異世界のんびり自由な流浪旅?

霜月雪

文字の大きさ
98 / 178

098

しおりを挟む
 ミランナのいる部屋に行き扉を叩く。
 何度か来ているから場所を覚えてしまったな。
 部屋の中から返事が返ってきたので扉を開け中に。
 まさかすぐに戻ってくる事になるとはな。


「あら、まだ何かあったかしら?」


 部屋に入ってきた俺達を見てミランナは驚き尋ねてくる。
 ミランナは何かの書類らしきものを手にしているから仕事中か。


「仕事中に悪いな」

「そこまで重要な案件でもないから大丈夫よ。それで何かしら」

「ブラッドガウルの解体を先に1匹頼んでいただろ」

「ええ」

「それなりの大きさの肉の塊をミランナの分として解体倉庫に預けてあるから、仕事が終わったら受け取ってくれ」

「 ! 」


 ミランナは机に両手を突いて思い切り立ち上がり俺を見てくる。
 胸元開いてる服装だから勢い良く立ち上がった時に揺れるおっぱいが良く分かるな。


「本当に私の分があるの?」

「倉庫に預けて、おっちゃんに話もしてある」

「確認してみるわ、ありがとね」

「こっちも色々と手間かけてるみたいだしな」


 ミランナの依頼とはいえ持ち込んだブラッドガウルで解体倉庫の方は余裕なさそうだし。
 魔物を持ち込んで解体を頼まないように注意されたな。
 依頼の前に狩った魔物残ってるんだが。
 

「後で何かお礼をするわ」

「気にしなくていいぞ」

「貰っといて、そういうわけにもね」

「そうか、期待しておくよ」

「ええ、期待しておいてちょうだい」


 ミランナはそれとなく胸元を見せ付けおっぱいを強調するような仕草をする。
 俺がおっぱいを見ているの分かっててやってるな。
 ミランナに伝えることは終わった、次は商業ギルドで家だな。
 前に借りた物件あると良いが。





 商業ギルドへやって来た。
 入って受付を見回すとエルメリアがいたので俺とフィアはリュイル達から離れエルメリアのいる所へ。


「こんにちわ、ヒロさん。戻って来たのですね」


 近づきこちらに気がついたエルメリアが笑顔で迎えてくれる。


「ああ、今日戻って来た、それでまた家を借りたいんだ」

「わかりました。前と同じ家でしょうか?」

「同じ家でよろしく」

「少しお待ちください」


 そう言って奥へ入って行ったのでギルド内を見回す。
 時間帯のせいもあるかもしれないが人はあまり居ないな。
 街の門が開いてすぐの朝が一番混む時間なんだろう、俺にはこのくらい人が少ないほうが良い。


「少しいいかな?」


 ギルド内を見渡しているとエルメリアの隣にいた受付女性が声を掛けてくる。
 声を掛けた女性に視線を向ければ綺麗な巨乳のエルフだ。


「俺に何か?」

「噂の女性冒険者と一緒にいる人ってキミの事だよね?」

「噂?」


 女性冒険者っていうとリュイル達だよな。
 噂については聞いた事無いんだが、俺が何かあるのか?


「聞いた事無い?」

「ああ」

「違うのかな?」


 エルフの女性は首をかしげている。
 俺に聞かれても知らないぞ。


「その噂って言うのはどんな内容か教えてもらっても良いか?」

「いいわよ、人だけと人を求めない。人だけど獣人が好き。女性なら種族を問わず求める、かしら」


 なんだその噂は。


「あら私は、女性なら誰でも声掛ける。沢山の妻がいる。おっぱいが大好き。男と話をしないかな」


 噂話が気になったのか、女性エルフと話していると隣の人の女性が話しに入ってくる。
 噂が1人で歩いてる感じだな。
 気になる項目もあるが俺じゃないよな。


「たぶん俺のことじゃないと思うぞ」


 受付女性2人に隣にいるフィアとリュイル達を教え、リュイル達は護衛でいること話す。
 フィア、リュイル、リリィの3人は見た目なら人だし、アイシェラは獣人だけど、ラムリア、レスティナはエルルフだから噂との違いが分かるだろう。


