42 / 66
42シャンデル王国上層部
しおりを挟む
二つの世界の重なりに、唯一ほとんど影響が出ない場所があった。教会だ。その事にいち早く気づいた王都の隣町の巫女ライナは、自らの持つ力を総動員して、民衆を教会に避難させ始める。国中に放ってある彼女の目である配下も同時に動き出し、アレスの配下である灰鷹とも連携して少しずつ人々の落ち着きも見られるようになっていた。
この情報はサニーにも知らされ、さらにはリングへも共有される。シャンデルにおける神殿でも同じことが言えるかもしれないからだ。その他諸々の簡単な話し合いがなされた後、リングはちょうど真夜中すぎという時間帯だったこともあり、眠るようにしてシャンデル王国へ帰還した。
「おい、そんなことで寝るな!」
翌朝、リングを発見したのはエアロスである。エアロスの執務室でキプルジャムを流し飲みしたリングは、元の場所に戻って倒れていたのであった。
「殿下……戻りました」
リングはエアロスの顔を見た途端、頭痛を感じた。この王子、決して顔は悪くない。王妃譲りの白い肌に王譲りの銀髪。年頃の乙女であれば、目が合うだけで恋に落ちてしまいそうな甘いマスクである。ただし、頭が悪いのだ。
リングは床から体を起こして立ち上がる。
「おはようございます。今は何時でしょうか? 早速報告させてください」
「まだ六時だ。五体満足で帰ってこれたということは、向こうの国との交渉はうまくいったというところか?」
「世界を一つにした張本人が、あっさりとそれを言いますか?」
本来ならば、エアロスは大巫女ユピテに次ぐ大罪人だ。知らなかったとは言え、二つの神具を合体させてしまったことはもちろん、他所の国の王子を王の許可無く宝物庫に入れた罪も大きい。宝物庫には、シャンデル王家の沽券に関わる大切な宝も多くあるのだ。エアロスの行為はあまりに軽薄で無責任だったと言える。いつも主人に忠実なリングが、うっかり嫌味を漏らしてしまうのも無理は無い。
エアロスが気まずそうに押し黙ったので、リングは早速報告を始めた。続いて、王への報告も済ませる。そして出された結論は、エアロスの罪を隠すというものだった。
「今、エアロスを失脚させるわけにはいかない。第二王子は王に向かない器なのだ。幸い、此度の件の詳細は、王城でも極僅かな者にしか知られていない」
シャンデル王は、苦虫を噛み潰したような顔でこう告げたのだ。
第二王子は、父親であるシャンデル王から見ても、危険な思想が見え隠れすることがある。基本的には実直な好青年だが、周囲の者には到底想定できないところに地雷があり、それを踏み抜いたが最後。第二王子は徐々に彼の影響力を強めている軍部と結託し、国中に戦乱の渦に巻き込んでいくことは目に見えている。
平和な世において、武力が真の最終手段であることが分かっていないのだ。そもそも軍部は、他国からの侵略や災害、辺境にいる魔物化した動物の殲滅のために創設されたものであり、国内部での戦闘行為のために存在してはならないのだ。
シャンデル王は、自分の代で世界の重なりという稀有な自然災害的現象が起こってしまったことは、もう仕方がないと受け止めている。息子が原因では、他へ八つ当たりすることも、責任転嫁することもできない。となれば、せめて事後の収集で国の権威を見せつけて、見事に元通りへ戻す必要がある。それは華麗であれば、尚良い。
シャンデル王はリングに命じた。
「エアロスの事情を踏まえた上で、ダンクネスと交渉することを任じる」
「はっ」
リングがエアロスの側近であるということ。これは将来、レイナスの次に宰相となることを示している。リングは、王からの期待を一身に受けて、今こそ実力を発揮する時だと気を一層引き締めた。
エアロスは事実ダクーに行くことはできないのだが、それに関わらずダンクネス王国へ連れて行くことはできない。一連のことを引き起こした張本人がどんな扱いを受けるのか分かったものではないからだ。エアロス個人としては決してスペックは高くないが、こうしてリングのように主人を慕い、身を粉にして働く部下がいる。リング以外の部下も、誰に言われたわけでもなくエアロスの身辺警護を平時よりも強化し、リングと連携しながら事に当たろうとしていた。この結束力は、強い。
