こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第九章 夏季休業

地下牢にて

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「……まったくいったいどういうつもりなんだ」

 ところは変わり地下牢ではアルフォードは兵士が立ち去るとそうぼやいていた。

「……変、だよな?」
「……そうだな。いくら不自然とはいえ、貴族かもしれない奴とその連れへの対応とは思えねぇ」

 これはおかしいとお互いに顔を見合わせながら首を傾げる。

「ベルも連れてかれちゃったし……」
「荷物も取り上げられたしな」

 マリアはこの場にいないベルのことを思い、気が塞いでいた。
 ベルや荷物の心配はしてもレリオンの心配はしないあたり、薄情ともいえる。

「……とりあえず状況を整理するぞ。俺らは盗賊らしき奴らを捕まえた」

 全員がギルガルドの言葉に頷く。

「だが兵士に引き渡す際にレリーさんが気になるところがあると王都への引き渡しを遅らせるよう要求し、貴族の紋章が入った指輪を見せたところそれが偽物であると難癖をつけられ、ひっ捕らえられて今に至る、と。誰か何か付け足すことはあるか?」

 ギルガルドが皆の顔を見回すと、おずおずとサウリが手を上げる。

「……ユニコーンという珍しい生き物を連れていたにも拘わらず、特に何も触れられなかった点は?」
「……そう言われてみればおかしいな。お貴族様の指輪を本物かどうか確認する前に偽造したと言ってくるぐらいだし、連れているユニコーンたちについても何かしら言われるのが自然だ。それが全く触れないなんて……」
「……何かが起こってる?」
「何かってなんだよ」

 いくら話しても答えは出ない。

「おじいちゃんには悪いけど、とりあえずここから逃げよう。動かないことには情報も集まらないし」

 立ち上がりながらそう提案するマリアにフェルトは突っ込む。

「……いや、放置して大丈夫なのか?」
「大丈夫だと思うぞ。護身程度はできるし、もし危害が及んだとしてもこっちが外部に連絡を取れれば国が動くだろうしな」
「っていうか、よく考えたらユニコーンさんたちってどうなったんだろう?いざとなれば自力で帰れるから心配はしてないけど……」

 マリアの中でレリオンの重要度はユニコーンたちよりも低かった。

「哀れな……」

 ダスケルがレリオンに同情を覚えたことも、仕方ないことといえよう。

「でも逃げるったってどうやってだ?」
「えっ?そんなの決まってるよ」

 マリアは自信に満ち溢れた笑顔を浮かべる。

「私は魔術師だよ?魔術を使うに決まってるじゃない」
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