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第八章 ベルジュラック公爵家
領都を前にして
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道なき道を歩き続けることおよそ2時間半。ようやく森を抜けた。
道中魔物に襲われることも度々あったが、その度にサンドライトが何かの恨みをぶつけるかのように無言で武器も使わずに瞬殺していた。その様はマリアが軽く引くほど恐ろしかったという。
「……あちらに小さく街が見えぬか?」
サンドライトに示された左手前方に目を凝らせば、本当に小さくにしか見えなかったが確かに街があった。
「……はい。もしかしてあれが?」
「うむ。ベルジュラック公爵領領都、アイレンの街だ。街並みはなかなか綺麗だぞ」
その言葉は逆に言えば街並みぐらいしか見るものがないことを示していた。
「……マリア、あの街ではどのような行いが行われていようとも決して目を逸らしてはならぬ。どんな理不尽なことでも自身が巻き込まれぬ限り決して手を出してはならぬ。それが私たちベルジュラック公爵家を裁きに来た者たちの仕事のうちでもある」
「はい」
「……この領に、とりわけアイレンには奴隷も多い。その意味を理解しているな」
「はい」
マリアもその言葉を理解できないほど子どもではなかった。
人間の中には奴隷を人と見ていない者も少なくない。それに加え、ただでさえ治安が悪いベルジュラック公爵領内だ。人々の不満の捌け口にされていることは容易に想像できた。
「……目にしたもの全てがベルジュラック公爵たちを追い詰める材料となりうる。屋敷に着くまでに見聞きしたこと、その憤りは全てベルジュラック公爵にぶつけろ。この私が許可する」
物理的でも精神的でもなと付け加えるサンドライトはニヤリと笑った。
「はい!」
マリアも良い笑顔で力強く頷き返した。
アルフォードとエルマン、この2人も何とも言えない爽やかな笑顔を浮かべている。
この時点で皆の中でベルジュラック公爵が少なくとも半殺し以上の目にあわすことは確定した。知らぬは公爵本人のみ。
もしこの時皆が浮かべた笑顔を見た者がいたのならこう語っただろう。何かを考えるより先に裸足で逃げ出したくなるほど恐ろしい笑みだったと。
道中魔物に襲われることも度々あったが、その度にサンドライトが何かの恨みをぶつけるかのように無言で武器も使わずに瞬殺していた。その様はマリアが軽く引くほど恐ろしかったという。
「……あちらに小さく街が見えぬか?」
サンドライトに示された左手前方に目を凝らせば、本当に小さくにしか見えなかったが確かに街があった。
「……はい。もしかしてあれが?」
「うむ。ベルジュラック公爵領領都、アイレンの街だ。街並みはなかなか綺麗だぞ」
その言葉は逆に言えば街並みぐらいしか見るものがないことを示していた。
「……マリア、あの街ではどのような行いが行われていようとも決して目を逸らしてはならぬ。どんな理不尽なことでも自身が巻き込まれぬ限り決して手を出してはならぬ。それが私たちベルジュラック公爵家を裁きに来た者たちの仕事のうちでもある」
「はい」
「……この領に、とりわけアイレンには奴隷も多い。その意味を理解しているな」
「はい」
マリアもその言葉を理解できないほど子どもではなかった。
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「……目にしたもの全てがベルジュラック公爵たちを追い詰める材料となりうる。屋敷に着くまでに見聞きしたこと、その憤りは全てベルジュラック公爵にぶつけろ。この私が許可する」
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「はい!」
マリアも良い笑顔で力強く頷き返した。
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この時点で皆の中でベルジュラック公爵が少なくとも半殺し以上の目にあわすことは確定した。知らぬは公爵本人のみ。
もしこの時皆が浮かべた笑顔を見た者がいたのならこう語っただろう。何かを考えるより先に裸足で逃げ出したくなるほど恐ろしい笑みだったと。
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