こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第五章 エイセルの街

リオナ(7)

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「リースっ!」

 2階から戻ってきたリアリスさんは、床に倒れた男たちを見て悲鳴を上げた。

「大丈夫よ。ちょっと絡まれただけ。まだ残っていたみたいね」

 リアリスさんとは対照的にリースさんは落ち着いていた。

「マスター、部屋を貸して貰える?警備兵が来るまで置いておきたいのよ」
「良いぞ。202号室を使え。代金はいらねぇ」
「ありがとう」

 リアリスさんとリースさんは慣れた様子でバックから出した紐で5人を縛っていった。

「え~と、あなたお名前は?」

 縛り終わるとリースさんは私を見てそう訊いてきた。

「リオナ」
「そう。リオナ、ここは一人じゃ危ないから上に一緒に行きましょうか?」

 その言葉には有無を言わせない力があった。

「……うん」

 一人一人リアリスさんが運ぶのかと思ったけど、リースさんがニヤリと笑ったかと思うと、何か呪文を唱え始めた。

「『風の精霊よ、運んで頂戴《風の揺り籠》』」

 するとどこからか吹いてきた風があいつらを持ち上げ、運んでいった。

「行きましょう」

 慌ててリースさんたちの後をついて行くと、3つあるうちの真ん中の部屋に入っていった。

「私はあの子の様子を見てくるわ。後はお願いね」

 リースさんが部屋を出ていってすぐに1人が目を覚ました。

「何のつもりだ!解け!」

 何を言っているのかな?自分たちがリースさんに絡んでいたっていうのに。

「寝言は寝て言え」
「なんだと!?」
「黙れ」

 リアリスさんはそいつの顔のすぐ横に剣を突き刺して黙らせた。

「どうせ前にも色々と悪事を重ねてきたんでしょ?サッサと吐きなさい。さもないと……」

 そう言って首筋に剣を突きつけた。

「頭と体がさよならすることのなるよ」
「わ、わかった。言う、言うから剣をどけろ!」
「嘘を吐いたらどうなるかはわかっているね?」

 リアリスさんは脅しをかけることも忘れなかった。すごいな。私ならあそこまではできないや。
 男はペラペラとこれまでやってきたことを語った。盗みから始まって恐喝、強盗。聞いていて気持ちの良いものじゃなかった。それでもその後に言ったことに比べればかわいいものだった。

「恐怖に引きつった顔のあいつらを犯すのは楽しかったぜ。中には泣きながら許しを請うてくるやつもいたな」

 楽し気に笑いながら、得意気に強姦したことを語った。それにはリアリスさんも顔を歪めていた。

「……それはそこに転がっているやつらもか?」
「ああ。そう言えば3日前のあの女。あいつが今までで一番だったな」

 3日前、その数字に手がピクリと動いたのがわかった。

「普段だったら適当なところで終わらせるんだけどよ。ついな、あの時だけは皆で心ゆくまで楽しませてもらったぜ。普段だったらじゃんけんで勝ったやつ一人だけだけどな。綺麗なやつだったぜ。紫の髪でな、食堂で働いてんだ」

 私はそれ以上話を聞いていられなかった。3日前、紫色の髪、食堂で働いている、合致することが多すぎる。紫色の髪なんて、他に見たことなんてない。

「あなたたちが……あなたたちのせいで……」

 それ以上は言葉にならなかった。気がつけば私は馬乗りになって男たちを殴っていた。

「あなたたちみたいなやつらがいるからお母さんは!」

 止めろと言われて腕を掴まれたけど、そんな気は毛頭もなかった。

「はなして!」
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