こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第五章 エイセルの街

打開策

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「いざとなったらグレンを盾にして逃げるから。お願い!」

 そう言って両手を合わせた。

「グレンか……」
「頑丈だものね……」
「手は打たないといけないしね」
「見た目的には大丈夫でしょ?」
「仕方ないか。少し不安だが」

 グレンとマリアが囮になる。その方向で話は纏まろうとしていた。だが──。

「正気ですか!?そのような子どもを囮に使うなど」
「あ~、マリアは魔術の腕で言ったらこの中で一番だから心配ないぞ?」

 何の問題があるのかと、アルフォードは不思議そうな顔をした。

「いえ、私が言っているのはそこではなく、子どもをいざという時の盾にするというところです」

 レインは少し怒っているようだった。

「そうは言ってもな。グレンの頑丈さは折り紙つきだしな」
「いくら頑丈とは言っても、剣で切られれば死にます。考え直してください」
「っと言っているがどうだ?グレン」

 アルフォードは話についていけず、隅で黙って成り行きを見ていたグレンに視線を向けた。

「剣ぐらいなら問題ない。熟練の魔術師とかもいないんだろ?」
「ああ……本人がこう言っているが?」

 アルフォードはレインに目を戻した。

「後で後悔しても知りませんよ?」
「それぐらいわかってる」

 レインは不承不承といった様子で頷いた。

「これで誘拐事件関係は2人に任せちゃって良いわね。後残っているので厄介なのは?」
「強姦が残っています」
「……あまり関わりたくない類ね」
「とは言っても被害が出ているからにはどうにかしなければなりません。とりわけこの手は被害者が申し出ないことも多いので」
「……そんなのわかってるわよ。他には?」
「恐喝、強盗、その辺りですね。何分数が多いですから」
「……何気に一番対処が難しいやつじゃない」

 エリザベートは重く溜息を吐いた。

「しょうがないわね。私が強姦でアーティスが窃盗関連で良いわね?」
「良いわねって、僕は良いけど、エリザベートは大丈夫なのか?」
「心配しなくて大丈夫よ。か弱い女性を襲うサイテー野郎どもなんて、物の数じゃないわ。生まれてきたことを後悔させてやるわ」

 そう言ってエリザベートは笑った。

「エリザ……」

 マリアはその姿を見て、顔を引きつらせた。

(笑顔が黒いし、怖いよ。言葉もなんか汚いし)

 マリアはさり気なくエリザベートから距離を取った。

「僕はここで書類仕事かな?」
「ですね」
「皆健闘を祈る。今日は宿は各自で取って、明日の朝ここに集合で良いか?」
「うん!」
「ええ」
「「ああ」」
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