(後はすべきことをするだけ。殿下を守るのは俺だ)
リングは、一世一代の大仕事を始めるべく、次の目的の部屋へ足早に急いだ。
「もちろん、協力しよう。共に解明しようではないか」
歳の割に色気も体格も全く衰えを見せない銀髪の紳士が、握手を求めるべく手を差し出してきた。リングは、筆頭魔道士ジークの元を訪れている。
「このような古書が見つかりまして。おそらく神話が記されているとのことなのですが、ダンクネス王国では完全に読める者がいないそうなのです」
リングはダンクネス王国から持ち込んだ古書をジークに見せた。魔法研究を生きがいにしているジークは、様々な専門書や古書を読むために語学も堪能である。リングは一縷の望みをかけて、早速本に視線を落としたジークの姿を静かに見守っていた。
「うむ。これは古代シャニー語だな」
「そんな言語があるのですね。どうですか? 読めますか?」
「細かなニュアンスまでは汲み取れないが概ねは分かる」
「さすがです! ジーク様!」
(男に褒められてもイマイチ喜べないな。同じ台詞でもあの侍女ならば……)
ジークは異世界から戻ってこないルーナルーナに想いを馳せた。彼女程魔法を巧みに扱う女性なんて見たこともない。持ち色こそ忌み色であるが、基本的な顔立ちや佇まいは大変美しく、半ば本気でプロポーズしようかと悩んでいたぐらいだ。
しかし、ダンクネス王国第一王子と恋仲にあると言う。権力を使って相思相愛の二人を引き離すのは容易だが、そんな大人げないことは許されない歳になってしまった。
(少なくとも嫌われたくない。彼女とは夫婦の形になれなくとも、何らかの形で縁を繋ぎ続けられないものだろうか。まずは、せめて彼らの役に立てるように努力しよう)
「リング、私をダンクネス王国へ連れて行ってくれないか。あちらには他にも古書があるのだろう? この世にも不思議な非常事態を解決するヒントは、おそらく古書にしか隠されていないにちがいない」
「ジーク様、ありがとうございます!」
リングは、用意していたキプルジャムの瓶をすぐにジークの前へ差し出した。
この情報はサニーにも知らされ、さらにはリングへも共有される。シャンデルにおける神殿でも同じことが言えるかもしれないからだ。その他諸々の簡単な話し合いがなされた後、リングはちょうど真夜中すぎという時間帯だったこともあり、眠るようにしてシャンデル王国へ帰還した。
「おい、そんなことで寝るな!」
翌朝、リングを発見したのはエアロスである。エアロスの執務室でキプルジャムを流し飲みしたリングは、元の場所に戻って倒れていたのであった。
「殿下……戻りました」
リングはエアロスの顔を見た途端、頭痛を感じた。この王子、決して顔は悪くない。王妃譲りの白い肌に王譲りの銀髪。年頃の乙女であれば、目が合うだけで恋に落ちてしまいそうな甘いマスクである。ただし、頭が悪いのだ。
リングは床から体を起こして立ち上がる。
「おはようございます。今は何時でしょうか? 早速報告させてください」
「まだ六時だ。五体満足で帰ってこれたということは、向こうの国との交渉はうまくいったというところか?」
「世界を一つにした張本人が、あっさりとそれを言いますか?」
本来ならば、エアロスは大巫女ユピテに次ぐ大罪人だ。知らなかったとは言え、二つの神具を合体させてしまったことはもちろん、他所の国の王子を王の許可無く宝物庫に入れた罪も大きい。宝物庫には、シャンデル王家の沽券に関わる大切な宝も多くあるのだ。エアロスの行為はあまりに軽薄で無責任だったと言える。いつも主人に忠実なリングが、うっかり嫌味を漏らしてしまうのも無理は無い。
エアロスが気まずそうに押し黙ったので、リングは早速報告を始めた。続いて、王への報告も済ませる。そして出された結論は、エアロスの罪を隠すというものだった。
「今、エアロスを失脚させるわけにはいかない。第二王子は王に向かない器なのだ。幸い、此度の件の詳細は、王城でも極僅かな者にしか知られていない」
