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第八章 ベルジュラック公爵家
公爵邸廊下
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「っ!?いたぞ!侵入者だ」
その場から離れようとした直後、手に武器を持った使用人姿の者たちが駆けつけてきた。それも玄関ホール、その左右両方向から。
「……ちっ、対応が早いですね」
「……エルマン、お前も舌打ちしているではないか」
エルマンはサンドライトを引っ張っていた手を放すと、慌てた素振りも見せずに両手を相手の方に向けて翳した。サンドライトの発言は完全に無視されている。
「……こうなってしまえば時間との勝負ですからね。『風よ、汝はただの風にあらず。渦巻きて吹き荒れよ、そのうちに風の刃を宿して《大暴風》』」
そしてそのまま左右に向かって荒れ狂う竜巻を放った。そしてそれは使用人たちに直撃し、全員を壁に叩きつけた。のみならずそのまま直進していった竜巻は飾られていた絵画の類も巻き上げ、それらは倒れ伏した使用人たちの上に落ちた。後には全身に裂傷と打撲を負った使用人、そして傷だらけの絵画と粉々となった壺が残った。
「……さて、行きましょう」
そう言ってアルフォードとマリアの方を見たエルマンは清々しい微笑みを浮かべていた。
「……あっ、ああ」
「……は、はい」
2人は頷くことしかできなかった。
エルマンは再度サンドライトを半ば引きずるようにして歩き出した。
「エルマン!手を放せ!」
サンドライトの抗議は全員に無視された。
上階への階段が見つかったのはその直後のことだった。
「……もしかしてだけど、階毎に階段の位置が違う?」
「……だな」
だがその階段は2階までで終わっていた。
「……いったいなんでこんなに不便なの」
マリアはついそうぼやいてしまった。
「……公爵の趣味ではないでしょうか?使用人に無理なことを命じる。あの男が好みそうなことです」
「……住んでる自分も不便だと思いますけどね」
「……自身はほとんど自室から動かないのではないでしょうか?もしくは隠し通路でもあるか、その両方か……」
立ち止まっていても仕方がないと、とりあえず廊下を進む。
「あれ……そういえばさっきアルが庭に魔術を放っていた魔術師が2階にいるって言ってなかったっけ?」
「言ったな」
「……それって具体的にはこの階のどのあたり?」
「んっ、ああ。位置的にはちょうどその部屋だな。まあ移動していなければだがな」
そう言ってアルフォードが指したのは4人のすぐ目の前にある扉だった。
「……できれば魔術師は無力化しておいた方が良いですね。後々の私たちの安全のためにも。それに逃げられては面倒です」
「……そうだな」
アルフォードはどう考えても最後の一言の方が本音だろうと、エルマンに白い目を向けた。
「……サンドライト様、出番ですよ。ちょっと中の方々を無力化してきてください」
エルマンはどこ吹く風でそれを無視すると、疲れた顔で少々ぐったりとしていたサンドライトにそうお願いした。いや、お願いという体はとってはいるが、もう命令と同じと言っても良いぐらいだ。そのことにマリアもアルフォードも顔が引きつるのを隠せなかった。
「……わかった」
トボトボという言葉がよく似合う重い足取りでサンドライトが扉へと近づいていくのを見ながらアルフォードは思う。
(……2人が仲が良いのは前から知ってはいたがこれはないだろ。国王としての威厳はどこに行ったんですか?父上!)
サンドライトがその部屋にいた魔術師2人を倒すのにはそれから1分もかからなかった。そして4人が公爵の執務室に到着したのはそれからさらに10分以上も後のことだった。
その場から離れようとした直後、手に武器を持った使用人姿の者たちが駆けつけてきた。それも玄関ホール、その左右両方向から。
「……ちっ、対応が早いですね」
「……エルマン、お前も舌打ちしているではないか」
エルマンはサンドライトを引っ張っていた手を放すと、慌てた素振りも見せずに両手を相手の方に向けて翳した。サンドライトの発言は完全に無視されている。
「……こうなってしまえば時間との勝負ですからね。『風よ、汝はただの風にあらず。渦巻きて吹き荒れよ、そのうちに風の刃を宿して《大暴風》』」
そしてそのまま左右に向かって荒れ狂う竜巻を放った。そしてそれは使用人たちに直撃し、全員を壁に叩きつけた。のみならずそのまま直進していった竜巻は飾られていた絵画の類も巻き上げ、それらは倒れ伏した使用人たちの上に落ちた。後には全身に裂傷と打撲を負った使用人、そして傷だらけの絵画と粉々となった壺が残った。
「……さて、行きましょう」
そう言ってアルフォードとマリアの方を見たエルマンは清々しい微笑みを浮かべていた。
「……あっ、ああ」
「……は、はい」
2人は頷くことしかできなかった。
エルマンは再度サンドライトを半ば引きずるようにして歩き出した。
「エルマン!手を放せ!」
サンドライトの抗議は全員に無視された。
上階への階段が見つかったのはその直後のことだった。
「……もしかしてだけど、階毎に階段の位置が違う?」
「……だな」
だがその階段は2階までで終わっていた。
「……いったいなんでこんなに不便なの」
マリアはついそうぼやいてしまった。
「……公爵の趣味ではないでしょうか?使用人に無理なことを命じる。あの男が好みそうなことです」
「……住んでる自分も不便だと思いますけどね」
「……自身はほとんど自室から動かないのではないでしょうか?もしくは隠し通路でもあるか、その両方か……」
立ち止まっていても仕方がないと、とりあえず廊下を進む。
「あれ……そういえばさっきアルが庭に魔術を放っていた魔術師が2階にいるって言ってなかったっけ?」
「言ったな」
「……それって具体的にはこの階のどのあたり?」
「んっ、ああ。位置的にはちょうどその部屋だな。まあ移動していなければだがな」
そう言ってアルフォードが指したのは4人のすぐ目の前にある扉だった。
「……できれば魔術師は無力化しておいた方が良いですね。後々の私たちの安全のためにも。それに逃げられては面倒です」
「……そうだな」
アルフォードはどう考えても最後の一言の方が本音だろうと、エルマンに白い目を向けた。
「……サンドライト様、出番ですよ。ちょっと中の方々を無力化してきてください」
エルマンはどこ吹く風でそれを無視すると、疲れた顔で少々ぐったりとしていたサンドライトにそうお願いした。いや、お願いという体はとってはいるが、もう命令と同じと言っても良いぐらいだ。そのことにマリアもアルフォードも顔が引きつるのを隠せなかった。
「……わかった」
トボトボという言葉がよく似合う重い足取りでサンドライトが扉へと近づいていくのを見ながらアルフォードは思う。
(……2人が仲が良いのは前から知ってはいたがこれはないだろ。国王としての威厳はどこに行ったんですか?父上!)
サンドライトがその部屋にいた魔術師2人を倒すのにはそれから1分もかからなかった。そして4人が公爵の執務室に到着したのはそれからさらに10分以上も後のことだった。
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