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第九章 夏季休業
謁見
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メアリーに髪の毛を複雑に編み込まれ、結い上げられたマリアはベルを抱きかかえ、来たときと同じように、エーアリアスに腕を引っ張られるようにして、謁見の間の前に連れてこられた。
既に大扉の前には他の者たちが揃っていた。
「珍しいな。お前がそんな格好をするなんて」
「リアが選んだから。私は落ち着かないんだけどね」
そう言ってマリアは苦笑する。
「でも似合ってるぞ。そういう服装をすると新鮮だな」
「ありがとう、アル。お世辞でも嬉しいよ」
その言葉にアルフォードは苦笑いした。
「別に、お世辞ってわけでもなかったんだがな」
その言葉はマリアの耳には届かない。
「? 何か言った?」
「いや、なんでもない」
アルフォードは誤魔化すように首を横に振った。
「……あれ?」
マリアは周囲を見回すと小首を傾げた。
「どうした?」
「なんか、ここを前に見たことがある気がして。おかしいよね? この国に来るのは今回が初めてのはずなのに……」
だからたぶん気のせいだと笑った。
「国王陛下の準備が整いました。エーアリアス・フォン・エーデル第二王女殿下、並びにそのお連れ様方お入りください」
その言葉とともに大扉がゆっくりと開いていく。
(あれ? やっぱり中もどこかで見たような……どこで見たんだろう?)
謁見の間は一見すると城の中とは思えないほど広さはあるが質素なものだった。だがよく見れば部屋の柱には精巧な植物を模した彫刻が施されており、高い天井を見上げれば神話の一場面を模した天井画が描かれている。
マリアはそれらを視界に収めながら、必死に思い出そうとしながら、エーアリアスに続いてゆっくりと中に入っていった。
そのあとを堂々と背筋を伸ばしたアルフォードとレリオンが、さらにそのあとを着なれない服と緊張でガチガチになったギルガルド、サウリ、フェルト、ダスケルが出す手足が一緒になりながら続く。
エーアリアスが空の玉座の前で優雅に膝をつくのを見て、慌ててマリアたちもそれを真似て膝を折る。
「面を上げるが良い」
静かな靴音が響いたあと、低い落ち着いた声でそう呼びかけられ、マリアはエーアリアスが頭を上げているのを見るとそっと顔を上げた。
「エーアリアス・フォン・エーデル、ただいま戻りました」
「うむ。して、火急の用とは? そなたがわざわざ火急と言うからには何かあったのであろう?」
国王はそう言いながら一行をゆっくりと見回した。ギルガルドたちが国王の眼光に固まる。
「ほう」
ある者を視界に捉えると、国王は僅かに口の端を持ち上げた。
「久しいな。マリアと言ったか?」
「えっ?」
不意に自分の名前を呼ばれ、マリアは驚きで固まる。
「なぜ……私の名前を知って……?」
既に大扉の前には他の者たちが揃っていた。
「珍しいな。お前がそんな格好をするなんて」
「リアが選んだから。私は落ち着かないんだけどね」
そう言ってマリアは苦笑する。
「でも似合ってるぞ。そういう服装をすると新鮮だな」
「ありがとう、アル。お世辞でも嬉しいよ」
その言葉にアルフォードは苦笑いした。
「別に、お世辞ってわけでもなかったんだがな」
その言葉はマリアの耳には届かない。
「? 何か言った?」
「いや、なんでもない」
アルフォードは誤魔化すように首を横に振った。
「……あれ?」
マリアは周囲を見回すと小首を傾げた。
「どうした?」
「なんか、ここを前に見たことがある気がして。おかしいよね? この国に来るのは今回が初めてのはずなのに……」
だからたぶん気のせいだと笑った。
「国王陛下の準備が整いました。エーアリアス・フォン・エーデル第二王女殿下、並びにそのお連れ様方お入りください」
その言葉とともに大扉がゆっくりと開いていく。
(あれ? やっぱり中もどこかで見たような……どこで見たんだろう?)
謁見の間は一見すると城の中とは思えないほど広さはあるが質素なものだった。だがよく見れば部屋の柱には精巧な植物を模した彫刻が施されており、高い天井を見上げれば神話の一場面を模した天井画が描かれている。
マリアはそれらを視界に収めながら、必死に思い出そうとしながら、エーアリアスに続いてゆっくりと中に入っていった。
そのあとを堂々と背筋を伸ばしたアルフォードとレリオンが、さらにそのあとを着なれない服と緊張でガチガチになったギルガルド、サウリ、フェルト、ダスケルが出す手足が一緒になりながら続く。
エーアリアスが空の玉座の前で優雅に膝をつくのを見て、慌ててマリアたちもそれを真似て膝を折る。
「面を上げるが良い」
静かな靴音が響いたあと、低い落ち着いた声でそう呼びかけられ、マリアはエーアリアスが頭を上げているのを見るとそっと顔を上げた。
「エーアリアス・フォン・エーデル、ただいま戻りました」
「うむ。して、火急の用とは? そなたがわざわざ火急と言うからには何かあったのであろう?」
国王はそう言いながら一行をゆっくりと見回した。ギルガルドたちが国王の眼光に固まる。
「ほう」
ある者を視界に捉えると、国王は僅かに口の端を持ち上げた。
「久しいな。マリアと言ったか?」
「えっ?」
不意に自分の名前を呼ばれ、マリアは驚きで固まる。
「なぜ……私の名前を知って……?」
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