シャンデル王は、苦虫を噛み潰したような顔でこう告げたのだ。
第二王子は、父親であるシャンデル王から見ても、危険な思想が見え隠れすることがある。基本的には実直な好青年だが、周囲の者には到底想定できないところに地雷があり、それを踏み抜いたが最後。第二王子は徐々に彼の影響力を強めている軍部と結託し、国中に戦乱の渦に巻き込んでいくことは目に見えている。
平和な世において、武力が真の最終手段であることが分かっていないのだ。そもそも軍部は、他国からの侵略や災害、辺境にいる魔物化した動物の殲滅のために創設されたものであり、国内部での戦闘行為のために存在してはならないのだ。
シャンデル王は、自分の代で世界の重なりという稀有な自然災害的現象が起こってしまったことは、もう仕方がないと受け止めている。息子が原因では、他へ八つ当たりすることも、責任転嫁することもできない。となれば、せめて事後の収集で国の権威を見せつけて、見事に元通りへ戻す必要がある。それは華麗であれば、尚良い。
シャンデル王はリングに命じた。
「エアロスの事情を踏まえた上で、ダンクネスと交渉することを任じる」
「はっ」
リングがエアロスの側近であるということ。これは将来、レイナスの次に宰相となることを示している。リングは、王からの期待を一身に受けて、今こそ実力を発揮する時だと気を一層引き締めた。
エアロスは事実ダクーに行くことはできないのだが、それに関わらずダンクネス王国へ連れて行くことはできない。一連のことを引き起こした張本人がどんな扱いを受けるのか分かったものではないからだ。エアロス個人としては決してスペックは高くないが、こうしてリングのように主人を慕い、身を粉にして働く部下がいる。リング以外の部下も、誰に言われたわけでもなくエアロスの身辺警護を平時よりも強化し、リングと連携しながら事に当たろうとしていた。この結束力は、強い。
(後はすべきことをするだけ。殿下を守るのは俺だ)
リングは、一世一代の大仕事を始めるべく、次の目的の部屋へ足早に急いだ。
「もちろん、協力しよう。共に解明しようではないか」
歳の割に色気も体格も全く衰えを見せない銀髪の紳士が、握手を求めるべく手を差し出してきた。リングは、筆頭魔道士ジークの元を訪れている。
「このような古書が見つかりまして。おそらく神話が記されているとのことなのですが、ダンクネス王国では完全に読める者がいないそうなのです」
リングはダンクネス王国から持ち込んだ古書をジークに見せた。魔法研究を生きがいにしているジークは、様々な専門書や古書を読むために語学も堪能である。リングは一縷の望みをかけて、早速本に視線を落としたジークの姿を静かに見守っていた。
「うむ。これは古代シャニー語だな」
「そんな言語があるのですね。どうですか? 読めますか?」
「細かなニュアンスまでは汲み取れないが概ねは分かる」
「さすがです! ジーク様!」
(男に褒められてもイマイチ喜べないな。同じ台詞でもあの侍女ならば……)
ジークは異世界から戻ってこないルーナルーナに想いを馳せた。彼女程魔法を巧みに扱う女性なんて見たこともない。持ち色こそ忌み色であるが、基本的な顔立ちや佇まいは大変美しく、半ば本気でプロポーズしようかと悩んでいたぐらいだ。
しかし、ダンクネス王国第一王子と恋仲にあると言う。権力を使って相思相愛の二人を引き離すのは容易だが、そんな大人げないことは許されない歳になってしまった。
(少なくとも嫌われたくない。彼女とは夫婦の形になれなくとも、何らかの形で縁を繋ぎ続けられないものだろうか。まずは、せめて彼らの役に立てるように努力しよう)
「リング、私をダンクネス王国へ連れて行ってくれないか。あちらには他にも古書があるのだろう? この世にも不思議な非常事態を解決するヒントは、おそらく古書にしか隠されていないにちがいない」
「ジーク様、ありがとうございます!」
リングは、用意していたキプルジャムの瓶をすぐにジークの前へ差し出した。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる