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5.お迎えに参りました

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名前:フウカ Lv37
種族:高位魔族
ジョブ:魔王

身体レベルS(SS)
スキル:(成長速度アップ)
(・状態異常無効→)魅了・毒・混乱・麻痺耐性・鑑定・隠蔽・偽造
・剣→全武器使用可能
(・全属性魔法適正→)
風、火、水、土、闇、空間魔法適正
・状態察知・気配察知・探索・王の威圧


称号
(神のお気に入り)
善人
魔王だけど勇者
森の強者
風の精霊王の友

これが先ほどカイトに見せた自分のステータスだ。カイトくんには悪いけど。偽造したスキル構成でごめんよ。

「…まさか、魔王がこんなに近くになぁ。どんなやつか妄想した俺の時間を返せ。」
「こんなやつでしたっ」
「はぁ、俺がっかり」
「酷っ」

残念がるカイトはどんな魔王を期待してたのだろう?

「…当面は他の国回りながら魔族の情報収集か?」
「だね。他の悪魔族も探さないとね~」

なんかお迎えとかあったらいいのにね。

そんな願望なんてないただの思いつきが実現してしまった。
 

あるの?マジで。冗談だったのに…
カイトと一緒に目の前にひれ伏す魔族?らしき軍団をどうしようかと話す。

「なんか来たんだけど。」
「全員土下座なのだけどどーすればいいんだいっ」

「魔王様!お迎えが遅くなり申し訳ございませんでした!!」
「人間の国でさぞかし窮屈な思いをしたでしょう」
「一層の事攻め滅ぼしときましょうか」

今やっても弱いものいじめだからやめたげて。王様ぶっ倒れてるんだよ?しかももしかしたら君らの魔王様を呼び出してくれた栄誉ある人になるかもしれないのに…。

「いや、いいよ。別に窮屈に思ってないから。」
「さすが寛大深い!」
「……大げさキャラ多めだな……」

そうだね。お迎えいらないから帰ってとは言えない状況になった。はてさて…どうしたものか。とりあえず私の城というものはあるのだろうか?ちょっと興味が湧いたのでそちら方面で目的を掲げようかな。

「それで…私のお城とかあるの?」
「もちろんです!国民も楽しみにしておられます。…魔王様、本来の姿を見せていただけませんか。もちろん、疑っているわけではございません!ですが挨拶するとなると高位魔族の姿の方が好まれますゆえ……」

何そのかっこいいの!本来の姿って種族の姿?

「やり方どうやるの?この状態で召喚されたから良くわからないんだけど…」
「解放といっていただければ。」
おや、結構簡単だ。

「「解放」」
あ、ちゃっかりカイトまで…
なんか風が巻き起こって私自身の見た目が変わっていく。足元の影が私自身を飲み込んでいくように上がってきたので、反射で目を瞑る。

目を開けて、自分の体を確認する。
見た目は真っ黒。冒険用の靴から黒い結晶のようなものが飛び出して体と一体化してて感覚も共有してるため裸足の気分。
服も一変して金の不思議な紋様が刺繍が施された黒いワンピース姿になっていた。一番変わったところは胴体と腰だ。
尻尾がある。翼もある。頭にはツノも。
二重に曲がりくねった黒いツノと、悪魔のような翼が一対と、龍の翼みたいで結晶をまとった翼が一対。尻尾はやはりこちらもなんか黒い結晶が生えている龍っぽい。
でも結晶にまとわりつかれて爪は尖っている。すんごい硬そう。爪でひっかいたら痛そうだな~的な事を考える。爪は自分で調節できるみたいだ。
あ、顔って変わってるのかな。

「ねぇ、カイト。私の顔どんな顔!」

振り向いてみると悪魔の翼生やした黒髪赤目で高貴の出っぽい服装の人がいた。

「「誰や」」
同じ言葉を投げかけてきたのですぐに紛れもなくカイトだと認識した。

「なんだカイトか。ちなみに黒髪赤目だよ」
「おっ、赤目なのね。お前は…黒髪金眼だな。」
ほほう!
「めっちゃカッコ良さげ!ねぇねぇ、君らから見たらどんな…」

あれ?
土下座が進化しとる。
めっちゃプルプルして、呪詛のように何か言っていたり、そんで絶対に顔あげない。
先程は若干の疑いの目と舐めたような雰囲気が漏れていたのにそんなものは見る影もなく怯えているように見える。

「あれ??」
「お前、なんか使ってんじゃないのか?すげえ近寄り難いんだけど。俺も土下座しかけてる…」
「へ?」

そう言いながら既に正座状態のカイトくん。
「えぇ。待って待って確認するから耐えて!」

名前:フウカ Lv37→111
種族:高位魔族(解放中によりST3倍)
ジョブ:魔王

身体レベルSS→S5
スキル:(成長速度アップ)
(・状態異常無効→)魅了・毒・混乱・麻痺耐性・鑑定・隠蔽・偽造
・剣→全武器使用可能
(・全属性魔法適正→)
風、火、水、土、闇、空間魔法適正
・状態察知・気配察知・探索
・王の威圧(常時固定発動)


称号
(神のお気に入り)
(善人)
魔王だけど勇者
森の強者
風の精霊王の友
世界を制する者


あーーー!!!
王の威圧常時固定?!しかもステータス3倍って何?!目の前の魔族たちのレベル鑑定してないけどステータスランク5Sって何かな?!勝てる奴いないよね?!?!

「ごめん、人に戻るのどーやるの!せめてそれだけ教えて」
「封印というだけでありますっっっ!!!」
「封印」
あ、戻った。
封印し終えた後はどっと力が抜け落ちるように緊張した体を解す魔族軍。カイトも人の姿に戻って隣にくる。

「……なんだったんだ…」
「ステ3倍だった」
「マジかよ…」
最後の切り札ってことにしよう。てか、なった瞬間に世界を制したものってどゆことだろ…?

「まぁ、君らは見たしもういいよね…」
「ははっ…おそらく国民も見たがると思いますのでその時はまたお願いいたします。」

では行きましょう。と黒い翼が生えた黒い馬のペガサスが馬車を引いて飛ぶようで、カイトを引っ張ってそこに一緒に乗る。

「彼、私直属の部下にするからっ。」
「!」
「畏まりました。他の幹部は国に帰ってお選びください。」
「うんっ」

馬車で2人になって、飛んだ瞬間を窓から覗いて見届ける。

「すごいファンタジーだよねっ」
「良かったのか?俺が直属の部下で」
「暗殺者ジョブなら動きやすいほうがいいでしょ?」
「…お前、狙ってるかもよ?」
「それはそれで有り。スリルは多いほうがいいのでっ」
「……はー…お前とは長くなりそうだな。」
「私を狙うならSSにはなってもらわないとねっ」

風を感じて飛ぶのはまだやってない。部分解放とかできないかな。練習が必要だね。

「国民が楽しみかも」
「本来の姿みたら全員気絶しないだろうな…」
「それはそれで面白いのだよっ」

王の威圧固定だったからなぁ…あの姿で動き回ることはできそうになさそうだ。
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