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第七話 人に囲まれてるー?!
しおりを挟む完全防御形態という感じのツタも中にいたリーフィが目を回したことにより解かれる。咥えるところがほぼないリーフィを運ぶのにジェットがツタの部分を咥える。しかし、力なく出ている細い蔓がジェットの口から溢れ落ちてきそうになりをアルトが風魔法で受け止める。
『危なかった…』
『目を回しているな…大丈夫か?』
ツタから口を離し、ツタが勝手に体内に戻るのを確認して体に怪我がないかついでに治療師に見せにいく。
『怪我をしてないか確認を頼む』
『ちょうどいいところでジェットが来たわね。さ、気絶してる今のうちにお願い。ラーフ。』
『さすが情報通り可愛い…えっと、目に見える怪我はなさそうだね。葉が萎れてるけど、ご飯ちゃんと食べてる?体力が少ないと弱りやすいよ。』
「……初めて見る魔物だ。なんて種族ですか?」
『リーフィという種族の幼体だよ。君はステータスのみ鑑定を頼むよ』
「はい。」
『終わったらここに念写だ。』
「はい」
『それが、保護したのは今日なのだけど。生まれたのは昨日から一昨日みたいなの、更に食事はさっき初めてミーカを口にしたくらいよ…』
『それが原因だ。目が覚めたらもう少し食べさせたほうがいい。葉の様子で元気さは変わる。触った感じが乾燥しているのを見て、恐らく水分多いものを食べさせたほうがいいよ。ミーカとかメーロもいいね。』
『わかったわ。すぐに用意させる。』
ステータスの結果を念写し、驚いた表情をする鑑定師。
「この種ってこの数値は普通です…?」
『ん?どうだった?…………これは』
『保護するまでに逃げ回ったらしいから、それで鍛えられたのかもしれないわね。…にしてもどうやったらこんなふうに鍛えられるのかしら…今度きたらもう一度問いただしましょ。』
「普通はどれくらいなんですか?」
『攻撃防御速さ全部1が、普通よ』
「「は?!」」
『過酷な環境に居たんだな…それで他は?リーフィは集団行動が基本だろう?』
『……他は全滅。狩られた後よ…』
『つっ!』
「え、どういう?」
『……念話は』
メーデルが重く首を振る。
治療師も表情を曇らせる。
『不味くないかそれは』
『そう、かなり深刻なのよね…』
「全然話についていけねぇ…」
「一体どういう…」
そんな話を気絶したリーフィを囲ったまま話していた彼ら。そんな中、リーフィが気絶状態から目を覚ます。
「フィ~…」
あう~世界が回ってる夢から覚めました~。
はっ!そういえば私、人の前に差し出される寸前だったではないですか!
今どういう状況……
ぴしり。
「「あ」」
『『あ』』
「フィーーー!?!?!!」
目の前どころか、前後左右人に囲まれている状況に大混乱。
私に何をするつもりですか?!もしや何かした後ですか?!?!ここでは何をされたとか安心して確認できません!!人がいっぱいです!!敵です!!近づかないでくださいー!!!
蔓を最大限に活かして暴れて見せる。まずは人への攻撃は必須。さらに逃げ場所を探す為にもっと空間の把握が必要となる。無闇矢鱈に蔓を暴れ続けた。
『落ち着いて?!』
『ちょ、冒険者!傷つけないように怖がらせないように何とかして!?』
「んな無茶苦茶な!」
「えー?!中々ダメージが入っているんだけど?!」
『リーフィ、落ち着くのだっ』
『おいおい、人嫌いの魔物の子供を取り囲んでたのかよ…馬鹿なのか主人達は…』
「フィー!フィー!」
人に取り囲まれている状況に混乱して、隙間ができた瞬間にツタを操り、一気に距離を置く。
私を売ったアルト師匠なんか知らないのですっ!私は嫌だと言ったのです!!
窓があったので、気配察知でちゃんと外に誰も居ないことを感知しつつ、外に出ます。
すぐに土だったので潜ります。地上は危険しかありません!
もう、地下で暮らしますぅ!!
慌てて外に追いかけるが姿形、痕跡残さずに消えてしまったリーフィ、辺りを隈なく探したのだが、その日は日が暮れても出てこず、サーチを使っても見つからずで、見つからないという状況に各々が責任やら、心配やらを背負い気分が重く沈んだ日が過ぎた。
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