こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第六章 王都への帰路

マジックテント(5)

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「……まだ2階を案内していなかったね」

 どこか重くなった空気を変えようと、フェジーは普段よりも若干明るい声を出した。

「あっ、そう言えば……」
「コレですっかり忘れていたわね」

 というわけで階段まで戻り、階段を上った。

「2階は大きめの部屋と応接室になっているよ」
「……ちなみに3階は?」

 そう、このテント、2回で終わりではなかった。

「それは見てからの楽しみじゃ」

 フェジーはそう言って答えなかった。

「まずここが応接室になっておる」

 そう言って案内されたのは寝室よりも一回り小さい部屋だった。立派なソファーセットが置かれている。

「……ちなみにこの階のお手洗いは?」
「この部屋のすぐ隣じゃ」

 お手洗いは素通りした。

「こっちがホールになっておる」

 そう言って見せられたのは正確な広さがわからないぐらい広大なホールだった。

「……前々から思っていたんだけど、このテントを注文した人は何を考えていたのかしら?」

 エリザベートが呟いた疑問は6人全員の疑問だった。

「さぁな。私が知りたいくらいだよ」
「……もうテントと言うよりは見た目が普通のテントの移動可能なお屋敷だよね」
「……そうじゃな」

 もうテントではなくちょっと変わった屋敷だと思おうと、全員が決心した。

「2階は以上だよ」
「……結局3階は?」
「……言うより見た方が早いよ」

 首を傾げながら部屋を出て階段を上った。

「えっ?」
「……本当に何を考えていたんだ?」
「ひろ~い」
「よく見たらかなり強固な結界が張ってある……」
「私、これを注文した人が何者なのかわからなくなってきたわ」
「……僕もだよ」

 そこにはワンフロア丸々を使った演習場が広がっていた。

「……このテントは空間の拡張その他諸々の値段よりも、お風呂場とここにつけた結界類の値段の方が高くついているんだよ」
「……お金をかけるところがおかしくない?」
「……私に言われても困るよ」

 色んな点で驚くことが多かったが、無事に見終わり支払いを済ませた。

「次はいつになるかわからないけど、また来ますね」
「その時には何か買っておくれよ」
「え~、でも必需品は買い終わっちゃいましたよ?」
「なぁに、別に買うものは必需品だけじゃないだろう?」

 フェジーは朗らかに笑った。その笑顔はどこか晴れ晴れとしていた。
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