こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第五章 エイセルの街

出立

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 1週間後、マリアたちはエイセルの街を出るため、門に向かって歩いていた。

「まって!」

 あと少しで街の入口というところで、5人は呼び止められた。

「どうしたの?」

 振り返るとそこにはリオナとリース、リアリスの3人がいた。

「あ、あの……私、魔術学園に行きたいの。連れていってください!」

 リオナはそう言うと勢いよく頭を下げた。

「リースさんたちとも話したんだけど、行ってむだにはならないと思うし。そりゃあ貴族ばっかのところはちょっとこわいけど、それでもエリザお姉ちゃんのような人もいるってわかったし」

 若干舌足らずな声で必死に理由を捲し立てた。

「護衛が必要なら私たちも王都までなら一緒に行くわ」

 リースもそう言い添えた。

「リオが自分で考えた結果ならそんなに必死にならなくても歓迎するわ」

 エリザベートはクスリと笑った。

「護衛は……ありがたいけど必要ないわ」
「えっ?でもあなたたちはそこまで強くないでしょう?」
「あら、言ってなかったかしら?私たちこれでもEランクパーティーなのよ。それも登録してから2月も経っていないね。Dランクへのランクアップ試験の話も来ているしね」
「でもここまでパーティーで来るのと人1人を護衛しながら移動するのとでは勝手が違うでしょう?」
「それこそ心配いらないわ。私たちは王都からこの街までの護衛依頼を受けてこの街に来たんだもの」
「……」

 リースはもうそれ以上何も言えないようだった。

「他に言うことがないのだったら、遅くなってしまうし、早く街を出たいのだけれど……」
「あっ、ごめんなさいね。近いうち私たちも一度王都に行こうと思うから、その時にまた会いましょう」
「……ええ。……リオナは荷物は準備できているのよね?」
「うん。着替えとかは全部この中に入ってる」

 そう言って背負っているリュックを見せた。

「重いだろうし、荷物は私が預かるわ」

 そう言ってエリザベートはリオナから荷物を貰うとアイテムポーチの中に入れた。

「それじゃあ行きましょうか」

 リースたちと別れると、今度こそ6人は街の外に出た。そしてそのまま街道を外れ、見通しの悪い森の中に入っていった。

「えっ?なんで森に入るの?」

 リオナは理由がわからず、不思議そうな顔をした。

「これから見ることは内緒にしてね」

 エリザベートはそれには答えず、グレンに向き直った。

「これだけ街から離れれば大丈夫だと思うわ」
「わかった」

 森に入った理由。それは長い道のりを大幅に短縮するためだった。
 グレンは短く返答すると、瞬時に龍形態に戻った。

「とりあえずブルメルに向かいましょうか?頼んでいたアイテムポーチを受け取らなくちゃね。ヘザー平原に降りれば大丈夫でしょうしね」

 そう言ってエリザベートはニッコリと微笑んだ。
 この時エリザベートは完全に飛ぶ時のことを忘れていた。
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