こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第九章 夏季休業

話の行方

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「……いつの間にか国家機密とやらも共有させられておったな」

 儚げな笑みを浮かべ、遠い目をするレリオン。

「……なんか色々とおかしい。こんな人と偶然でも知り合う方法がわからねぇ」

 そして先ほど誤魔化した話題が再浮上する。

「……だからわかりませんって。なんでこんな状況になっているのか私が訊ききたいぐらいです」

 マリアの肩にアルフォードはそっと手を置く。

「さっきお前が人生は何が起きるかわからないと言っただろう?例え知人に普通じゃあり得ない人がいたとしてもそれが人生というものだ」
「……私の知り合いって、普通の人の方が少ない気がするよ」

 貴族だけでも2桁。それに加えて王族が複数に宰相。ギルマスも複数。人間どころか紅龍までさり気なく友人枠に入っている。まず顔を合わせることすら難しいラインナップだ。

「……気にしたら負けだ」

 そんな2人の会話を耳にしてしまったギルガルドたちは、これで序の口なのだと薄々察した。

「……とりあえずわかったから。王族を呼び立てるのだけはやめてくれ」

 これ以上この話を引きずるとさらに怖い話を聞きそうで、ギルガルドは早々に白旗を上げ、誰もそれに異を唱えることはなかった。

「儂のことはレリーと呼んでくれ」
「……レリーさんで良いか?」
「うむ」

 レリオンは自分の希望が通ったことで上機嫌だった。

「……それではもう帰っても良いかの?」

 用は済んだだろうと、部屋を出ようとする。

「……何というか、自由だね」

レオナールも呆れた様子だった。

「何か話し合いをするのならそっちの応接セットの辺りだったら使っても構わないんだけど……」

 ギルマスとしての最後の意地だった。いくら本人が良いと言っても冒険者でもない貴族の老人を何の申し出もせずに帰すわけにはいかない。なにせ外見から一目で裕福な人間であることが簡単にわかり、柄の悪い者にとっては恰好のカモだった。

「……話すこと……あるのかの?」
「……あるよ。ただ行くだけでも大まかな行程を決めなきゃダメだよ。それに途中でどうせ魔物とかに襲われるんだから、適当な討伐依頼を受けて少しで旅費を浮かせなきゃ。それと誰がどれだけ戦えるのか戦力の確認も必要だよ。おじいちゃん、大丈夫?」

 即行で突っ込みが入る。

「……そうだな。御好意に甘えさせていただこう」

 そんなやり取りをギルガルドたち4人はあんぐりと口を大きく開けて、アルフォードは必死に笑いを堪えながら見ていた。

(子どもに駄目出しされる爺さんって……)

 話し合いの結果、Cランクの依頼を中心に受けながら、のんびり進むことが決まった。その際レリオンよりもサウリの方が戦闘で役立たずなことが判明し、サウリは爺さんに負けるなんて、と落ち込んでいたのは余談である。
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