが紅龍の動きを止めようとするが、少し動く速度を遅くするだけで、殆ど効果がなかった。

「だったら!『光よ、彼の者を捕らえよ!《光の手ライト・ハンズ》』」

 それを見たマリアがすかさず、光でできた巨大な手の平を作り出し、それで捕まえようとした。これは本来ならば、攻撃を弾くなどして身を守るためのものであって、断じてそのような用途で使うものではない。
 だが、手が紅龍を捕らえた一瞬はその動きを止められたのだが、すぐに振りほどかれてしまった。

「ダメか……」
「いや、着眼点は良いと思うよ。『風よ、彼の者を拘束せよ!《ウィンドストーム》』」

 アーティスは励ましながら紅龍の動きを少しでも止めようとした。

「そうか、重ね掛けすれば……エリザ、アーティス!」
「わかったわ!」
「わかった!」

 2人の返事を聞いてから、マリアは詠唱を開始した。

「『光よ、彼の者を捕らえよ!《光の手ライト・ハンズ》、『風よ、彼の者を拘束せよ!《ウィンドストーム》、闇よ、彼の者を縫付けよ!《ダークアロー》』」
「『拘束せよ!《拘束バインド》、光よ、彼の者を捕らえよ!《光の手ライト・ハンズ》』」
「『風よ、彼の者を拘束せよ!《ウィンドストーム》』」

 3人がかりで思いつく端から順に、次々と発動させていく。
 紅龍は動きが遅くなったところを光の手で捕まり、風で拘束され、動けなくなったところを漆黒の矢で四肢を地面に縫い付けた。

「あれ?僕要らなかったような……」

 完全に動けなくなった紅龍の首筋に剣を振り下ろしながら、アルフォードはそう呟いた。
 業物の剣だけあって、本来硬いはずの鱗を容易く切り裂き、紅龍は地面に倒れた。
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