「噂とあわないわね」

「あうものもあるけど、違うわね」


 2人はなにやら考え込んでいる。
 書類と鍵を持ってエルメリアが受付カウンターに戻ってくる。


「お待たせしました。あら何かありました?」


 考え込んでいる同僚2人をみてそんなことを言う。


「何も、エルメリアが戻ってくるまで話し相手になってくれただけだよ」

「そうですか、よかったですね。それでは前回と同じ物件ですが借り手が居ませんでしたので問題ありません。それでどのくらいの期間借りられる予定ですか?」


 そうだな、ブラッドガウルを全部渡すのに日にちかかるし、首都に向かうのに準備もある。
 小屋がどれくらいかかるかも分からないしな。
 とりあえず1ヶ月、30日ぐらいで良いか。
 足りないときは延長すれば良いし。


「フィア、とりあえず30日ぐらいこの街にいて良いか?」


 隣にいるフィアに小声で聞いてみる。
 嫌といわれたら困るけど、その時はなんとかしよう。


「ヒロの好きにすれば良いわよ」


 フィアの返事に安堵する。
 なんだかんだと、フィアも借りた家での生活は悪くなかったようだしな。 
 ひとます30日の契約をエルメリアと済ませ鍵を受け取る。
 延長できることは前回聞いている。


「ありがとうございました。また何かありましたらお越しください」


 エルメリアが笑顔で言ってくる。


「その時はまた来る」


 笑顔のエルメリアに頷きながら答える。
 たぶん今日からいつのもの時間に借りた家に来るかもしれないな。


「前と同じ家を借りることが出来てよかったよ」


 リュイル達の所に戻り借りられたことを話す。


「で、これから借りた家に向かうの?」

「いや、家に向かう前にラルフィナさんの所に行って戻って来たことを言っておきたい、リュイル達はどうする?」


 リュイルの問いに、この後の行く場所を告げる。
 ラルフィナさんは俺のことをかなり心配してくれた人だからな、安心させたい。
 借りた家の事も伝えたいし。
 リュイル達が休みたいのなら前の家の場所は知っているし、鍵を渡すことも可能だ。


「ラルフィナのお店は気にはなるんだけどね」

「確か魔道具屋って話でしたものね」

「ルーミアの事は?」

「戻って来たことは知っているろ思うけど、家を借りたことは知らないわよね」

「ルーミアはヒロさんに手を振っていたし戻って来た事は知ってる。同じ家を借りたことは出来たら伝えたほうがいいかな」


 リュイル達が話し合ってる。
 ルーミアの事は借りた家で一緒に過ごしていたから仲が深まったのかな。
 俺がルーミアに手を振って振り返してくれたことレスティナは見ていたのか。
 一緒にいたんだから気がつかないわけはないな。


「ルーミアが借りた家に来た時間からすると仕事終わりまで時間があるわよね」

「ラルフィナさんのお店に行って、その後の時間をみて別行動にしましょうか」


 リュイル達の行動が決まったようだ。
 一緒にラルフィナさんのお店だな。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

薬師だからってポイ捨てされました!2 ~俺って実は付与も出来るんだよね~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト=グリモワール=シルベスタは偉大な師匠(神様)とその脇侍の教えを胸に自領を治める為の経済学を学ぶ為に隣国に留学。逸れを終えて国(自領)に戻ろうとした所、異世界の『勇者召喚』に巻き込まれ、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。 『異世界勇者巻き込まれ召喚』から数年、帰る事違わず、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居るようだが、倒されているのかいないのか、解らずとも世界はあいも変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様とその脇侍に薬師の業と、魔術とその他諸々とを仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話のパート2、ここに開幕! 【ご注意】 ・このお話はロベルトの一人称で進行していきますので、セリフよりト書きと言う名のロベルトの呟きと、突っ込みだけで進行します。文字がびっしりなので、スカスカな文字列を期待している方は、回れ右を推奨します。 なるべく読みやすいようには致しますが。 ・この物語には短編の1が存在します。出来れば其方を読んで頂き、作風が大丈夫でしたら此方へ来ていただければ幸いです。 勿論、此方だけでも読むに当たっての不都合は御座いません。 ・所々挿し絵画像が入ります。 大丈夫でしたらそのままお進みください。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...