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第八章 ベルジュラック公爵家
ベルジュラック公爵邸庭園&玄関
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門を通った直後、4人は何か合図をしあうこともなく急に走り出した。その直後──。
ドゴッ
鈍い音を立てて先ほどまで4人が歩いていた辺りを氷でできた槍が地面に突き刺さった。そして4人の後を追うように次々と槍は飛来する。
「……最初から殺しに来てません?普通の人なら最初の1発で死んでると思うんですけど……」
「……そうだな。もはや相手が誰であろうとも予定にない訪問客は排除する。……そういうことだろう」
時々急に立ち止まったりしゃがんだりと、動きに緩急をつけながらも会話をする余裕は残っていた。
「……理由は何であれ、たとえそうは見えなくとも王族に刃を向けたのです。それだけで十分に極刑に値します」
屋敷に近づくにつれ段々と槍の本数は増え、地面からも土でできた槍が飛び出すようになってきた。
「ちっ、『《ファイアボール》』」
アルフォードは流石にすべては除け切れなくなり、ある程度は魔術で迎撃する。とは言っても叩き落すのではなく軌道を変える、それもさらに周りのものに当たるようにしているところに余裕が見える。
「……アル、舌打ちしちゃだめだよ。『《ウィンド》』」
マリアは槍に的確に《ウィンド》を当て、ある程度纏めて吹き飛ばしていた。
「……そうですよ。些か行儀が悪いです」
どうやっているのか軽く手を降るだけで飛来する槍はすべてエルマンの周りを避けていった。
「……そうか?私も舌打ちをしたい気分なんだがな。……はっ!」
サンドライトは避け切れないものはすべて殴っていた。手の方が先に傷つくかと思いきや、氷の槍はガラスのように容易く砕け散り、サンドライトの手には傷1つない。
結局4人が屋敷の玄関口にたどり着くまで5分とかからなかった。
「……とりあえず今の無礼者たちは2階であろうな」
「……そうですね。氷の方はともかく地面の方はそのようにはっきりと視えました」
サンドライトの言葉にアルフォードは力強く頷いた。
「……公爵は……性格から考えて最上階、それも中央付近の部屋でしょうか?」
「……そうであろうな。とりあえず最上階まで全力で突っ切るぞ」
サンドライトはその言葉とともに玄関の扉を蹴り飛ばした。ドアは綺麗に蝶番から取れて吹っ飛んだ。
「……ドアを蹴るのは……おや」
エルマンはサンドライトの行動を咎めようとしたが、すぐにその口を閉じた。
「見よ。これで正解だったではないか」
得意気な顔のサンドライトの視線はドアの下敷きになって伸びている者たちに注がれていた。皆服装こそ使用人のそれだが、手には剣や弓といった武器を持っていた。
「……そうですね」
エルマンはロープを取り出すと、この者たちはおそらくもともとこの近くに控えていた者たちだろうと推論を述べながら手早くその使用人たちを縛った。
「……さて、どこかの誰か様のお陰で随分と大きな音が出ました。すぐに他の者たちも集まってくるでしょう」
「うっ」
「下手な戦闘は避けてさっさと行きますよ」
いつの間にか場の主導権はエルマンが持っていた。サンドライトはその場に胸を押さえて蹲っている。
「……サンディ様、大丈夫ですか?」
見かねてマリアは手を差し出した。
「あっ、ああ。……エルマンの言う通りだ。余計な時間もかかってしまった。さっさと行くぞ」
子どもの手を借りて立ち上がる国王──実に様になっていなかった。
「どなたか様が気をつけて行動していれば……余計な時間がかかることも……もっと言えばそこまで時間を気にする必要がなかったんですがね」
エルマンは目を怒らせてサンドライトの襟首を掴んで歩き出した。今度はマリアも手を差し出そうとは思わなかった。
ドゴッ
鈍い音を立てて先ほどまで4人が歩いていた辺りを氷でできた槍が地面に突き刺さった。そして4人の後を追うように次々と槍は飛来する。
「……最初から殺しに来てません?普通の人なら最初の1発で死んでると思うんですけど……」
「……そうだな。もはや相手が誰であろうとも予定にない訪問客は排除する。……そういうことだろう」
時々急に立ち止まったりしゃがんだりと、動きに緩急をつけながらも会話をする余裕は残っていた。
「……理由は何であれ、たとえそうは見えなくとも王族に刃を向けたのです。それだけで十分に極刑に値します」
屋敷に近づくにつれ段々と槍の本数は増え、地面からも土でできた槍が飛び出すようになってきた。
「ちっ、『《ファイアボール》』」
アルフォードは流石にすべては除け切れなくなり、ある程度は魔術で迎撃する。とは言っても叩き落すのではなく軌道を変える、それもさらに周りのものに当たるようにしているところに余裕が見える。
「……アル、舌打ちしちゃだめだよ。『《ウィンド》』」
マリアは槍に的確に《ウィンド》を当て、ある程度纏めて吹き飛ばしていた。
「……そうですよ。些か行儀が悪いです」
どうやっているのか軽く手を降るだけで飛来する槍はすべてエルマンの周りを避けていった。
「……そうか?私も舌打ちをしたい気分なんだがな。……はっ!」
サンドライトは避け切れないものはすべて殴っていた。手の方が先に傷つくかと思いきや、氷の槍はガラスのように容易く砕け散り、サンドライトの手には傷1つない。
結局4人が屋敷の玄関口にたどり着くまで5分とかからなかった。
「……とりあえず今の無礼者たちは2階であろうな」
「……そうですね。氷の方はともかく地面の方はそのようにはっきりと視えました」
サンドライトの言葉にアルフォードは力強く頷いた。
「……公爵は……性格から考えて最上階、それも中央付近の部屋でしょうか?」
「……そうであろうな。とりあえず最上階まで全力で突っ切るぞ」
サンドライトはその言葉とともに玄関の扉を蹴り飛ばした。ドアは綺麗に蝶番から取れて吹っ飛んだ。
「……ドアを蹴るのは……おや」
エルマンはサンドライトの行動を咎めようとしたが、すぐにその口を閉じた。
「見よ。これで正解だったではないか」
得意気な顔のサンドライトの視線はドアの下敷きになって伸びている者たちに注がれていた。皆服装こそ使用人のそれだが、手には剣や弓といった武器を持っていた。
「……そうですね」
エルマンはロープを取り出すと、この者たちはおそらくもともとこの近くに控えていた者たちだろうと推論を述べながら手早くその使用人たちを縛った。
「……さて、どこかの誰か様のお陰で随分と大きな音が出ました。すぐに他の者たちも集まってくるでしょう」
「うっ」
「下手な戦闘は避けてさっさと行きますよ」
いつの間にか場の主導権はエルマンが持っていた。サンドライトはその場に胸を押さえて蹲っている。
「……サンディ様、大丈夫ですか?」
見かねてマリアは手を差し出した。
「あっ、ああ。……エルマンの言う通りだ。余計な時間もかかってしまった。さっさと行くぞ」
子どもの手を借りて立ち上がる国王──実に様になっていなかった。
「どなたか様が気をつけて行動していれば……余計な時間がかかることも……もっと言えばそこまで時間を気にする必要がなかったんですがね」
エルマンは目を怒らせてサンドライトの襟首を掴んで歩き出した。今度はマリアも手を差し出そうとは思わなかった。
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