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第九章 夏季休業
船内案内(4)
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皆がつれて来られたのは船の最上部、螺旋階段のある吹き抜けの脇に設置された隠し階段を登った先だった。
「ねえ、隠し階段の意味はあるの? 別に普通の階段でも良いと思うんだけど……」
「い、意味はあるの! 船がジャックされそうになった時のための対策なのよ。べ、別に隠し階段の方がロマンがあるとか、そういう理由じゃないの!」
「……へ~」
マリアは感心しているのかしていないのか、どちらとも取れる曖昧な相槌を打つ。
(……普通こんな大きさの船を奪おうとする人なんているのかな?)
エーアリアスは扉の正面に設置されたハンドルの中心に自分のはめている指輪を押し当てた。指輪の石が一瞬だけ明滅する。
「メアリー、後はよろしくなの」
「かしこまりました、お嬢様」
エーアリアスは一言かけると身を翻す。
「えっ?」
「どうしたの? ここにいても面白くないのよ」
呆けるマリアを不思議そうに見やる。
「後はメアリーに任せて戻るの」
そう言ってマリアの手を引っ張る。
「……えっ? ここに来た意味は?」
「ここを見せたかっただけなの」
「え~!」
マリアはされるがままに連れて行かれた。その頭上ではベルが苦笑いしていた。
アルフォードとレリオンも苦笑すると2人の後を追いかけた。
「……さっきから理解ができないんだが」
「落ち着け。それは俺らもだ」
「理解できないが、なんかすごい。もうそれで良いだろう? 深く考えるんじゃない」
他の者たちはこれ以上考えては駄目だとサウリを諌めながら、重苦しい空気を纏ってその後に続いた。
「遊戯室でゲームするの」
そんな後ろの方の者たちの様子など露知らず、エーアリアスは笑顔で提案する。
「マリア、ワタシ、トショシツノホウガイイ」
ベルも自分の意見を主張する。
「モジノヨミカタ、オシエテクレルヤクソク」
「あ~、そうだったね。リア、悪いけど図書室に行かない? 別にゲームは逃げないでしょう?」
「でも……」
「どうせベルのことだから、1時間もあれば読むだけならできるようになるだろうし。ベルは覚えるのがすごい早いんだよ?」
遊ぶのは別にそれからでも遅くないでしょう? と笑う。
「それに私も少し図書室に興味があるし」
「……1時間だけならいいの。1時間したら私と遊ぶのよ」
「うん!」
ギルガルドたちは部屋に戻ると言って別れ、アルフォードもレリオンも図書室に同行すると申し出た。
「異国の書物を読む機会などそうそうないからの」
レリオンは嬉しそうに笑っていた。
「珍しい……」
アルフォードはそれをギョッとした目で見てしまい、レリオンに睨まれそれをマリアに笑われていた。
「ねえ、隠し階段の意味はあるの? 別に普通の階段でも良いと思うんだけど……」
「い、意味はあるの! 船がジャックされそうになった時のための対策なのよ。べ、別に隠し階段の方がロマンがあるとか、そういう理由じゃないの!」
「……へ~」
マリアは感心しているのかしていないのか、どちらとも取れる曖昧な相槌を打つ。
(……普通こんな大きさの船を奪おうとする人なんているのかな?)
エーアリアスは扉の正面に設置されたハンドルの中心に自分のはめている指輪を押し当てた。指輪の石が一瞬だけ明滅する。
「メアリー、後はよろしくなの」
「かしこまりました、お嬢様」
エーアリアスは一言かけると身を翻す。
「えっ?」
「どうしたの? ここにいても面白くないのよ」
呆けるマリアを不思議そうに見やる。
「後はメアリーに任せて戻るの」
そう言ってマリアの手を引っ張る。
「……えっ? ここに来た意味は?」
「ここを見せたかっただけなの」
「え~!」
マリアはされるがままに連れて行かれた。その頭上ではベルが苦笑いしていた。
アルフォードとレリオンも苦笑すると2人の後を追いかけた。
「……さっきから理解ができないんだが」
「落ち着け。それは俺らもだ」
「理解できないが、なんかすごい。もうそれで良いだろう? 深く考えるんじゃない」
他の者たちはこれ以上考えては駄目だとサウリを諌めながら、重苦しい空気を纏ってその後に続いた。
「遊戯室でゲームするの」
そんな後ろの方の者たちの様子など露知らず、エーアリアスは笑顔で提案する。
「マリア、ワタシ、トショシツノホウガイイ」
ベルも自分の意見を主張する。
「モジノヨミカタ、オシエテクレルヤクソク」
「あ~、そうだったね。リア、悪いけど図書室に行かない? 別にゲームは逃げないでしょう?」
「でも……」
「どうせベルのことだから、1時間もあれば読むだけならできるようになるだろうし。ベルは覚えるのがすごい早いんだよ?」
遊ぶのは別にそれからでも遅くないでしょう? と笑う。
「それに私も少し図書室に興味があるし」
「……1時間だけならいいの。1時間したら私と遊ぶのよ」
「うん!」
ギルガルドたちは部屋に戻ると言って別れ、アルフォードもレリオンも図書室に同行すると申し出た。
「異国の書物を読む機会などそうそうないからの」
レリオンは嬉しそうに笑っていた。
「珍しい……」
アルフォードはそれをギョッとした目で見てしまい、レリオンに睨まれそれをマリアに笑われていた。
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