こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第六章 王都への帰路

マジックテント(4)

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「そう言えばこの階段も無駄に豪華だよね」

 階段を下りながらマリアはしみじみとそう呟いた。

「そういう注文だったからね」

 階段自体は全て木製で落ち着いた印象だが、手すりには蔦が絡んだ彫刻が施されていた。

「……これが高いのって、そういう技術料もある気がする」
「よく見るとあっちこっち彫刻が入ってるしね……」
「?その割には置いてあった家具類はシンプルだったわね」
「……とりあえず使えるように適当な家具を入れておけと言われたからね。できるだけ安い品を入れておいたんだよ。……内装に見合った品だけあって、それなりの値段はするがね。売り払おうと何度も思ったが、高価すぎて売れなかったんだよ。私には金持ちのツテなんてないからね」

 そんな説明を聞きながらいやに長い階段を下りきった。階段を下りた先には2つの扉があった。

「どっちに入っても造りは同じだよ」

 そう言いながらフェジーは左のドアを開けた。

「……広いけど普通ね」
「……そうだね。広いけど……」

 広さだけはあるが、ごくごく普通の更衣室だった。奥には浴室への扉がある。
 エリザベートは拍子抜けしたようで浴室の扉を開け、そして固まった。

「……何……これ……」

 今までの経験から浴室が広いことはわかり切っていた。だが、流石に天井はなく空が広がっているのは予想外だった。壁の一部もなく、遥か下方に雲海が広がっている。

「驚いたかい?いい景色だろう?」

 驚いている6人にフェジーは満足気に笑った。

「……どうなっているんですか?」
「なに、ちょっと空間を繋いだだけだよ。雲の上だから雨が降る心配もない。高すぎて何か魔物が入ってくる心配もない。柵代わりに透明な障壁が張ってあるから誤って落ちる心配もない」
「……あなたは何者です?」

 アルフォードは何かを見定めるようにフェジーを見た。

「一介の街のマジックアイテム屋兼錬金術師だよ」
「……誤魔化さないでください。普通の人間はそう簡単に空間を繋ぐだなんてできません。それに障壁を張るのにエネルギー源に魔石を使っている様子がない。障壁なんて燃費が悪いものの代表例にも関わらずだ。そんなことは城の、それも筆頭錬金術師ができるかどうかだ。もう一度訊きます。あなたは何者です?」
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