こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第七章 それぞれの過ごす日々

マリアの1日(10)

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「……とりあえず強い魔物を探そうか?」
「ツヨイ、コワイ。タタカウ、ダメ!」

 ベルは小さい手でマリアの頭をペチペチと叩いた。

「え~、でも私、そのために来たんだけど……。アルラウネはそのついでだしね」
「ワタシ、タタカウ、シヌ!」
「えっ?別にベルには戦えとは言ってないよ?そのまま頭に乗っていれば良いから。それに……」
「ソレ、ニ?」
「もう見つかっちゃったみたいだし」

 マリアの視線の先にはウォータードラゴンがいた。マリアを見つけ、逃げる素振りを見せないことを良いことに、悠々と近づいてくる。

「ヒッ!?ニゲル、スル!タタカウ、ダメ!アナタ、アイツ、コロス、サレル!」

 ベルはパニックに陥っていた。

「ベル、私はマリアだよ。あなたなんてなんか他人行儀だし、マリアって呼んで」
「ソレ、イウ、バアイ、チガウ!ニゲル!ワタシ、シヌ、イヤ!」

 落ち着いたマリアとパニック状態のベル。ひどく対照的だった。

「ん~、確かウォータードラゴンの革って、上手く加工してローブとかにすれば、中の気温を下げてくれるんだよね?まさに私が今一番欲しいもの」

 マリアにはドラゴンが素材の山にしか見えなかった。

「……傷を最小限にするならやっぱりこれかな?『純白の花よ、咲き誇れ、《氷花アイス・フラワー》』」

 一番使用頻度が高く、マリアの十八番の火属性と、戦闘で使うことは皆無に等しいが、料理の時には火属性に負けず劣らずよく使う水属性。その複合属性である氷属性をマリアが使えないわけがなかった。……たとえ一番弱いものでも中級だとしてもだ。

パキパキ

 辺りの空気が冷やされ、気温が一気に下がる。辺りの植物が凍ってもなお気温は下がり続ける。

「……え~、ドラゴンも立派な爬虫類でしょ?」

 それでもドラゴンの動くスピードは変わらない。

「マリア、ココ、サムイ」
「……」

 ベルが文句を言ったがスルーする。逃げることはもうすでに諦めたようだ。

「ギュルッ?」

 ウォータードラゴンがマリアを攻撃できる距離まで後一歩といったところで不意に足を止めた。訝し気に自身の体を見る。

「……やっと効果が出てきたか」

 マリアはニヤリと笑った。
 それに呼応するように、一気に氷がドラゴンの体全体を覆った。
顔まで覆ったことで、ドラゴンは呼吸ができなくなった。だからといって体も氷で固定されているため暴れることもできない。無論声を出すこともだ。
ウォータードラゴンは静かに息絶えた。それとほぼ同時に頭には氷でできた花ができあがった。
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