異世界のんびり自由な流浪旅?

霜月雪

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 ブラッドガウルの肉は大量にあるし、そのほかの肉もある。
 まずは米を炊くことにしよう、最近は朝夕の食事にパンを食べることは少なくなったな。
 食事の用意している俺がパンを出さないってのもあるけど、フィアやリュイル達もご飯を好んでるような気がするな。
 スキルを起動して、フィアと約束したワインを選んで後はどうするか。
 ブラッドガウルは見た目が牛に似た感じだったせいか肉は牛肉に近かったな、ガウルって名前の付く魔物は牛肉と同じように使ってもいいかもしれない。
 なら、ハヤシライスでもつくるか肉を沢山入れられる、手間を考えてハヤシライスの素を選ぶのだが結構種類が色々あるな、さすが食品会社。
 作る量のこともあり業務用で量の多いものを選ぶ、デミグラスソースも同じく業務用で量の多いものを選んで購入。
 ブラッドガウルの肉を大量に薄切りにしていく、肉が大きな塊なので薄切りにしていっても厚かったり細切れになってしまうのは仕方がないよな。
 煮込んでしまえば分からないし味は同じだ。
 鍋に肉を大量に入れ、スライスしたタマネギをいれワインを入れて煮込む。
 本来は炒めてやるのだろうけど、量もあるので適当に省略。
 食品会社のハヤシライスの素とデミグラスソースでなんとかなるでしょ。
 灰汁を取りつつ煮込んである程度たったらハヤシライスの素とデミグラスソースを投入する。
 一度に全部は入れずに、味を見ながら少しずつ追加して濃いようなら、水かワインで調整。
 好みの味になれば出来上がりだ。
 リュイル達の方を見ればフィアが向かった先を見ているのでまだブラッドガウルと戦っているのだろう。
 ただ、レスティナがいない事が気になりまわりを見れば俺の死角になる場所で調理テーブルに上半身を載せて作っている料理を見ていた。


「リュイル達のように見てなくていいのか?」


 レスティナは戦いより料理か、相変わらずだな。


「うん、フィアさんがすご過ぎて参考にはならないよ。私はこっちのほうが気になる」


 テーブルにおっぱい載せてこちらを見ている姿は出会った時と同じだな。
 せっかくだし手伝ってもらうか。


「そこで見てるなら手伝ってくれないか?」

「何すればいいの?」


 手伝いをお願いすれば勢いよく立ち上がり、おっぱいを揺らしながら迫ってくる。
 おっぱいを押し付けてくるのは嬉しいが料理をしてない時にして欲しい。


「これを薄切りにして欲しい、こんな感じに」


 ブラッドガウルの肉を取り出し、レスティナの目の前で薄切りの手本を見せる。


「多少厚みがあっても、細かくなっても気にしなくていいから、薄切りにしていってくれ」

「わかったわ」


 レスティナに包丁を渡すと肉に包丁を入れ薄切りを作っていく。
 その間にスキルで必要な物、生姜とみりんを購入。
 アイテムボックスから必要な日本酒、おろし生姜、しょうゆを取り出す。
 鍋に適当にしょうゆ、日本酒、みりん、おろし生姜を入れておく。
 レスティナが肉を切っている間に生姜の千切りを作り鍋に入れ弱火にかける。
 薄切りにしてもらった肉をフライパンで炒め火が通ったら、弱火にかけた鍋の中に入れて煮からめていく。
 テスティナが薄切りを量産しているので、フライパンでそれらを炒め鍋に追加していく。
 しばらくして出来上がったのが、ブラッドガウルのしぐれ煮だ。
 味見をしたけど悪くないと思うから、作り方が多少適当だったとしても大丈夫だろう。


「レスティナ、味見な」


 俺だけ味見ってわけにもいかない、手伝ってもらったし。
 小皿に一口分だけ渡す。


「ん、これ。美味しい」

 
 味見を口にして驚き、食べた後は笑顔だ。
 レスティナの口にはあったようだ。
 なら、リュイル達も大丈夫だろう。
 米も炊きあがってるし、食事の用意は出来ているが空を見ればまだ明るいので夕食には早い。
 フィアもまだ戻ってこないようだし。
 あげ物でも作ってアイテムボックスに入れておこうかな。


「ヒロさん、これもっと食べたい」


 隣にいたレスティナが味見ようの小皿を出し見上げてくる。
 そんな表情されたら断りにくい、でも食べて良い何て言ったらなくなってしまそうだ。


「これで終わりだぞ。手伝ってくれたからだからな。フィアは頑張っているんだし」


 レスティナに出された小皿に山盛りにしぐれ煮をのせる。
 断れない俺も甘いんだろうな。


「うん、ありがと」


 笑顔で受け取るレスティナ。
 巨乳美女のレスティナから向けられる笑顔は魅力的だな。
 視線を感じそちらに顔を向けるとリュイル達がこちらを見ていた。
 あれ、フィアの戦いを見ていたんじゃないの?


「どうしたんだ?」

「レスティナだけずるい」


 リュイルの言葉にリリィ、アイシェラ、ラムリアの3人はうなずいている。


「ずるいと言われても、手伝ってくれたからな。それよりもフィアの戦いを見ていたんじゃないのか?」

「フィアさんの戦いなら終わったわよ」


 え、終わった。
 そんなに時間たってないよな。
 料理つくっていて気がつかないほど時間が過ぎたってことは無いな空は確認したし。


「リュイルのいう通り、少し前に終わってもう少ししたら戻ってくるのではないでしょうか」

「早過ぎないか?」

「戦闘は圧倒的でしたよ」

 
 リリィがフィアの戦闘の感想を言ってくる。
 そうか、すぐにでも殲滅って簡単に言っていたけど可能だったとは。
 俺を安心させるための言葉でもあったんだろうけど、凄いな。


「おわったわ」


 リュイル達と話しているとフィアが結界の中に入ってくる。
 戻ってくるの早いな。


「お疲れ様。この後はどうする?」


 フィアにこの後の事のを聞く。
 戦闘して戻ってきたばかりだし、すぐに回収に向かうのか、休憩するのかどうするのだろう。


「そうねぇ。食事の方はどうなの?」

「とりあえず、一段落はしている」


 見回しながらフィアが聞いて来るので答える。
 時間があるから追加で作ろうと思っていた所だしな。


「なら、回収を済ませましょう」

「わかった」


 フィアの提案に俺は調理用テーブルにある料理をアイテムボックスにしまいこむ。
 何もないとは思うが一応ね。
 レスティナがしぐれ煮の鍋をみつめてたしな。
 変わりにお茶を入れた水差しとコップを出す。
 リュイル達に休憩していてと言って、俺はフィアに抱きつく。
 抱きついたのをフィアが確認するとブラッドガウルの回収に先ほどまでフィアが戦闘していた場所へ。

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