異世界のんびり自由な流浪旅?

霜月雪

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 フィアがブラッドガウルと戦闘していた場所に来たのだが。
 ………何だ、これ。
 巨大な真っ赤なな角で凶悪な顔した牛があちこちに横たわっている。
 そこらじゅうに、何頭も。
 飛んできたのだから、ある程度はわかったつもりだったが、近くで見るののとでは雰囲気が違う。
 こんなのに囲まれてる中で、よく倒したものだ。
 しかし、周囲に血の匂いがしないのは助かる。
 見ると、どれもこれも首があらぬ方向に曲がっていたり、ねじれていたりと、血が出ないように仕留めているのは俺に対して配慮だろうか。
 だとしたらありがたいな。
 これだけの数、時間がかかっただろうに、でも食事作ってる間だからそれほどでもないのか。


「これだけの数、仕留めるのは大変だったんじゃないか?」


 周囲を見回しながら隣にいるフィアにたずねる。


「そうでもないわ、大変というより面倒と言ったほうが強いわね」

「そうなのか?」

「これらは、仕留めるだけならどうとでもなるわ。ヒロはこれらを必要としているし、出来るだけ傷がない形のほうが良いのでしょう」

「そうだな、そのほうがありがたい」


 なるほど、俺のために面倒な仕留め方をしてくれているのか。
 それじゃ頑張ってれた御礼でもしないといけないかな。


「ここで話していても進まないし回収していくか」


 しかし、フィアと戦う事になったブラッドガウルが哀れだ。
 何もすることなく事切れた事だろう。
 フィアには傷とか怪我とかそういったものは見当たらないし、一方的な蹂躙か。
 1、2、3、………12,13、………27、…まだまだあるな。
 向こうのほうには他よりでかい巨体もあるし、アレがリーダーか。
 ミランナが半分欲しいって言っていたけど大丈夫かね。
 俺らも半分ほどあればしばらくは、ガウル系統は狩らなくても困らないくらいは確保できる。
 ブラッドガウルの肉ばかり出して飽きなければ良いけど。
 出来るだけ飽きないように味付けとか出す頻度で何とかするか。


「これらを、どうやって仕留めていったんだ。1匹、2匹、なら俺もはぐれで見てるから分かるけど、逃げるやつもいるだろ」


 はぐれを仕留める時は、フィアがいつの間にかブラッドガウルに近づき頭の角をつかんで、頭を回転させていたが、これだけの数ともなると気がついて逃げる個体もでてくるはず。


「それらなら、程よく群れて固まっていたから結界を張ったわ」

「逃がさないために結界を使ったのか」

「そうよ、私の結界を壊すことなんて出来ないだろうし、後は1匹ずつ仕留めていけばいいだけよ」


 出入りできない結界で群れごと囲っったと。
 フィアしか出来ない方法だよな。


「殲滅するのに時間がかかってしまったわ」


 簡単に仕留められるとはいえ、1匹ずつ仕留めていくんだ数が多ければ時間もかかるわな。


「ありがとな」


 隣を歩いているフィアにお礼を言う。
 ふう、やっと全部回収できた。
 ブラッドガウルは全部で73匹いたよ。
 途中でであったはぐれも入れると結構な数になる。
 はぐれの数は数えていなかったから、解体の時に数えなおすか。
 リーダーは特にでかかった、他のより倍ぐらいあった。
 ブラッドガウルは高級品って話だけど、リーダーの方が美味いのだろうか。
 ミランナと交渉してみよう。
 これだけの量を普通だったら腐らせてしまうが、アイテムボックスに入れておけばなんとも無いからな。
 回収が終わった後は来たときと同じように、フィアに抱きついてリュイル達がいる場所へ。
 結界に入ればリュイル達が出迎えてくれる。
 出迎えてくれるのは、嬉しい。
 空を見れば、まだ夕食には時間が早い。
 フィアも頑張ってくれたし、何かおやつでも出して休憩しようかね。

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