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第九章 夏季休業
それはなんの変哲もない日々の記憶(5)
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ほぼ無言状態で目的地である店に着いた。
入ったことのない店に、マリアは目をパチクリさせた。
「ここ、なにやしゃん?」
わかりやすい場所に大きく看板が出ているのだがマリアにはまだ読めなかった。
「ここはな、鍛冶屋さんだよ」
「かじやしゃん?」
ピンとこないのかマリアは首を傾げた。
「ん~、そうだな。包丁とか武器とかを売ってる店だ」
「でも、にゃんできたにょ?」
アランは笑って言った。
「家にある包丁はマリアが持つには重い上にでっかくて使いづらいからな。マリア用に小さい包丁を作ってもらおうと思ってな」
「ホントっ!?」
まさか自分用のものを買ってもらえるとはおもっていなかったのか、マリアは大きく歓声を上げた。
「ああ。ただし、使うのは必ず父さんがいる場所でだけどな」
「うん!」
店内に足を踏み入れると、そこら中に剣やら槍やら斧やらがところ狭しと並べられていた。
「グラント! いるかっ!?」
アランの大声が店の奥に吸い込まれていった。
そのまま待つこと数10秒。
「アランさんじゃないか。今日は子ども連れでどうし……」
店の奥から出てきた小柄な初老の男性がマリアの顔を見て硬直した。
「……アランさん、悪いことは言わねぇ。捜索願いを出される前に親御さんに返してこい」
真剣な表情で言われた言葉にアランは頬を引きつらせた。
「なんで皆して俺を人攫いにしたがるんだ……。この子は娘だ」
「いや、他人と言われる方が違和感がねぇぞ」
そう言いながらレオはマリアの顔をしげしげと見た。
「ん~、でもまあ顔立ちは似てないが、表情とかはお前そっくりだな」
「それは初めて言われた」
マリアは居心地が悪いのか、顔を暗くしていた。
「おっと、怖がらせちまったか?」
「あ~、基本誰に対してもこんなだから気にするな」
そう言いながらマリアを床に降ろした。
「今日はこの子用の包丁が欲しいんだが、頼めるか?」
「その手で持てるサイズとなると特注になるし、値段も跳ね上がるが良いのか?」
言外に本気かとグラントは尋ねた。
「ああ。どうせ俺が払えないような金額にはならないだろう?」
「まあな。普段のお前の買ってくのに比べたら半額に届くかどうかってとこだ。でも子どもにかける金額じゃねぇぞ。俺はちゃんと金をもらえるなら仕事に文句はつけないけどな」
グラントは呆れた目でアランを見た。
「いや、娘にこれぐらいは普通だろ?」
「お前、本気で言ってるのか?」
信じられないと、グラントの目は如実に語っていた。
入ったことのない店に、マリアは目をパチクリさせた。
「ここ、なにやしゃん?」
わかりやすい場所に大きく看板が出ているのだがマリアにはまだ読めなかった。
「ここはな、鍛冶屋さんだよ」
「かじやしゃん?」
ピンとこないのかマリアは首を傾げた。
「ん~、そうだな。包丁とか武器とかを売ってる店だ」
「でも、にゃんできたにょ?」
アランは笑って言った。
「家にある包丁はマリアが持つには重い上にでっかくて使いづらいからな。マリア用に小さい包丁を作ってもらおうと思ってな」
「ホントっ!?」
まさか自分用のものを買ってもらえるとはおもっていなかったのか、マリアは大きく歓声を上げた。
「ああ。ただし、使うのは必ず父さんがいる場所でだけどな」
「うん!」
店内に足を踏み入れると、そこら中に剣やら槍やら斧やらがところ狭しと並べられていた。
「グラント! いるかっ!?」
アランの大声が店の奥に吸い込まれていった。
そのまま待つこと数10秒。
「アランさんじゃないか。今日は子ども連れでどうし……」
店の奥から出てきた小柄な初老の男性がマリアの顔を見て硬直した。
「……アランさん、悪いことは言わねぇ。捜索願いを出される前に親御さんに返してこい」
真剣な表情で言われた言葉にアランは頬を引きつらせた。
「なんで皆して俺を人攫いにしたがるんだ……。この子は娘だ」
「いや、他人と言われる方が違和感がねぇぞ」
そう言いながらレオはマリアの顔をしげしげと見た。
「ん~、でもまあ顔立ちは似てないが、表情とかはお前そっくりだな」
「それは初めて言われた」
マリアは居心地が悪いのか、顔を暗くしていた。
「おっと、怖がらせちまったか?」
「あ~、基本誰に対してもこんなだから気にするな」
そう言いながらマリアを床に降ろした。
「今日はこの子用の包丁が欲しいんだが、頼めるか?」
「その手で持てるサイズとなると特注になるし、値段も跳ね上がるが良いのか?」
言外に本気かとグラントは尋ねた。
「ああ。どうせ俺が払えないような金額にはならないだろう?」
「まあな。普段のお前の買ってくのに比べたら半額に届くかどうかってとこだ。でも子どもにかける金額じゃねぇぞ。俺はちゃんと金をもらえるなら仕事に文句はつけないけどな」
グラントは呆れた目でアランを見た。
「いや、娘にこれぐらいは普通だろ?」
「お前、本気で言ってるのか?」
信じられないと、グラントの目は如実に語っていた。
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